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2012年6月 3日 (日)

昭和という時代をそぞろ歩く

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 本田かなさんの作品には「昭和」があふれている。東京で大阪で、島根で丹後で撮り集めてきた風景を組み合わせて、どこにでもありそうでいてじつはどこにもない、そんな虚構の風景を作り出す。「そうそうあったよね、こんなところ」「懐かしい!」。ご覧いただいた方が、つい声に出したくなる、話が弾む作品です。みんなまるで宝探しのように、お店の看板の文字や道路の敷石などのディテールに惹きつけられる。そうやって彼女の創造した街の中をあっちへ行ったりこっちへ来たり、あきることなくさまよい歩く。特に目的のない散歩、でも出会いの楽しみにあふれたそぞろ歩き。このシリーズには「心の休暇」というタイトルがついています。左右3,280mmという横長の大作の、上は左半分、下は右半分と2分割してご紹介。
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 このいかにも日本という懐かしい街並みが連なった、でもどこにも存在しない夢想の世界を旅する人々は外国人? そう、ここに出てくる人物は、Nゲージの鉄道模型に使う外国人の人形だそうです。ジオラマ作りに使う、あの小さなヤツ。だからタンポポの上に座ってもちょうどいい大きさです。この人たちは金閣寺へ行くよりも、街の銭湯を体験したがるタイプ。好奇心旺盛で、上っ面のニホンではなく本当の日本に興味津々。それはまるで作者の分身ではないか。本田さんは古き良き昭和のニオイを狩るハンターで、作品は昭和という時代を永遠に残す記念碑なのかもしれない。

ギャラリーPAXREX
本田かな写真展「歩く地図」
5月26日(土)〜6月17日(日)
11時〜19時 水曜定休

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