須磨のポセイドン
均整のとれた美しい肉体、筋肉の細部まで意識が行き届いた高い表現力・・・。改めて古代ギリシャの高い芸術力を感じます。でも、ご存じでしたか? 紀元前5世紀半ばに作られたこんな素晴らしいポセイドン像が、神戸の須磨離宮公園にあるって。
この像は万博を機会にギリシャ政府から友好を記念して神戸市に寄贈されたものだそうです。「原像は1926年および1928年に海底から発見された」と説明にあります。海を司る神ポセイドンは三叉の矛(トリアイナ)を武器にしているのですが、残念ながらこの像は持っていない。きっと後ろに引いた右手に捧げ持っていたのが、二千数百年の間に失われてしまったのでしょう。残念です。しかし金属製のおかげで、繊細な指先まできれいに残ったのはとても幸運だった、とも言えるでしょう。
古代ギリシャはミロのヴィーナスなど大理石で作った彫刻が主で、このような青銅のものは貴重です。ただ珍しいだけではなく、保存性の高さと複製ができるという優れた特性があります。私たちがいま、須磨で見事なポセイドンに会えるのもまさに青銅のおかげなんですね。
神戸市須磨離宮公園
神戸市須磨区東須磨1-1
Tel. 078-732-6688
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