上田義彦さんの M.River展
ゆりかもめ・竹芝駅から徒歩1分、鈴江第3ビル6Fのギャラリー916。もしかしたら、と思って行ってみたら見覚えのある青いビル。やはり、何度か打ち合わせに来ていたピラミッドフィルムが入っているビルでした。聞けば10BANスタジオが出た後に昨年オープンしたそうだ。もともとが倉庫だったビルだから天井がとても高くて、その広々した空間はギャラリーにぴったりです。
で、上田義彦さんの作品。杉本博司の名建築シリーズを思い出した。ピントがどこにも合っていない。こんな風に写るカメラがあるのが信じられない。でもこれらは私たち人間の視覚よりもっと深く、まるで屋久島の渓流の奥底に存在する魂にピントを合わせたような写真。こんな言い方はヘンかも知れないけれど…。この前の展覧会、屋久島の樹や岩の物質性に迫って自然の存在感を表現した「Materia」の、いわば水・川をテーマにした続編。だから「M.」 Riverなのです。
見える事象を正確にリアルに伝え残す手段として発達してきたのが写真。そのためのレンズやカメラ技術の進歩でした。この展覧会は写真の未来を考えるうえで、非常に示唆に富んだ展覧会でした。
Gallery 916
M. River
Yoshihiko Ueda
2013.3.22~5.25
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