夏野菜の王者、トウモロゴーヤ!
作品を見ながらスウーッと歩いていた方が、必ずフッと立ち止まるのがコレ。中田明さんのトウモロコシ、えっ、いや、ゴーヤ? きっと訳がわからなくなってしまわれるのでしょう。中には「トウモロコシって熟れる前はきれいな緑色なんですね」と感嘆される方も。二つの夏野菜のパワーをぎゅっと凝縮したような力強い姿。実はこの作品、ゴーヤをトウモロコシの皮で包んで撮影している。細かいヒゲも8×10の大判フィルムならではの精密さで再現されている。
わざわざこんな造形を施してから撮影するのは、中田さんの洒落っ気のあらわれ。見る人にサプライズを与え、既成観念を揺さぶることこそアートという芸術の役割。知的な刺激のないものは、いくら美しくてもアートとは呼べない。過去にあったものの焼き直しではちっとも面白くないのです。人がやったことがないことをやるのがアート。アートとクラフト、芸術家と職人を分けるのは、この部分。もちろんどちらが上とかどちらが偉いとかという価値基準とは、まったく別物です。私たちはその都度グッと感じるものをチョイスするだけのこと。
この頭を混乱させて楽しませてくれる作品を、勝手に「トウモロゴーヤ」と名付けてみました。しかしこれでは何の工夫もなく、芸術にも職人技にも程遠い単なる悪ふざけでしかない、トホホ、おそまつ。
ギャラリーPAXREX
「イメージの領域 Beyond Realism」
2011年8月20日(土)~9月11日(日)
11時~19時 水曜定休
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