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2012年2月15日 (水)

海底のような深いブルー

Nakata09
 中田明さんの彩色菜図シリーズから、静けさを湛えた深い青色の作品をご紹介しましょう。まるで海底にいるかのような気持ちになる不思議な色。このブルーは銅を腐食させて生まれた色です。絵の具で塗ったような均一な青ではなく、腐食という自然現象にまかせた濃淡まだらな青が、思わず手に取りそうになる存在感にあふれています。写真の弱点であるツルッとした平面性とは明らかに違う、物質としての強さや重量感がそこにはある。
 銅の粉をドロドロにといて天ぷらの衣のようにコスモスに塗り、銅板の上において腐食させる。薬剤を塗って腐食を早めるそうですが、手間暇がかかる作業にちがいありません。そして腐食の度合いを見ながら撮影のタイミングをはかる。おなじ緑青を使ったシリーズの中でもこの作品はかなり錆が進行した状態ですね。まわりに敷き詰められた黒っぽい砂も、よく吟味されていると思う。一つ一つの小さな砂粒が斜光に浮かび上がって、銅板をくっきりと引き立てる。8×10の大判で撮り、しかも密着で焼いて仕上げる中田さんのこだわりが十分見て取れる一枚です。ここの画像では見えませんが、じつはこれらの作品、一点一点フレームも中田さんの手作り。中の写真と同じく銅板を腐食させ、それを折り曲げてフレームにしているのです。とうぜん内と外の一体感は見事です。
 このような独特の存在感や物質感を画像や言葉で説明するのは、ほとんど不可能です。やはりPAXREXで実物をご覧いただくしかないでしょう。

ギャラリーPAXREX
コレクション2012展
1月14日(土)〜2月21日(火)
11時〜19時 水曜定休

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