ベラスケスのプラド美術館
プラド美術館の正面にどっかりと座っているのは、とうぜんベラスケス。このスペインが生んだ人類史上最高の画家の類まれなる表現力によって、写真のない時代にもかかわらずハプスブルグ家の血統に独特な面相の王族たちを、私たちは目の前にいるかのごとく知ることができる。いや、写真も及ばない人間の内面まで描き出している。王の醜い性格をこんなに描いてだいじょうぶなの?と観る側がハラハラするぐらい・・・。まさにプラド美術館の宝です。
この古典的な意味で絵画表現の頂点に立つ巨匠の前後に、エル・グレコとゴヤが。エル・グレコの近代的ともいえる個性的な表現、印象派よりもっと刺激的でほとんど現代アートに近いゴヤの黒い絵シリーズ。これら素晴らしいコレクションを輝かしているのは、やはりベラスケスの冷酷なまでに人物をリアルに描写した名作群があるからだと思います。これだけでもぐったり疲れるのに、デューラー、ルーベンス、ティツィアーノ、ティントレット、ボス、それにカラヴァッジョまであるのだから、頭がボーっとしてしゃべる気力もなくなりました。
日帰りマドリードの旅。ソフィア王妃芸術センターとプラド美術館、歩いて10分ほどの二つのミュージアムから一歩も街に出ず、食事も休憩のお茶も中のレストランやカフェで済ませてしまいました。一年分ぐらいの濃い~い美術鑑賞。帰りの新幹線は食事付き、ワイン付きにしといてよかったぁ。あぁしんど。
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