六甲ミーツ・アート 2012 その1
9月15日から11月25日まで、今年も六甲山の山上各所で「六甲ミーツ・アート 芸術散歩 2012」が開催されています。少し涼しくなってきたのでちょっと見に行ってきました。
まず最初は、ポスターやチラシにも使われている加藤泉さんの木彫をご紹介しなくては。加藤さんはとても好きな作家さんの一人です。ヴェネツィアビエンナーレや国立国際美術館で油彩のタブローを見てすごく感動していたのですが、じつは彫刻作品は図版やネットの画像で見るのみで、実物はこれが初めて。(お恥ずかしい) 場所は六甲山高山植物園。緑の中に 5 作品( 6 あったかな?)がぽつぽつと展示されている。立体であることと木を粗く彫った質感があいまって、タブローよりずっとリアルというか生々しい生命力を表現している。リアルといっても加藤さん独自の抽象化された人間、あるいは生命体だ。いわば生も死も超越した根源的な生命=存在。
そのうち全身の作品2点は草の上に横たわっている。目にした瞬間、死体か?とギョッとしたけれど、いやいやどうして力強いじゃないですか。よ~く見るとお腹から樹が生えている。もちろん樹が生えたのではなく、立っている樹に合わせて設置しているのだ。おさまった美術館ではなく自然の中の植物園ならではの効果的なアイデアと展示です。この生命体から新しい生命が樹というカタチをとって芽生えた、とも考えられるし、地球上の個々の生命体は大自然と一体なのだ、とも思索させる。またこんな自然の中に置かれたら木彫は風雨にさらされ、汚れたり腐ってきたり、そのうち朽ち果てるだろう。時間とともに変化していく様も、この作品のねらいなのでしょう。
六甲ミーツ・アート
芸術散歩 2012
2012年9月15日(土)~11月25日(日)
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