モダンアートしてる靴べら
我が家の玄関に新しい靴べらがやってきた。艶消しのアルミニウム製で長~いタイプ。その名はパオロ・シューホーンと言う。シンプルで美しいモダンアートのオブジェのようでしょ! ごらんのように立方体の黒いスタンドにさしておいて、必要なときは抜いて使う。まるで刀のようです。スタンドに戻すとき、カシャ~ンといい音がする。感覚としては、日本刀というよりサーベルでしょうか。
これはイタリア人のパオロ・ディッポリート(PAOLO D'IPPOLITO)さんがデザインした優れものです。箱に入っていた説明カードによれば、彼はヴェネト州を拠点に活動する建築家、プロダクトデザイナーだそうだ。こんな実力のあるデザイナーがわんさといるデザイン大国イタリア。小さなものから大きなものまで、その美意識、その目配りには感心します。さすがです。
しばらく前からいろんな靴ベラを見てきましたが、帯に短しタスキに長しでなかなかコレ!というのにめぐり会わない。でも、コレは秀逸。デザインが良くて素材感がバツグン、おまけに価格がびっくりするほどリーズナブル。三拍子そろった、とはこのことか・・・。ちょっと熱くなりすぎましたが、こんな些細な道具にこそその国のデザイン力があらわれる。それはまた文化の深さのあらわれでもあります。江戸時代は文化の華が咲き、世界最先端の洗練と洒脱をきわめていましたが、明治以降は停滞気味。そろそろここらで美意識を高めて世界をリードするデザイン大国をめざしてほしいものです。そのためには私たち一人ひとりが暮らしの細部まで美しさにこだわり、モノを選ぶ目と探す気力を高めていくことが大切ではないでしょうか。
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