美の極み、竹中大工道具館
のこぎり、のみ、かんな、ちょうな・・・小さいのから大きいのまで、日本伝統の大工道具を中心にヨーロッパやアジアの道具まで。収集した道具や資料は2万5千点あまり。ここは神戸・元町の山手、「未来へつなぐ匠の技と心」をコンセプトに竹中工務店が開いた博物館です。名工が作った道具、名人が使った道具。まさに用の美で、いっさいの飾りを排した機能そのままのカタチ、研ぎ澄まされた究極の美しさ。最近よく見かける1台で何役もの機能を持った機械の中途半端な姿に比べて、ひとつの目的に特化した潔い美しさは、よく手入れされた鋼の質感とあいまって、私たちに大きな感動を与える。
大工道具一式179点がひとつの壁面に展示されていて壮観です。えっ、大工さんってこんなに多くの道具を使い分けるのか。時代劇で肩に担いでいる木の道具箱。もちろんこんなにたくさんは入らない。どうするかというと、その日に必要な道具だけを選んで現場に持っていくのだそうです。さすがプロ。進行スケジュールと作業内容を熟知した者だけにしかできない合理的な方法だ。法隆寺をはじめ名だたる木造建築が生まれた日本には、棟梁の優れた腕とそれを支える確かな道具があったことがよくわかります。
建築材料も住まいのスタイルも急速に変わってきましたが、これからも伝統的な木造建築の技術と道具は残してほしいものです。これこそが日本の文化なのですから。
竹中大工道具館
神戸市中央区中山手通4-18-25
Tel. 078-242-0216
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