お祝いのお花
美術館の展覧会でお祝いの花が届く、ということはあまりありませんが、今回は横尾さんの名前を冠した美術館のオープニング展だから特別なのでしょう。著名な方々から贈られたお花が、入り口を入ったところにいっぱい並べられていました。高倉健さん、坂本龍一さん、ユニクロの柳井正さんなどなど、お名前を見ながらどんなお付き合いをされているのか、無責任にミーハー的に想像するのも楽しいものです。
高倉健さんで思い出すのは、1960年代の後半に週刊プレイボーイ(たぶん)見開き2Pで見た作品。まさに時代の息吹を見事に切り取った横尾スタイル満開の1枚でした。このあと高倉健さんをモチーフに作品を作ったという話は聞いていない。もし健さんがそれ以来のお付き合いでお花を贈られたとしたなら、律儀なお人柄が感じられてとてもいい話じゃありませんか。同じシリーズで浅丘ルリ子さんをモチーフにした強烈なインパクトの作品もありました。画家宣言をされるずっと前のものです。今回の展覧会を機にそれらを思い返すと、横尾さんは昔から「ファインアート」と「商業美術」などという日本独特の不毛な分類をはるかに超越した存在だったと思います。オモシロイものはオモシロイ。美しいものは美しい。これがアートの本質だから、評論家などがごちゃごちゃ言うことはない。日本ではどんな分野でも派閥や家元制に代表されるように、意味なく小さく群れたがりますよね。それさえなければ住みやすい社会なんですが・・・。
Y+T MOCA 横尾忠則現代美術館
開館記念展Ⅰ 横尾忠則展
反反復復反復
2012年11月3日(土)~2013年2月17日(日)
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