マングローブの川
満開の桜のトンネルの下、ずーっとずーっと先まで希望の明かりに向かって進んでいくイメージですね。すごい奥行きのあるこの作品名は「マングローブの川」。えっ、マングローブ? 涙が出そうな美しい景色だけれど、どこかヘン。現実離れしていると思いませんか。川面に映り込んでいる木の影は、じつは桜ではなくマングローブだそうだ。石垣島で船から撮った写真。まるで疎水の岸辺から水に向かって咲きかかる桜並木のようですが、桜と水は別の写真を編み込んで合成したもの。現実にはないけれど、本田かなさんの夢の世界には確かに存在する桜の楽園なのです。
黒から白へのグレーの濃淡が焼き込まれた四角い編み目が、まるで抽象絵画のような豊かな哲学性を主張している。そしてマットな印画紙が醸し出す静謐な美しさは、どんな色彩よりも説得力がある。タテヨコに編み込むことにより、写真でありながら立体になった本田作品。その本当の魅力はPAXREXで現物をご覧いただくほかありません。
ギャラリーPAXREX
本田かな写真展「歩く地図」
5月26日(土)〜6月17日(日)
11時〜19時 水曜定休
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