これ、NYのセントラルパーク
夜明け前の青い空気のなか、すっくと立つ2本の樹はニューヨークのセントラルパークで撮影されたそうです。うっすら雪が降った翌朝、霧も出ていますね。よ~く見ると右隅に小さく犬(キツネ?)も写っています。小林鷹さんは8年ほどニューヨークでスタジオを構えて雑誌などの仕事をされていたことがあります。だからでしょうか、摩天楼がそびえるマンハッタンの一角とはとても思えない静かな場所をよく御存じですね。
ニレ科の樹が2本、葉を落とした後なので見事な樹形がよくわかります。縄文杉をはじめ大きな樹は人間の一生よりはるかに長く生きている。そして、たとえ災害にあっても戦争が起こってもその場を避難することはない。より条件のいい場所を求めて移動することもありません。そこで起こった様々な出来事を、ただじっと見つめてきたのでしょう。私たちが樹を見て感動するのは、そこの場所の歴史や記憶を内に取り込みながら生きてきた生命に対する畏怖。いわば場の魂に対する尊敬の念からではないでしょうか。
1本の樹も凛々しく潔いと思いますが、この小林鷹さんの作品のように2本寄り添うように立っているのもすごくいい。楽しいときは共に喜び、悲しいときは慰めあって、永く生きてきたその時間を思うとき、私たちの心もなぜかほっと軽くなる気がします。
ギャラリーPAXREX
小林鷹 作品展「静穏」
2011年12月4日(日)~12月20日(火)
11時~19時 水曜定休
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