マサイの女、2つのイメージ
シンプルに、カラフルに、アフリカ大陸のあふれるエネルギーを発散する「マサイの女」。そして情熱を内に秘め、金色に輝くオーラに包まれた誇り高い「マサイの女」。まるで趣が異なる二つの作品は、同じ一枚のネガから生み出されました。山本隆彦さんは、この女性をひとつの作品に集約することができなかったに違いない。ひとつに集約するにはもったいないほど、多面的な個性が際立っていたのだろう。これら2作品のどちらもがこんなにも強烈な魅力を発揮していることで、納得していただけるでしょう。
従来は1枚のネガからひとつの作品、というのが写真の基本でした。ただしそれは過去の話。いまでは写真は単なる記録技術から、アート表現の一技法に昇格しました。だから世界では写真技法を使ったさまざまな挑戦が行われ、その結果として写真の可能性をどんどん広げているのです。
「過去は振り返らない」とおっしゃる山本隆彦さんは1931年生まれ。ご高齢(失礼!)にもかかわらず、常に前向きに創作活動に取り組んでおられる。そして作品世界はますます若々しくなっている。それはあらゆるものに向かう旺盛な好奇心と、新しい表現へのあくなき探求心のたまものだと思います。
ギャラリーPAXREX
山本隆彦 写真展 「ヒカリの軌跡」
3月24日(土)~4月15日(日)
11時~19時 水曜定休
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