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2012年3月 4日 (日)

いわばBONSAIの美学

Ninjin
 ニューヨークでもミラノでも、街角で「BONSAI」という看板を見かけるようになったのは、もう20年以上前のこと。いまやイタリア盆栽協会なるものも存在し、毎年香川県の産地に研修生を派遣している時代です。西洋近代文明の行き詰まりから、日本をはじめ東洋の文化が世界中でブームになっていますが、盆栽や俳句はその代表例。私たちにとってはスシとアニメだけではない日本文化が、広く深く関心を持たれるのはまことにうれしいことです。
 盆栽はさまざまな要素を整理し省略し、世界をぎゅっと凝縮した小宇宙。禅宗の高僧による書画に通じる深みがあります。足し算ではなく引き算の美学。こういう日本人独特の感性や美意識が、資源をたくさん消費して効率や進歩をめざす西洋近代主義に対して、世界の将来を担う哲学として必要とされる時代になってきたということでしょうか。
 ご覧いただいている升本真理子さんの作品は、ニンジン。私にはモダン盆栽に見えます。切れっぱしから芽を出しただけ、と言えばそうなんだけれど、生命の永続性やらCO2の同化による環境の再生可能性やら、現代社会が抱える多くの課題を一身に背負ってけなげに生きているように見える。そこには何百年も経た盆栽の名品に負けない気高い美しさがあります。そして力強い希望のメッセージが伝わってきます。

ギャラリーPAXREX
升本真理子 写真展 
SPROUT 萌芽

3月1日(木)~3月20(火・祝)
11時~19時 水曜定休

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