祈る、一陽来復
あなたにとって2012年はどんな年でしたか。私はと言えばギャラリーPAXREXをたたんで自宅に引きこもり、とはならず、明るい陽光を求めて遊びほうける日々。これはきっと地下生活の反動に違いない。世の中いっこうに明るくならないのに、ノンキなものです。ヒンシュクものです。
でも、光を浴びていて新たに気付いたこともあります。不健康でクレイジーで挑発的な現代アートの世界(つまり常識的ではない、優等生的ではない)は刺激に満ちているけれど、毎朝ジョギングしてトマトジュースを飲んでヘタすると長生きしてしまいそうなヘルシー生活にもおもしろいアートがあふれてる、ということ。これは新鮮な驚きでした。文化系と体育系。精神派と肉体派。つい二律背反のようにとらえがちだけれど、決してそうではない。どちらも必要なのだ。不健康と健康、その違いを簡単に言ってしまえば「不健康」はアタマで理解するアート、「健康」は五感で感じるアート、ではないでしょうか。理屈で突き詰めどんどん尖鋭になっていくアート、触れば切れて血が出るような表現は、現代を生きる私たちにとって必須アミノ酸。喜び悲しみ楽しさ苦しさ怒りなどガバッと心をわしづかみし、じわっと情にせまるアートはいわば必須ビタミン。どちらがなくても生きていけない。イヤイヤ、どうもよくわからない話になってしまいましたが、陽光はアートにとって不可欠なものだと再認識した次第です。
PAXREXを閉めて以来、どんどん弱く短くなっていく日を惜しむように過ごしてきましたが、これからはだんだん強く長くなる方向へ流れが変わります。一陽来復。冬至や新年をあらわすこの言葉、『易経』の中にあるそうです。陰の気がきわまって、陽の気にかえる。だから悪いことが続いた後、幸運に向かうことも意味するという。去年から今年にかけて、暗く苦しい出来事が多かったように思います。でもこれからは、運気が好転してくれることを切に望みます。マヤ歴の終末も無事に過ぎたことでもありますし、世界はより良い方向に向かうことでしょう。2013年があなたにとって素晴らしい年になりますように願っております。
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