六甲ミーツ・アート 2012 その2
景観をぶっこわすほどインパクトが強いカラフルな立体作品。これは六甲山上の芸術散歩に展示されたひとつ。六甲オルゴールミュージアムの中庭の池に面した塀や板張り通路や地面を利用して展示されるタン・ルイ(TAN Ru YI )さんの「中庭の宙」です。マレーシア・クアラルンプール生まれの作家さんだけのことはある、このドギツイまでの色づかいはプラスチックにしか出せません。よく見るとすごい数の洗濯バサミ! 大きいのは布団をほすタイプです。濃い茶色の木製の塀と植物の緑・・・ナチュラルカラーの世界に突如割り込んできたチープな人工色のかたまり。これが意外なことに快いのです。
制作の素材となる洗濯バサミの色も日本人では表現しえないアジアンな美意識。見慣れた常識を壊し、新しい見方を与えるのが現代アートの役割だから、この彫刻は十分成功しているといえます。落ち着いた風景を一変させ、目と脳を強く刺激し、建築物の新しい意味を考えさせる。たとえば室内のインテリアでも落ち着いたナチュラルカラーで統一すると、無難に趣味のよい部屋が出来上がりますが、それだけでは何か物足りない。もっと刺激がほしくなる。
日常と非日常。自然の美と人工の美。環境と文明。さまざまなことに思いをはせさせる作品でした。
六甲ミーツ・アート
芸術散歩 2012
2012年9月15日(土)~11月25日(日)
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