高山植物の女王さま
空気は薄い、気温は低い。3,000m近くの高山。この夏は、岩と砂礫しかない厳しい環境に咲くコマクサに出会えました。夜明けの霧がサァーッと流れたあと、高山植物の女王さまは冷たい風の中でふるふると震えていらっしゃいました。可憐なピンクの花と白っぽい緑の独特な葉が美しいコマクサは、今年の夏の想い出。真夏だというのにあまりの寒さに歯をガチガチさせ、ウインドブレーカーからレインウェアまであるだけ着込んで強い風に身をすくませながら、じっとご来光を待ったあの日。下界の猛暑がウソのようでした。残念ながらその日は雲が出ていて、太陽は山からではなくその上の雲から出てきましたが・・・。思い立ったらサッとこんな山まで行けるのも、信州ながわの楽しみのひとつです。
さて暑かった今年の夏も、9月になればさすがに朝晩は少し過ごしやすくなりましたね。皆さまはどんな夏の想い出を作られたでしょうか。節電のかいあって電気は足りました。デンマーク生まれの100均には2回行ったのに、2回とも休業の張り紙!なんじゃこりゃ。長居公園ではカミナリ。南海トラフの巨大地震による被害想定の見直し。良いこともあれば悪いこともあるのが世の常だけど、人間の無力を思い知らされる自然災害はなるべく少なくあってほしい。コマクサのけなげな姿を見ていると、自然に立ち向かおうなんて思いあがった考えは捨てて、頭を垂れて生きていく美しさを見直そうと思いました。
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