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2011年9月24日 (土)

黒部ダムで科学の未来を考える

Img_2539 フクシマで原発事故が起こってから、科学の進歩や文明の発展、エネルギーの問題などをもっと真剣に考えてみようという方が増えたのではないでしょうか。というのも、今まで無意識のうちに信じていた「科学の進歩によって人間は幸せになれる、人類は繁栄する」という信仰が、根底から崩れてしまったから。そこで、日本が戦後復興から高度成長へと向かうエポックメイキングとなったスポットの一つ、黒部ダムへ行ってじっくり考えてみようと思い立ち、開通40周年となる黒部アルペンルートへ向かいました。「プロジェクトX」のDVDも事前にしっかりチェックしましたよ。Img_2528
 ここクロヨンでは、まだ人類の希望と科学がぴったり寄り添っていた時代の楽観主義があふれている。大いなる自然破壊だ、という声はあくまで少数派に過ぎない。200mもの高さから巨大な黄色のバケツを吊り下げてコンクリートを運ぶなど、工夫や熟練が要るけれどハッキリ目に見える技術で作られたダム。ここに水を貯め、その水を落として発電する。「スゴイ! よくこんなもの作ったよね」という驚きと素直な感動。うん、わかりやすい。
 ひるがえって原子力はどうでしょう? 核分裂とか放射能とか、目には見えない、手で触れない、近づけない、そんなテクノロジー。人間の生物としての本能からは、五感で確認できないものは拒絶するのが自然だ。科学の進歩は、現代に至ってついに神の領域まで足を踏み入れてしまったのかもしれません。いわばバベルの塔。これからは、原子力に限らず遺伝子工学などすべての先端科学を専門家だけの閉鎖的なムラにとどめていてはいけない。そこで何が考えられ、何が行われているのか、ひろく情報を公開し目に見えるよう努力してほしいものです。私たち一般市民も注意して科学の進展を見ていく義務があると思います。子や孫の世代に取り返しのつかない負の遺産を押し付けないために。

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