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2012年4月 9日 (月)

幻想の光、ヴェネツィア

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 自動車が走っていない場所、と言っても人里離れた砂漠や極地ではありません。アドリア海に面したヴェネツィア共和国1,000年の首都・ヴェネツィアです。177の島々でできた街。それらを取り巻く網の目のように張り巡らされた150をこえる運河と、島と島を結ぶ橋。下を唯一の交通機関である船が通れるように、階段を上がり降りして超える歩行専用の橋です。自動車はもちろんバイクも走れない。
 山本隆彦さんの「ヴェネツィア幻想」は、柔らかい光の靄に包まれたような淡くやさしい色あいが魅力的です。すれ違いもできないような狭く入り組んだ迷路のような路地を抜けて、橋のところへやってくるとパッと空が開けてホッとする。そんな解放感がよく表現されています。石造りの重い建物と長い歴史に押しつぶされそうな圧迫感から解放される喜び。そっと息が付ける少しだけ広い空間。それがヴェネツィアの橋です。こちらの世界とあちらの異界を隔てる境界の意味合いが強い橋。人と人、物と物、文化と文化を結びつける橋。いろんな橋がある中で、ここの橋は安心と解放が味わえる、いわば砂漠のオアシスです。
 今年の復活祭(Pasqua)は4月8日。この橋もすっかり春の空気に包まれていることでしょう。冬から春へ陽光が強くなると水面や建物に光が乱反射して、ほかの場所では経験できない幻想的な雰囲気に包まれる。自動車のエンジンやクラクションの音から隔絶された街は、もっとも美しい季節に入ります。

ギャラリーPAXREX
山本隆彦 写真展 「ヒカリの軌跡」
3月24日(土)~4月15日(日)
11時~19時 水曜定休

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