« 2013年1月 | トップページ | 2013年3月 »

2013年2月

2013年2月28日 (木)

東京で「和」見物

Photo
 東京へ行くとなんか異国に来たみたいって思う。いくつもの路線が平行して、クロスして走る・・・ 合ってるのかな? ちゃんと目的地に行けるのかな? そんな中で聞こえて来る日本語は、なんか外国語っぽい。
 町を歩けば出くわす巨大なビル。最先端のモノが溢れ、世界各国の料理店が立ち並ぶ。そんな中でふと迷い込んだような路地裏に出くわす。それはいかにも日本的な、懐かしいはずの光景なんだけど、なんかワンダーランドっぽい。
 そりゃまあ世界に名だたる大都会だ、東京は。癒しを求めて行く温泉地や、自然を求めて行く景勝地ではないわけで。見るもの全てにキョロキョロ、ドキドキ、目が回るジェットコースターに乗ってる気分。
 でも今回の東京見物で感じたのは「和」。まるで異国のような町トーキョーが必死に叫んでる。「和」は凄いよ! 見直そうよ「和」の凄さを! これからのニッポン、生き残るのは「和」だよ。
Photo_2
 スカイツリーが見下ろす下町に、かつて葛飾北斎が暮らし、たくさんの職人たちが見事な工芸品を作り出してきた。海や川から獲れる恵みを加工して名物が生まれ、伝承されて来た。東京ソラマチでは墨田区が元気いっぱい。
 いえ、ご当地ものだけではありません。今や東京には日本各地の名産品が集められ、またチョー一流のクリエーターたちが「和」に熱い視線を送る。ヒカリエはジャパンのプレゼンテーション空間。
 「おい、おい、灯台下暗しってこのことだよ。これ、引っさげて世界に打って出ようよ。この美意識を伝えて行こうよ」。
 そんな意気込みを渋谷で、青山で、表参道で、銀座で感じました。嬉しくなりました。大都市トーキョーにきらめく無数の灯り・・・ 異国のような町が振り返る過去。めまぐるしい今日。そして提案する明日。かなり疲れるけど、やっぱり東京は面白いな。またすぐに訪れたくなるな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年2月25日 (月)

スノーシュー初体験!

Photo
 楽しそう!やってみたい!と前々から思っていたスノーシューハイキング。晴れて初体験です。レンタルのスノーシューで、まず付け方を教えてもらう。あとは自由。好きなところを思うように歩く、ただそれだけ。その単純なことがオモシロイ! この2、3年すっかりブームのようになっていますが、ナットクしました。病みつきになりそうです。
 どこがオモシロいか、その(1) スキーのように技術を習得する必要がなく、誰でもすぐに楽しめる。 その(2) 夏ならブッシュがあって歩けない森の中もスーイスイ。坂があってもヘッチャラ! その(3) ものみな眠る静かな雪原と思っていたら、なんのなんの動物や鳥の足跡がそこかしこにあって生の息吹が色濃いフィールドを独り占め。 その(4) ほどよい全身運動で体ポカポカ。立ち止まったり休憩したり、自分のペースで歩ける。 その(5) 何と言っても雪の上に浮かんだミズスマシのように(ちょっと言い過ぎ?)気ままに遊べる。どこへでも行ける。 その(6) ふわふわの雪はもちろんカチコチの凍結面でも大丈夫。裏のアイゼンのような爪が氷をしっかりかんで安心です。
Photo_3
 ふつう雪の上を歩くのは骨が折れる。新雪はズボッと足がめり込んでしまい抜くのに一苦労。凍るとツルッツルッでスケート場のようになる。スキーもこんな雪の上を移動するための手段として発明された。でもスキーはゲレンデ内で基本的には下へ向かって滑る、きわめて場所が狭く限定されている。歩くスキーなら行動範囲は広がりますが、それでも凍結した斜面やコース以外の林の中を自在に動くとまではいきません。
 その点スノーシューは自由度が高い。しかもヒザへの負担が少ないのでヒザ痛持ちにはとてもうれしい。サクッサクッ。シャリッシャリッ。オーバーに言えば雲の上を歩いている感覚。いろんな雪質を足裏で感じながら、道なき雪面をぶらり散歩するのは無上の喜びです。木々の冬芽もふくらんでいます。雪多く寒さ厳しき今年の冬も、あとしばらくで終わるでしょう。
 連日の雪かきに雪国の苦労をあらためて思い知らされ、新しい遊びに雪国の素晴らしさをまたひとつ発見した冬でもありました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年2月22日 (金)

アラジンのウオーターボトル

Photo
 山行きに欠かせない水筒。だからこそ十人十色。みんなそれぞれこだわりがあるんですよね。私の場合何せ小柄だから、手に馴染みやすい少し細めのボトルで軽いもの、構造がシンプルで手入れがラクなもの・・・と、そんな条件を満たしてくれるものをずっと探していたんですが、なかなかなくて市販のペットボトルを再利用していたんです。そう、かれこれ2年ぐらいずっと。
 それが先日やっと「これだ!」と、思うモノを見つけました。なんとアラジン(aladdin)社の製品。アラジンと言えばあの赤いチェック柄の魔法瓶とか、レトロな雰囲気がグッと来るスタンレーのクラシックボトルとかで有名でしょ?
 こんなシンプルなラインナップもあったんや!と、購入前にネットで検索してみたら「さすがアラジン社の製品。絶対漏れない!」と、なかなか評判良くて、さらに価格もチョーお手頃。Photo_2
 ってなわけで、今までの我慢が爆発! 0,6リットルと0,35リットルをセットでゲットしちゃいました。
 ところでアラジン社って、創業はなんと1908年。当時は灯油のマントルランプを扱っていたそうです。社名は「アラジンの魔法のランプ」から来ているとか。
 そう言えばけいママが子供の頃は「魔法瓶」って呼んでたな。お湯が冷めない魔法・・・ なんか夢のある名前だな。
 今回購入したボトルは、魔法のように温度をキープするタイプのモノではないんだけれど、このウキウキはちっちゃな魔法・・・ これ持って山行くぞ! ふた開けてお水飲む時を想像しただけでも、子供の頃の遠足みたいな気分です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年2月19日 (火)

映画 「わすれない ふくしま」

Photo

 あれから2年。私たちの関心は東北から徐々に離れてきています。忘れやすい、あるいは飽きっぽい国民性、では済まされないと思うのですが。とりわけ危機感を抱くのは原子力の将来について。政治家も経済界もメディアも、何とか原発を続けたいという声が日増しに高まっているような気がします。電力が足りない、電気代が上がると日本の産業は国際競争力がなくなる、というような理由で。核の廃棄物を処理する技術もまだないのに、フクシマの放射能による健康被害がどのように現れるかもまだわかっていないのに・・・。原子力は人類が生みだした罪深い技術。なのに原子力ムラの攻勢が急過ぎる、と思いませんか? ちょっと待て!と言いたい。
 こんなことを考えているとき、ドキュメンタリー映画「わすれない ふくしま」の上映会が神戸YMCAで開催されると聞いて見に行ってきました。

1
 日本一美しい村と呼ばれていた福島県飯館村で生活していた、ある畜産農家を中心にここに暮らす人々の震災後の日常を淡々と描いた四之宮浩監督の作品です。この家族が失ったもの、それは仕事、家、学校、友人、故郷、自然、生活習慣、家族の絆、将来、希望。彼らにはなんの落ち度もなく、こんな理不尽なカタチで大切なものを奪われるなんて。津波は天災かもしれないけれど、原発は人災なのだ。防ぐことはできたものだから悔いが残る。そして放射能は将来世代まで影響を及ぼすからたちが悪い。東京電力の責任、国の責任、そして過疎地に危険なものを押し付けて無関心だった我われ国民全員の責任。私たちはこのことを決して忘れてはならない。「電気がないと暮らせない」、「電気代が上がると困る」なんて発言する前に、この映画を見てください。
 今回の上映会のために神戸へ来られた四ノ宮浩監督の「福島の人々の苦しみは果てしなく続く。だから、わざと中途半端な終わり方にしました」という言葉が印象に残りました。また監督は「映画を撮ってハイ終わり、にはできない」と、映画完成後も福島に居続け『福島の子どもたちを疎開させようプロジェクト』を進めておられます。こちらも応援をお願いします。
 

わすれない ふくしま
東京都写真美術館ホール
2013年3月2日(土)~3月29日(金)
その他、順次全国で上映

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年2月16日 (土)

岡本の梅林公園

Photo
 まだ花の時期には少し早いか、と思いつつちょっと春めいた日射しに誘われて岡本梅林公園まで出かけてみました。六甲山のふもとの高台。海まで見晴らせる眺望バツグンの場所にあります。公園内の説明看板によると岡本の梅林は昔から有名だったようです。以下にその文章を・・・。
 「梅は岡本、桜は吉野、みかん紀の国、栗丹波」と唄われた岡本梅林の起源は明確でないが、山本梅岳の『岡本梅林記』に羽柴秀吉の来訪が記されているところよりかなり古くから存在していたようである。寛政十年(1798)には、『摂津名所図会』に岡本梅林の図が登場する程盛んとなった。
50
 ところが昭和13年の大水害で山が崩れ、戦災で焼け、戦後は宅地化が進み、梅林は消滅してしまったそうだ。昭和50年代に神戸市がその一部を復活整備して梅林公園とした。だからどの木もまだ若い。往時の見事さを取り戻すには時間がかかるのでしょう。とはいえ植えられた品種も多くて長い期間楽しめるように考えられている。新・こうべ花の名所50選の表示もありました。
 いま咲いているのは「八重寒梅」、「筋入り道知辺(スジイリミチシルベ)」、「虎の尾」、「冬至梅」などで、まだまだ少ない。寒さもまだ厳しいですしね。というわけで「梅は岡本」、これからが花見の本番。いろんな品種が次々と開花して、3月中旬まで目と鼻を楽しませてくれることでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年2月13日 (水)

植村直己さんの命日

Photo
 2月13日は日本が誇る冒険家・植村直己さんの命日とされている。もちろんまだ遺体は見つかっていないわけだから、命日という言葉には少し違和感を感じますが・・・。1984年2月12日、43歳の誕生日に厳冬のマッキンリーに登頂した植村さんは、翌13日の無線連絡を最後に消息を絶った。その後の捜索でも見つからず、生存の確率はゼロパーセントということになり、最後の交信の日を命日とされたそうだ。
 「夫は『生きて帰る事が冒険だ』といつも偉そうに言っていたくせに、ちょっとだらしないんじゃないの?と言ってやりたい気持ちです」とは記者たちに語った奥様の言葉だそうです。でも、誰もやったことがないことをするのが冒険なので、誰にもわからない未知の危険がいっぱいあるのでしょう。こんな最期は冒険家の宿命かもしれません。
Photo_2
 兵庫県豊岡市日高町にある植村直己冒険館には犬ぞりや極地用テント、防寒具や専用シューズなど多くの収蔵品が展示されている。今ほど素材や機能が進んでいなかった時代ながら、それらは過酷な自然の中で生き延びるために、工夫を凝らして特別に作られたもの。決して潤沢な資金に恵まれていたわけではない植村さんの、知恵と汗の結晶だ。クレバス転落防止用にスキースラロームの旗門を作るポールをクロスして体にくくりつけるなんて、すばらしいアイデアです。
 まじめで、ちょっと不器用で、どこかユーモラスな、愛すべき植村直己という人間像が、一つ一つの展示品から浮かび上がってきます。来年で失踪から30年。植村さんの故郷にあるこの記念施設へ足を運ばれてはいかがでしょうか。また名著『青春を山に賭けて』(毎日新聞社)や『北極圏一万二千キロ』(文藝春秋社)も、ぜひ読んでください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年2月10日 (日)

黄色い花から春はくる

Photo_3
 春まっさきに咲くから「まんず咲く」=マンサクをはじめ、まだまだ寒い春先に咲くのは黄色い花が多い。木の花としてはロウバイ、レンギョウ、そして写真のサンシュユ(山茱萸)。冬枯れの枝に小さな花がいっぱい。あたりの空気をパッと明るく華やかに染めています。緑の葉が出る前だから、木々の間の見通しも良くよけいに目立つ。春先、まだ少ない虫に好かれるための色として、黄色い花が多いという説を本で読んだことがあるけれど、たしかにそうかもしれない。
Photo_4
 草の花もまた然り。フクジュソウ、タンポポに写真の菜の花。黄色い花が多いでしょ! 今年は全国的に厳しい寒さにふるえておりますが、我が家ではサンシュユと菜の花を飾って、一足早く春を迎えました。その一角だけですが、ほんのりやさしい暖かさに心が和みます。
 2月12日は司馬遼太郎さんの『菜の花忌』。毎年シンポジウムや講演会やさまざまなイベントが行われているそうです。ファンの方は訪れてみてください。

司馬遼太郎記念館
東大阪市下小阪3丁目11-18
Tel. 06-6726-3860

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年2月 7日 (木)

カラス天狗といなり寿司

Photo_2
 鎌倉アルプスというハイキングコースがある、と聞いて出かけてみました。スタートは北鎌倉駅。お昼の弁当に前日から予約をしておいた「光泉」さんで、いなり寿司を受け取る。円覚寺の前を通り、五山の第一位の建長寺へ。石段をどんどん登っていちばん奥の半僧坊へ行くと、カラス天狗の像がぎっしり。いろんなポーズをとって、斜面に20体ちかくはあるでしょうか。山伏の格好をして、顔にくちばしがあり背中から翼が生えているカラス天狗。あの鼻の長い赤い顔の天狗より、歴史的には古いという説もあるようですが、勉強不足で知りません。どなたか詳しい方は教えてください。Photo_3
 ここからは山の中。急坂もあり、岩場もあり、アルプスというには優しいけれど、けっこう変化があって面白いコースです。トレランのランナーにもたくさん出会いました。トレランのトレーニングにはちょうど良さそう。お昼は山の上の広場で光泉さんの長い棒状いなり寿司。巻きとのセットを楽しみました。トンビに油揚げ、ではなくカラス天狗に油揚げです。これが絶品! さすが、小津安二郎監督もひいきにしていた、といういなり寿司一筋の老舗です。いなり寿司のみと巻きとのセットの2種類しかない、というのも潔い。
Photo_2 知らなかった鎌倉を満喫したあとは、鶴岡八幡宮の大イチョウの倒木跡を見物。切り株の上から新しい命が芽生えているという話も聞いていたのですが、残念ながら確認できませんでした。そして静かな山道とはうって変わって、観光地の雑踏を鎌倉駅へと向かったのでありました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年2月 4日 (月)

モダンアートしてる靴べら

Photo
 我が家の玄関に新しい靴べらがやってきた。艶消しのアルミニウム製で長~いタイプ。その名はパオロ・シューホーンと言う。シンプルで美しいモダンアートのオブジェのようでしょ! ごらんのように立方体の黒いスタンドにさしておいて、必要なときは抜いて使う。まるで刀のようです。スタンドに戻すとき、カシャ~ンといい音がする。感覚としては、日本刀というよりサーベルでしょうか。Photo
 これはイタリア人のパオロ・ディッポリート(PAOLO D'IPPOLITO)さんがデザインした優れものです。箱に入っていた説明カードによれば、彼はヴェネト州を拠点に活動する建築家、プロダクトデザイナーだそうだ。こんな実力のあるデザイナーがわんさといるデザイン大国イタリア。小さなものから大きなものまで、その美意識、その目配りには感心します。さすがです。
 しばらく前からいろんな靴ベラを見てきましたが、帯に短しタスキに長しでなかなかコレ!というのにめぐり会わない。でも、コレは秀逸。デザインが良くて素材感がバツグン、おまけに価格がびっくりするほどリーズナブル。三拍子そろった、とはこのことか・・・。ちょっと熱くなりすぎましたが、こんな些細な道具にこそその国のデザイン力があらわれる。それはまた文化の深さのあらわれでもあります。江戸時代は文化の華が咲き、世界最先端の洗練と洒脱をきわめていましたが、明治以降は停滞気味。そろそろここらで美意識を高めて世界をリードするデザイン大国をめざしてほしいものです。そのためには私たち一人ひとりが暮らしの細部まで美しさにこだわり、モノを選ぶ目と探す気力を高めていくことが大切ではないでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年2月 1日 (金)

北斎オリジナルの色彩?

Photo_3
 ご存知でしたか? 『LIFE』誌が選んだ「この1,000年で最も重要な功績を残した100人」で、たった一人選ばれた日本人が葛飾北斎だ、ということを。その日本が世界に誇る北斎の名作浮世絵も百数十年の間に色があせ、もとの色彩が失われています。そこで最新のテクノロジーとデジタル技術でもって、完成当時の色をリ・クリエイトした展覧会が銀座で開催されています。
 まずは「富嶽三十六景」の46点。え、36点でしょ?と思われたあなた。ごもっとも。発表した36点が大好評だったため、追加で10点制作したそうです。このへんの鷹揚さというのかいい加減さというのか、私は好きです。この10点を「裏富士」と呼ぶそうだ。富士山に近いところから、遠いところから、さまざまの人の営みも描き込んで見事です。
Photo_4
 もうひとつのシリーズは「諸国瀧廻り」の8点。勢いよく流れ落ちる水の表現に工夫を凝らしている。「神奈川沖浪裏」の飛び散る波頭もそうだが、北斎は動くものの一瞬を静止させた表現で、ダイナミックな自然の力や変わりゆく時間を描き込む。まさに天才のなせる技。
 この展覧会の魅力は、デジタル印刷なのでオリジナルの原寸大だけではなく、拡大版の作品もいくつか展示していること。写真で紹介している「凱風快晴」「山下白雨」と「木曽路之奥阿弥陀ヶ滝」「東海道坂ノ下清滝くわんおん」は拡大版。細部までよく見えます。浮世絵版画って、もともと手に取って観るものだから、額装して壁にかけるとちょっと小さい印象になる。だから、手元で見るのに近いサイズに見えるこんな楽しみ方ができるのも、この展覧会の魅力です。

あっぱれ北斎!光の王国展
2013年1月1日(火)~3月31日(日)
10時~18時 休館日なし
フェルメール・センター銀座

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2013年1月 | トップページ | 2013年3月 »