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2012年12月

2012年12月31日 (月)

祈る、一陽来復

 あなたにとって2012年はどんな年でしたか。私はと言えばギャラリーPAXREXをたたんで自宅に引きこもり、とはならず、明るい陽光を求めて遊びほうける日々。これはきっと地下生活の反動に違いない。世の中いっこうに明るくならないのに、ノンキなものです。ヒンシュクものです。
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 でも、光を浴びていて新たに気付いたこともあります。不健康でクレイジーで挑発的な現代アートの世界(つまり常識的ではない、優等生的ではない)は刺激に満ちているけれど、毎朝ジョギングしてトマトジュースを飲んでヘタすると長生きしてしまいそうなヘルシー生活にもおもしろいアートがあふれてる、ということ。これは新鮮な驚きでした。文化系と体育系。精神派と肉体派。つい二律背反のようにとらえがちだけれど、決してそうではない。どちらも必要なのだ。不健康と健康、その違いを簡単に言ってしまえば「不健康」はアタマで理解するアート、「健康」は五感で感じるアート、ではないでしょうか。理屈で突き詰めどんどん尖鋭になっていくアート、触れば切れて血が出るような表現は、現代を生きる私たちにとって必須アミノ酸。喜び悲しみ楽しさ苦しさ怒りなどガバッと心をわしづかみし、じわっと情にせまるアートはいわば必須ビタミン。どちらがなくても生きていけない。イヤイヤ、どうもよくわからない話になってしまいましたが、陽光はアートにとって不可欠なものだと再認識した次第です。
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 PAXREXを閉めて以来、どんどん弱く短くなっていく日を惜しむように過ごしてきましたが、これからはだんだん強く長くなる方向へ流れが変わります。一陽来復。冬至や新年をあらわすこの言葉、『易経』の中にあるそうです。陰の気がきわまって、陽の気にかえる。だから悪いことが続いた後、幸運に向かうことも意味するという。去年から今年にかけて、暗く苦しい出来事が多かったように思います。でもこれからは、運気が好転してくれることを切に望みます。マヤ歴の終末も無事に過ぎたことでもありますし、世界はより良い方向に向かうことでしょう。2013年があなたにとって素晴らしい年になりますように願っております。

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2012年12月28日 (金)

バルセロナでお買い物!

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 さてさて、旅のお楽しみの一つは何てったってお買い物! 今回バルセロナでのけいママ戦利品は何でありましょうか?
 まずはこれぞバルセロナ!FCバルセロナ・グッズを買わなくてどうする? いや、別に買わなくてもいいんだけど・・・ しかしカンプ・ノウ・スタジアムのオフィシャルショップに一歩入って、何も買わなくて出て来る人いるやろか? いや、興味のない人はそんな所へは行かない・・・ ごもっとも。
 ともあれひろパパは「サッカー観戦だけでなく、その後も使えそうな」マフラーをゲット。けいママはメッシさまのアルミ水筒ボトルを。ちなみにグッズのほとんどにはメッシさまのお名前と背番号が・・・ 確かに生メッセも凄かった! グッズが飛ぶように売れるのも納得です。
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 で、お次の品はひろパパが出発前からチェックして「これ、欲しい!」と騒いでおりました「バオ・ガレリー」(Vaho Gallery)のバッグ。今や世界中のクリエーターが産業廃棄物(トラッシュ)からかっこいいファッションを産み出すことに目を向けている時代ですよね。そんな中バルセロナの街頭にお目見えするポリ塩化ビニール製の広告バナーを再利用して作られたのが「バオ・ガレリー」のバッグ。一つとして同じものがないのも魅力! どれもこれも欲しくて選ぶのに時間かかりました。
 またスーパーでのお買い物も海外旅行の楽しみの一つですよね。今回はバルセロナに暮らしてもはや10年以上! ジモッティーのMちゃんに付き合ってもらったので、効率よくいいモノをチョイス出来ました。Photo_7
 写真の箱入り珈琲はMちゃんのおうちがいつも飲んでいるメーカーだそうで、ステキなパッケージ・デザインにも惹かれて幾つか購入しましたが、開けてみてデザインばかりでなく、機能性も優れていてびっくり! だって入れ替える必要がないし、とてもシンプルな構造で使いやすい。日本のメーカーにも参考にして欲しいな。もちろんお味もいいです! またカフェインレスのモノが当然のように同じ棚に並んでいるのも羨ましい。
 が、しかし・・・ バルセロナでは日曜日にはお買い物出来ません。飲食関係を除いて、有名ブティックもデパートもお休み。これはやっぱり日本の方がいい?
 いやはや、ちょっと海を渡るだけで見えて来る祖国の・・・ って戦利品を見ながら、さて2013年は何処へ行こうかと考えるけいママでした♪

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2012年12月25日 (火)

六甲からメリークリスマス

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 「ねえ〜、ここはいったいどこかしら?」と、赤い毛糸の帽子をかぶった人形の1人が尋ねました。
 「あらっ!あなた、忘れたの? ここは日本よ! 私たち、バルセロナからはるばる海を渡ってやって来たのよ。」
 「そうだったわねえ〜。バルセロナの“ZARAホーム”でクリスマスの飾り用に販売されていた私たち・・・けいママが目をキラキラさせて私たちの箱入りセットをお買い上げ! まさか日本に来るとは!ねえ〜」。Zara
 「で、日本にもクリスマスってあるのよね? それにしても私たちが飾られているのはモミの木じゃないわ」。
 「ふんふん、なんか鉄で出来たアート作品なんだって。でもなかなか居心地いいし、ンまっ!いいんじゃない? 私たちも声を揃えてクリスマスの歌を・・・ ってスペイン語でもいいかな?」
 と、言うわけで皆さま、メリークリスマス!
Photo_8 六年間、毎年神戸栄町の地下空間にて、何かしらの展覧会でクリスマスを過ごして来たギャラリーPAXREXですが、今年は神戸六甲の自宅からクリスマスのご挨拶を申し上げまする。
 遠い異国にも、凍てつく北国にも、今は夏真っ盛りの国にもクリスマスは訪れる・・・ 何があってもこの時ばかりは!と、家族の元へと急ぐ人々、もちろんたった1人で夜空を見上げて祈りを捧げる人もいる。
 どうかこの日が、小さな灯りに見守られた幸せいっぱいの日でありますように。
 ひろパパ、けいママからあなたへ祈りを届けます。

 

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2012年12月22日 (土)

この木なんの木?

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 バルセロナでモンジェイックの丘のふもとを散歩していたら、公園に植えられた奇妙な樹を見つけました。ボーリングのピンのように幹がふくらんでいる。近付いてよく見ると、大きな鋭いトゲがいっぱい。樹皮をかじる動物や鳥から自分の身を守るためなのでしょうが、防御というよりアブナイ凶器に見えます。木陰に入ってうっかりもたれようものなら、血だらけになりますぞ。Photo_2そしてきれいなピンクの花と大きな実。異国っぽい不思議な魅力があります。
 帰国してから調べたらブラジルからパラグアイ、アルゼンチンにかけての南米原産で『トックリキワタ』と言うらしい。なるほど、幹が徳利に似ているから『トックリ』。そして実には綿のようなものが詰まっていてクッションやぬいぐるみの詰め物に使う。つまり木になる綿から『キワタ』。このキワタをパンヤと言う。そういやぁパンヤって聞いたことがあるぞ。Wikipediaによるとアオイ目パンヤ科の落葉高木。スペイン語では Palo borracho といい “酔っぱらいの木”という意味だそうだ。飲み過ぎてお腹がふくれたように見えるから。日本語の徳利といい、共にお酒にまつわる名前が付いているのがオモシロイ。
Photo_3 ちなみにこのトックリキワタ、那覇をはじめ沖縄各地で街路樹に使われているそうな。へぇ、知らなかったなぁ。バオバブの木とも近縁のようで、そういえば似ているでしょ。たぶん暖かい地方の木でしょうから、植物園の温室にあるかもしれない。どなたか関西で見かけられたら教えてくださいね。ぜひもう一度見に行きたいと思います。

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2012年12月19日 (水)

到着したらゼネストだった

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 じつはバルセロナ旅行でゼネストというものに遭遇しました。全国で全業種で行われるストライキ。いままで幸運にも海外でストに合って困ったことがなかったのですが・・・。
 「そうそう、忘れていたけど到着日の11月14日はスペイン中ゼネストだからね。地下鉄もバスも動かないけど、タクシーは小さな会社が多いから動いてる車も多いと思うよ。もし空港でどうにもならなかったら電話して」というメールが友人から届いたのは、
バルセロナへ出発の3日前。泊まるホテルがRENFE(スペイン国鉄)フランサ駅の近くなので、少々面倒だけどRENFEで市内に行こうとしていたのに・・・。この方法だとタクシーの30分の1、バスの5分の1というメチャ安で行ける。地下鉄の回数券1回分で行けるのだけど、あきらめました。飛行機が着いてターミナルビルへ入ると、いつもと違いひっそりしている。ドキドキしながらタクシー乗り場に向かうと、なんと人の行列はなく客待ちタクシーの行列。市内も目立った渋滞はなくあっというまにホテルに到着しました。なんか拍子抜け。
 
まだ時間が早いので歩ける近場を散策しようと出かけました。フランサ駅へ立ち寄ってみると、人の姿はほとんどなく閑散としている。その代わりというわけじゃないのだろうが、プラットフォームにはぎっしり列車が止まっています。出発案内板には、ずらーっと運休の表示。その時は気にしなかったけれど、こんなに列車が止まっているのは異様な光景ですよね。帰国後に撮った写真をチェックしていて、はじめて気付きました。
 カタルーニャ広場からディアゴナルに向かって歩きましたが、デパートはもちろんほとんどの店がシャッターを閉めている。ゼネストとはこういうことなのだ。ストのほとんどない日本から来た旅人としては、妙に感心してしまった。そのうちプラカードを持ったり、そろいのシャツを着たりの人たちがどんどん集まりだした。えっ、もうそろそろストライキは終わりじゃないの? 聞いてみるとデモは18時からなんだって。NOS DEJAN SIN FUTURO (我々を見捨てて未来はない、とでも訳すのでしょうか)というスローガンが書かれたビラも配っています。騒動に巻き込まれてもイヤなので、早々にホテルへ引き上げました。TVでニュースを見ていると、スペイン、ギリシャだけではなくイタリアやフランスでも連帯のデモが。世界史上はじめて戦争を経ずに生まれたEUという体制。理想の実験と思っていましたが、反ユーロの動き、さてどうなるのでしょうか。

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2012年12月16日 (日)

バルセロナではミロを見ろ!

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 ガウディの街、バルセロナには美術館もいっぱいあります。ロマネスクの宗教画では世界最高といわれるカタルーニヤ美術館はもちろん素晴らしいのですが、好みとしては古いものより新しいもの。どうしても近代以降の作品に目がいってしまう。そんななかでお勧めはモンジュイックの丘にあるミロ美術館。ピカソ美術館よりも断然おもしろいし充実している。で、ほとんどトンネルの中を走るケーブルカーで丘を登り、人気の美術館を見に行ってきました。Photo_2
 絵画作品をはじめ彫刻やタペストリーなど、イメージ豊かなミロの世界がいくつものフロアに分かれた展示室に広がります。鮮やかな色彩、どこかユーモラスな形態。ラテンの、それもカタルーニャならではの洗練された幸福感が感じられる。空港をはじめ、公園や道路などにも作品が展示されているミロ。バルセロナの人々に本当に愛されているんだなぁ。よく出てくるモチーフ、星や鳥やカタツムリや女性が、いきいきと自由にそこに在る! その天真爛漫さにあこがれる気持ちは、カタルーニャ人のみならず世界中みんなが持っている普遍的なものだと思います。
 常設展示のミロ以外にも見どころはいっぱい。いま開催中の企画展ではジャックソン・ポロックの作品群に並んで、「具体」の白髪一雄さんや嶋本昭三さんの作品が。うれしいことにPAXREXの展覧会によく来ていただいていた堀尾貞治さんの作品も展示されていました。こんなところで見るとは思いもしなかったけれど、最近また「具体」の評価が海外でいっそう高まってきたことは、日本人としてとても誇らしい思いです。

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2012年12月13日 (木)

ハッピー・トイズ・プロジェクト2012

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 年末恒例のフェリシモ ハッピー・トイズ・プロジェクトが始まりました。着られなくなった服や思い出の布で作ったぬいぐるみを、世界中のこどもたちへ贈る手作りイベント。16年目を迎えた今年のテーマは「やさしいコアラさん」。旧居留地の朝日ビルの1F広場にはたくさんの「世界でたった一つ」が飾られています。Photo_2この展示が終わると、このコアラたちは国内はもちろん37の国と地域へ。そしてこどもの施設や病院、難民キャンプなどで笑顔の出会いが待っている。これを手作りした人もきっとそんな笑顔を思い浮かべながら、心を込めて作られたのでしょう。一つ一つの個性的なコアラを見ていると、温かい想いが伝わってきます。
 このハッピー・トイズとともに展示されているのがトリビュート21のチャリティプレート。著名なファッションデザイナー、建築家、イラストレーター、アートディレクター、女優などが参加しています。Photo_3佐藤邦雄さんをはじめ知っているアーティストの作品が多くて、すごく楽しめました。こちらの売り上げは、あしなが育英会を通じて東日本大震災で親を失った子供たちへの支援と、ユネスこを通じて発展途上国のこどもたちを対象にした教育プログラムの活動に使われるそうです。未来の希望であるこどもたちが、もっともっと輝ける世の中になるよう願っています。
 ハッピー・トイズとトリビュート21、これらフェリシモが手掛け二つのプロジェクトは、災害や戦争、飢餓、貧困などに翻弄されるこどもたちをサポートすることで世界にスマイルを広げよう、という気持ちがよく伝わってきます。ルミナリエ見物の前に、ぜひこちらもご覧ください。風は冷たくとも、ちょっと心は温かくなりますよ。

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2012年12月10日 (月)

エル・グレコより宮永愛子

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 エル・グレコ展を観に中之島の国立国際美術館に行ってきました。プラドでたくさんグレコの作品を観て来たばかりなので、同じようなテーマのものが多いなぁと感動はいまひとつ。でも400年前に作家の個性をこれだけ表現したということは、とてもすごいこと。まだ芸術という概念がない時代に、一足早く近代に踏み込んでいた感じがします。とはいうものの、エル・グレコは予想通りのおもしろさ、それ以上でも以下でもない、ちょっと平凡ないい展覧会という評価です。情報がいっぱいあふれるこの時代、昔の作品は損をしますね。教科書で見たことがある、テレビで見かけたぞ・・・ではビビッと電気が走る出会いの感動なんてありえません。「これがホンモノだ」と追体験するのみ。いいことなのか、悪いことなのか。
 だからおもしろいと感じるのは、どうしても現代作家の展覧会になります。この日も別のフロアでやっていた宮永愛子さんの展覧会が大当たり。宮永さんは虫除けに使うナフタリンで作品を作っている若手アーティストです。靴もビンも蝶も、あるかないか存在が希薄な半透明の結晶でできています。まるでセミの抜け殻のように。そしてナフタリンは常温で昇華するので、どんどんカタチが崩れ無くなっていく。キンモクセイの葉の葉脈だけを無数に集めて作った、巨大なタペストリーのような作品も興味深い。それらには絶対的なもの、不変のものなんてない、すべては時間とともに変化していくのだ、という哲学が感じられる。人類がつくりあげた文明が行き詰まり、未来に希望が見いだせない現代。静かではかないけれど深く心にしみる展覧会です。

国立国際美術館
宮永愛子 なかそら - 空中空 -
2012年10月13日(土)〜12月24日(月)

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2012年12月 7日 (金)

ベラスケスのプラド美術館

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 プラド美術館の正面にどっかりと座っているのは、とうぜんベラスケス。このスペインが生んだ人類史上最高の画家の類まれなる表現力によって、写真のない時代にもかかわらずハプスブルグ家の血統に独特な面相の王族たちを、私たちは目の前にいるかのごとく知ることができる。いや、写真も及ばない人間の内面まで描き出している。王の醜い性格をこんなに描いてだいじょうぶなの?と観る側がハラハラするぐらい・・・。まさにプラド美術館の宝です。Photo_2
 この古典的な意味で絵画表現の頂点に立つ巨匠の前後に、エル・グレコとゴヤが。エル・グレコの近代的ともいえる個性的な表現、印象派よりもっと刺激的でほとんど現代アートに近いゴヤの黒い絵シリーズ。これら素晴らしいコレクションを輝かしているのは、やはりベラスケスの冷酷なまでに人物をリアルに描写した名作群があるからだと思います。これだけでもぐったり疲れるのに、デューラー、ルーベンス、ティツィアーノ、ティントレット、ボス、それにカラヴァッジョまであるのだから、頭がボーっとしてしゃべる気力もなくなりました。
 日帰りマドリードの旅。ソフィア王妃芸術センターとプラド美術館、歩いて10分ほどの二つのミュージアムから一歩も街に出ず、食事も休憩のお茶も中のレストランやカフェで済ませてしまいました。一年分ぐらいの濃い~い美術鑑賞。帰りの新幹線は食事付き、ワイン付きにしといてよかったぁ。あぁしんど。

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2012年12月 4日 (火)

武田尾で、廃線ハイクとボタン鍋

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 秋の終わりor冬の始まりの一日、宝塚市の武田尾へ廃線ハイキングへ行ってきました。宝塚と言ってもずいぶん山奥です。駅も半分トンネルの中で半分は武庫川に架かる鉄橋の上。ここからJR旧福知山線の線路跡を渓流に沿って歩こうという趣向。枕木もまだ残っています。真っ暗なトンネルもあります。JRさんは「ここはハイキング道ではありません」と、事故があっても知らないよ、というそんな場所。晴れたり時雨れたり、冷たい木枯らしが吹くもうひとつのお天気ですが、まぁハイキングは口実。じつはあとのボタン鍋が楽しみなのです。桜の時期に来たとき、11月20日が猟の解禁日ということをしっかり聞いていたので、紅葉とボタンを両方楽しめる、シメシメと欲張りな計画を立てたのでありますが、紅葉には1週間遅かったか。
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 まずは生ビールで乾杯、となるものの、すぐに「鳳鳴」の熱燗に移行。おっと写真を忘れてた、とあわててカメラを取り出すが、すでに鍋は始まっていました。美しいボタンは中心から花弁が欠けている。トホホ。しかし花より団子。うまけりゃいい、何も文句はない。このイノシシ君の肉も臭みはまったくないし、お味噌の具合もちょうどいい。Photo_2
 落語の演目「池田の猪買い」の池田はずいぶん宅地化が進みましたが、お隣りのここ武田尾はまだまだイノシシの天国。えっ、食べてるアンタが天国で、食べられるイノシシは地獄? ま、そんな見方もできますが、おいしいものにはすなおに感謝。寒い寒いと言っていたみんなも頬が緩んで和やかなお顔です。ポカポカと体も温まってきました。「冬はやっぱり鍋だねぇ」「白菜もゴボウも旨いねぇ」と、今シーズン最初のボタン鍋で幸せいっぱいの一日でした。

廃線跡ハイキングの休憩茶屋
さくらや
Tel. 0787-91-1789

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2012年12月 1日 (土)

再びゲルニカに対面す

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 22年ぶりにピカソのゲルニカを見るため、AVEに乗って日帰りでマドリードへ。朝出て、夜帰る。まるで現役時代に戻って新幹線で東京へ日帰り出張するみたい。アトーチャ駅から歩いて5分。ソフィア王妃芸術センターへ。ここは20世紀の近現代美術を中心にコレクションするとても素晴らしい美術館です。ダリやミロも、もちろんピカソも。
 じつは22年前にゲルニカを見たのはこの場所ではありません。そのころプラド美術館の裏に、プラド美術館別館(ゲルニカ館)という専用の施設がありました。そこには毎日毎日ピカソが描き続けた、泣く女の、闘牛の牡牛の、闘牛士の、いななく馬の・・・、数百枚ものデッサンが展示され、それらを通路を歩きながら見てきた最後に広い部屋に出る。そこにあの大作「ゲルニカ」がドーンと見える、という仕掛けになっていました。そこはゲルニカただ一点を見るために、すべての意識を集中させる美術館。モノトーンの画面がどれだけ豊かな色彩を感じさせるられるか。それぞれの部分がいかに想像力を刺激させられるか。長い間その前に無言で立ち尽くしていました。このとき絵画の持つ本当の力を教えてもらったゲルニカが、私の中で最高の絵画作品になったのです。Photo_2
 スペイン内戦時代、ナチスの無差別爆撃に抗議して描かれたと言われるゲルニカ。フランコ総統が亡くなってスペインが民主体制に変わったあと、1981年にMoMAから返還されました。22年前に見た当時、まだゲルニカはプラド別館で防弾ガラスで覆われていました。内線から続く対立がおさまっていなかったのか、政治的な意味合いの強いこの作品は破壊される危険があったということでしょう。今はもうソフィア王妃芸術センターでガラス越しではなく鑑賞できる。平和になったのはいいことだけど、ゲルニカもほかのアート作品と同列になったかと思うと、ちょっと残念な気がします。でも展示方法は前ほど感動的ではないにせよ、この絵がすごいのに変わりはありません。

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