六甲ミーツ・アート2012 その5
緑の自然の中からポップな色彩が飛び出してくる。小山めぐみの作品「大自然の着ぐるみ」です。池のそばにそびえている松の幹に、カラフルな布が巻いてある。近づいてよく見ると、布ではなくて毛糸を編んだ編み物です。まるで松の木が手編みのセーターやマフラーを身に着けて、厳しい自然の中でけなげに生きているようで微笑ましい。「ひとがつくったモノでありながら、自然を感じさせる『編み物』を触媒にして、自然の体温を感じてください」と作者は言っています。絵本のなかでゾウさんがシャツを着たりキリンさんがマフラーをしたり、擬人化して見ると動物も木々も個性が際立って親しみを感じる。だからといってファッションに凝ったお犬さまはどうだろう? 小山さんが言う「自然の体温」より、むしろ「不自然の熱意」を感じてしまう。
違う色味のニットを着込んだもう一本の松の根もとには、これまたニットのキノコがいっぱい生えています。カタチといい色といい、キノコはこんなファンタジックな状況によくマッチしている。そこには毒があるかないかウマイかマズイかなどを超えた可愛さがあふれている。自然物と人工物、環境と文明。秋の晴天の下、ふしぎな魅力をたたえたあったかい作品でした。
六甲ミーツ・アート
芸術散歩 2012
2012年9月15日(土)~11月25日(日)
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