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2013年4月

2013年4月29日 (月)

縁を求めて出雲へ向かう

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 今年は20年に一度の伊勢神宮の遷宮。そして60年に一度の出雲大社の遷宮。次に二つ同じ年に遷宮が行われるのは?なんてことは私の年齢では考えられません。そんなわけで、まずは出雲へお参りに行ってまいりました。ここは日本有数のパワースポット。大鳥居をくぐると空気が清澄に張りつめ、無意識のうちに背筋がすっと伸びるのがわかる。Photo_3
 縁結びの神さまとして有名な出雲大社は、巨大なしめ縄でも有名です。しかも大きなのがいくつもある。お参りする社もいくつもあります。現地のガイドさんが「こちらは2拝、4拍子、1拝でお願いいたします」。ほかの神社とは作法が違う。特別なんですね。
 結婚式場もありました。表で記念撮影をするところに出くわしました。きっとこちらに参拝しご利益があって結婚されたのでしょう。末永くお幸せに暮らせるよう祈っております。

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 さて、大国主命をまつる出雲大社は、大和王朝とは別系統の王朝の名残だと言われています。いまブームの「古事記」の記述にも、そのあたりの事情は色濃く残っている。
 国譲りの見返りとして建てられた出雲大社は、とんでもなく高い柱の上に立つ豪壮な神社だったという。もう30年以上も前になるけれど、大林組のPR誌で「古代の出雲大社をその当時の技術で建築する」方法や費用、時間などの研究が特集されていた。それによると高さは約48m。15階建のビルの高さの建造物をしかも木造で! また旧暦の10月には日本中から八百万の神々が出雲に集まって会議をされるから、神戸も東京も九州もどこも神無月。ただし出雲だけは神在月。いろんな面で特別扱いなんです。
 遷宮の年なので、今年の参拝客は特に多くなることでしょう。みなさま、いい縁を求めて出雲へお出かけ下さい。名物の出雲そばも、ぜひ。

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2013年4月26日 (金)

西宮の、とら 虎 トラ

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 ここは甲子園球場の近く、西宮市大谷記念美術館。いま、甲子園の歴史と日本画における虎の表現「とら 虎 トラ」展が開催されている。プロ野球も開幕したことだし、ちょっと出かけてみましょうか。と、やって来ました。
 玄関を入ってすぐに記念撮影用のボードが用意されている。ムムッ、この虎は円山応挙。期待を抱きながら、まずは甲子園の歴史の展示室へ。1924年(大正13年)の建設当時の写真や球場の設計図、全国中等学校野球大会やスキージャンプ甲子園大会!、もちろんタイガースのポスターなどが展示されている。へぇー!ほぉー! 知らなかったことばかりで、驚いたり感心したり。新しいものでは今岡選手、新井選手、岡田監督が実際に着用したユニフォームもあり、結構楽しめました。

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 2階に上がると、近世日本画における虎の絵画を集めた展示室。記念撮影用のボードにも使われている円山応挙もいいけれど、応挙の弟子・長沢芦雪が襖十二面に描いた水墨画「龍図 虎図 襖」が特に素晴らしかった。これを所蔵する和歌山県串本町の無量寺では、虎と龍が部屋の両側からにらむ配置で襖絵になっているそうだ。今回の展覧会では横一面に並べられていますが、いまにも飛び出してきそうでその迫力たるや絵画とは思えない。
 この作品は26日(金)からの後期展示では残念ながら見られません。ご覧になりたい方は無量寺の境内にある美術館「串本応挙芦雪館」までお出かけ下さい。

甲子園の歴史と日本画における虎の表現
とら 虎 トラ
西宮市大谷記念美術館
2013年4月6日(土)~5月19日(日)

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2013年4月23日 (火)

六甲山でウラシマソウ

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 六甲の山の中でウラシマソウの群生を見ました。と言っても自分で発見したわけではありません。ちょうどNPOの森林ボランティアの方々と山道で一緒になり、教えていただいた次第。教えてもらわなかったら何も気づかず通り過ぎてしまっていたでしょう。というのも、まるで枯葉のような黒っぽい茶色とも黒紫ともつかない地味な色、しかも花とは似つかぬヘンな姿。初めて見るウラシマソウは奇妙で不気味でした。漢字で書けば浦島草。花のヒゲのように見える長いツルが、浦島太郎が持つ釣竿の長い糸に見えることから名付けられたという。

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 サトイモ科でミズバショウとも近いそうです。だから渓流のそばなど少しジメジメしたところに生える。天狗のうちわのような形の葉が1本、それに花がひとつ咲き、秋には赤い実がトウモロコシのような房状につくそうな。いまはまだ樹の葉も出始めたばかり、下草もまだ生えないから見えているけれど、もう少したてば草も茂って見えなくなるでしょう。
 このウラシマソウ、おもしろいのは生えてから3年ぐらい、つまりまだ小さいうちは雄花が咲き、もっと大きくなると雌花になるという。同じ株なのに雄と雌の花をつける両性具有なのだ。場所をしっかり覚えておいて、来年の春にまた見に行こう。

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2013年4月20日 (土)

研究者肌の主人のカレーうどん

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 大阪の地下鉄「谷町九丁目」駅から徒歩5分。住宅と商店が混在する静かな一角、マンションの1階に入る皐月庵という手打ちうどん屋さんにやってきました。成田一徹さんの本では「おろしぶっかけうどん」が紹介されているのですが、この店の一番人気「カレーうどん」と栄養満点と添え書きされている「十六穀ごはん」をいただきました。
 成田さんによると、ここの店主は修行経験ゼロの元サラリーマン。食べ歩きと図書館で読破した本の知識だけで、理想のうどんを完成させた。研究者肌である。従来、職人の経験とカンに頼っていたうどん作りを、科学的に分析、数値化することによって完璧に美味しいうどんを作り上げる、という。

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 ここのカレーうどんは長期熟成させた自家製ルーを使う本格派。おもしろいのがカレーの辛さを変更できる点。半辛(辛さ 半分)、辛口(辛さ 1.5倍)、激辛(2倍)、超辛(2.5倍)、極辛(3倍)と、標準を含めて6段階の辛さで味わえる。ちなみに私は1.5倍の辛口にしてみた。ウッ!これで1.5倍? めっちゃカラッ!でも、めっちゃウマッ! 和風だしとのマッチングが抜群なのです。たちまち頭のてっぺんから額から汗が滝のように流れ出す。3倍の極辛てどんなんや! ああ、合間に食べる十六穀ごはんの何とやさしいことよ。自慢の手打ち麺のもっちりとした食感、ツルツルした滑らかなのど越し、辛さの中からじわーっと旨味が染み出てくるカレー。文句なし、病みつきになる美味しさです。
 あと季節限定で数量限定の牡蠣うどんもそそられました。「赤穂・坂越産 牡蠣使用」という張り紙。よーし、次はこれにチャレンジだ。と言っても、ずいぶん先、秋も深まってからということで・・・。

成田一徹 『あの店に会いに行く』
~人生の想い出にしたい全国の名店~
本体 1,500円 + 税 (発行:マーブルトロン、発売:中央公論新社)

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手打ちうどん
皐月庵
大阪市中央区東平1-4-5
Tel. 06-6762-1468

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2013年4月17日 (水)

フランシス・ベーコンに囚われる

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 ピカソと並ぶ美の巨匠。没後アジア初の回顧展、とチラシにある「フランシス・ベーコン展」が、竹橋の東京国立近代美術館で開催されています。ピカソと並ぶかどうかはわかりませんが、20世紀を代表するアーティストであることは間違いありません。ガツンときました。
 彼がインタビューに答えた言葉が会場に掲示されている。
    こんなことが気になって仕方がないんだ。
    どうやったら、まったく理性的でないやり方で
    作品をつくることができるのだろう?
    見た目の上だけでイメージをつくり直すのではなくて、
    わたしたち自身が把握している
    あらゆる感覚の領域をつくり変えたいんだ。(1962) 
Photo_6 彼のもくろみどおり(?)、見る側の私たちも理性ではなく感性でもなく、もっともっと深い根源的な力で囚われるのが自然で素直な鑑賞の態度だと思う。奇怪、腐敗、不条理、恍惚・・・それら言葉では表せない圧倒的な感覚に包まれる不思議な体験。それが現代の「生」なのだ、と深く思い知らされる。
 今回の展覧会は単なる回顧展ではなく、ベーコンの特徴である「身体性」にフォーカスした企画展です。ベーコンの独創性は他ジャンルのアーティストにも大きな影響を与えたという。土方巽とウィリアム・フォーサイスという日本と世界を代表する振付家・ダンサーによるパフォーマンス映像も鑑賞できますが、「身体性」の特徴がよく表現されていて見応えがありました。
 もうひとつ、彼の言葉を。(解釈はご自由に)
    17歳のときだった。
    あの時のことは、ものすごく鮮明に覚えているよ。
    道端の犬の糞を見て、不意に悟ったんだ。
    そうか、人生ってこのようなものだとね。(1975)

東京国立近代美術館
フランシス・ベーコン展
2013年3月8日(金)~5月26日(日)

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2013年4月14日 (日)

自然には逆えない?今年の花見

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 神戸では久しぶりに大きな地震。季節は違えど18年前と同じような時刻だったので、その時の恐怖が生々しくよみがえりました。みなさまの被害ができるだけ軽微なことを祈ります。あらためて災害の備えの大切さを感じているところです。
 ところで今年のお花見はいいかがでしたか? 平年より1週間から2週間も早く咲き、行く春を惜しむ間もなく春の嵐とともに散ってしまいました。お花見のタイミングがつかめないうちに終わってしまった感じで、どこか物足りない、釈然としないとお思いの方も多いのではないでしょうか。各地の「桜まつり」も肩透かしにあったようで、いまひとつ盛り上がりに欠けました。早くからスケジュールを立てて準備する行事は、急に予定を変えられないのでしょうがないですよね。 冬の寒さが厳しかったから開花は遅い、と思っていたら3月になって暖かい日が続いたので早まったということらしいのですが、変動が大きすぎる。自然相手のことは、身を任せるしかないのかもしれません。

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 お花見に乗り遅れた悔しさで、桜の後の「わびしさ」の写真を撮ってみました。川面を流れる花弁。公園の斜面に散った花弁。舗道の敷石と花弁との対比、というのも見つけました。Photo_9
 日本人の美意識としては、華やかな満開よりも「これから」と希望が膨らむ三分咲き、もしくは春風に吹かれてハラハラと散る風情を愛でる。満開の桜は、完璧すぎて不吉なものを感じるのでしょうか、西行の和歌を連想したりして。だから散った花弁を見て満開の記憶を反芻する、そして来年の花を想像する。直接的な華やかさより、間接的な麗しさ。
 「年年歳歳花あい似たり」と唐の詩人は歌ったが、その年その年によって花はずいぶん違うと思います。そんなことを考えるのも齢のせい?

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2013年4月11日 (木)

上田義彦さんの M.River展

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 ゆりかもめ・竹芝駅から徒歩1分、鈴江第3ビル6Fのギャラリー916。もしかしたら、と思って行ってみたら見覚えのある青いビル。やはり、何度か打ち合わせに来ていたピラミッドフィルムが入っているビルでした。聞けば10BANスタジオが出た後に昨年オープンしたそうだ。もともとが倉庫だったビルだから天井がとても高くて、その広々した空間はギャラリーにぴったりです。

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 で、上田義彦さんの作品。杉本博司の名建築シリーズを思い出した。ピントがどこにも合っていない。こんな風に写るカメラがあるのが信じられない。でもこれらは私たち人間の視覚よりもっと深く、まるで屋久島の渓流の奥底に存在する魂にピントを合わせたような写真。こんな言い方はヘンかも知れないけれど…。この前の展覧会、屋久島の樹や岩の物質性に迫って自然の存在感を表現した「Materia」の、いわば水・川をテーマにした続編。だから「M.」 Riverなのです。
 見える事象を正確にリアルに伝え残す手段として発達してきたのが写真。そのためのレンズやカメラ技術の進歩でした。この展覧会は写真の未来を考えるうえで、非常に示唆に富んだ展覧会でした。

Gallery 916
M. River
Yoshihiko Ueda
2013.3.22~5.25

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2013年4月 8日 (月)

憧れのダッチオーブン

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 春の訪れと共に、久々我が家に新しいなべがやって来ました。しかも憧れのダッチオーブンなのだ! わたくし長らく生きて来て、ヴィトンやシャネルを買うよりなべを買うのが好きなのであります。おかげでさほど広くない我がキッチンには、なべが溢れているのであります。「もうこれ以上買うまい!」と、毎度固く心に誓い・・・
 ところが先日、甥っ子の出産内祝いに送られて来たギフトカタログの、あるページに目は釘付け! その日から寝ても覚めても悩むことしきり・・・ で、結局「それにしちゃった」わけであります。そう、悩んだわりにはあっさりと。Img_0220
 けれど後悔などしちゃいない。するもんか! 届いたダッチオーブンの何と美しいことでしょう。ヴィトンもシャネルもこのなべにひれ伏す・・・(ちょっとオーバー)アウトドアの定番。男の豪快料理の代名詞。想像してみましょうよ。赤々と燃える薪ストーブの中に、どっしりと重い、黒々としたこのダッチオーブンが入っているサマを。とっぷりと日が暮れた頃「さあ、そろそろいいかな?」と取り出しふたを開けると、ほっこりジャガイモやすっかり柔らかくなった野菜に囲まれて、骨付きの鶏肉がジュージューと音を立てる。いいな、いいなあ〜!
 ところでこのダッチオーブン、製造元は岩手県の南部盛栄堂。そう、日本が世界に誇る南部鉄器です。創業はなんと嘉永5年! 脈々と受け継がれて来た伝統の技を継承し、一方でサビ止め技法を発展させた独自製法を開発するなどして、世界に打って出ようとしています。いいな、いいなあ〜!
 黒いボディーに記された製品名「OIGEN」は「及源」のローマ字表記。これもいいなあ。ってなわけで、明るい春の日差しが差し込むリビングで、このなべを愛でるけいママの至福の時はしばらく続きます。「けいママ、眺めてばかりおらんと、さっさと使いなさいや!」って声を聞こえて来そう。

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2013年4月 5日 (金)

ボストンより、日本の宝が里帰り

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 明治維新とそれに続く新政府による廃仏毀釈政策によって、多くの文化財が破壊されたり海外へ流失したりしました。外国人コレクターに買われた日本美術の素晴らしさは世界に衝撃を与え、ヨーロッパでは浮世絵が印象派の誕生に大きく貢献。日本国内以上に高く(あるいは正当)に評価されたのです。なかでもボストン美術館のコレクションは質量ともに世界の最高峰。奈良時代、平安時代、鎌倉時代の仏画や仏像から近世絵画まで、あまりの傑作揃いに時間がたつのを忘れて鑑賞してしまいました。
 「吉備大臣入唐絵巻」「平治物語絵巻」の色彩の美しさ、シュールなおもしろさは現代の劇画を彷彿とさせる。多くの人物を描き分ける画力、群衆場面の迫力ある構成。圧倒されてため息の出るヒマがありません。

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 長谷川等伯、伊藤若冲、尾形光琳、そして勉強不足であまり知らなかった曽我蕭白など日本が世界に誇る巨匠たちの傑作がずらり。若き日の快慶の仏像も素晴らしい。なんでこれが日本にないの?と思わせる国宝級の名品が、これでもかと展示されている。
 フェノロサをはじめ明治に来日した目利きたちは、当時の日本人よりはるかに正しくその文化価値を評価していたということだ。 ちょっと残念な気もするが、この人たちがいたおかげで散逸を免れ、こんなに美しい状態で保存できているのだと考えると、私たちは感謝するべきなのかもしれません。そして今回、これらをまた一堂に見る機会を作ってくれた関係者に感謝です。

ボストン美術館展 日本美術の至宝
大阪市立美術館
2013年4月2日(火)~6月16日(日)
9時30分~17時 月曜休館

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2013年4月 2日 (火)

馬酔木(あせび)の樹形

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 六甲山を代表する花は?という質問に、ほとんどの人がアジサイと答える。それは間違いではないのですが、私はアセビこそ六甲を代表する花だと思っている。アジサイは山上のドライブウェイ沿いなどにびっしりと植えられていて色も華やかです。Photo_4 一方アセビは地味な小花で、あまり人が気に留めるような花ではない。ツツジ科の低木で、壺のような形の白い花が枝いっぱいに垂れ下がって咲く。常緑の小さい葉が、これも垂れ下がるようについている。花の時期は長く、5月ごろまで咲いている。そのうち春も深まると、登山道はこの花がいっぱい落ちて茶色っぽく変色したカーペットを敷き詰めたようになるでしょう。
 アセビは漢字で馬酔木と書く。有毒の葉を食べた馬が酔ったように足をしびれさせて歩けなくなることからきた、という説もある。たしかに葉をかじると苦い味がする。殺虫剤にも使われるそうだから、かなり強力な毒があるのでしょう。

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 六甲のいたるところで見られるこのアセビ。樹のカタチが独特です。幹は曲がりくねり、枝は思い思いの方向にねじれながら張っている。まるでアニメに出てくる夜の森の幽霊木。しかもこの樹は群生して生えるから、そのあたり一帯が怪しい雰囲気を醸し出す。夕方暗くなってくるころ通りかかったりすると、つい足早に通り過ぎてしまいます。何も怖くないとわかっていても・・・。

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