ささやかだけど大切なもの
東北での津波、原発、和歌山・奈良の豪雨被害・・・。今年ほど、平凡な暮らしや、いつもと同じ取るに足りない日常が、こんなにも愛おしく感じる年はありませんでした。まだ大晦日まで2ヵ月半以上あるのに、1年を振り返るようなコメントで申し訳ございません。でもあまりにもショックが強烈で、今まで何十年とそれをベースに生きてきた価値観を、根底から揺さぶられる思いがするものですから、つい言葉にしてしまします。
この作品、ESUMIの中の「STUDIO Ⅱ」。なにか大切なものを護っている象徴的な写真だと私は思います。撮影の現場で藤井保さんと江角マキコさんの間でどんな会話が交わされたかは知りませんが、この繊細な手の表情はきっと江角さんが大切に思うものをイメージして生み出されたカタチなのでしょう。この作品を見ていると、フクシマから幼子を連れて避難しているお母さんや、泥の中から出てきたアルバムの写真を一枚一枚きれいに洗っているボランティアの姿を思い浮かべます。何でもないささやかな家族との時間が、いかに幸せか。いつもと変わらない街の風景が、どんなに貴重なものか。そんなささやかなモノやコトを、慈しみ護っていくお手伝いをしたいと考えています。
ギャラリーPAXREX
Fujii World 藤井保の世界
2011年9月17日(土)~10月10日(月・祝)
11時~19時 水曜定休
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