志賀伸子さんの白菜
豪華なバラの花のようにも見える。おしゃれなレースのブラジャーにも見える。台所で料理を始めようかというとき、どこからこんな妄想とも呼べるイメージが湧いてくるのでしょうか。志賀伸子さんの「菜園」シリーズを見ていると、視点のおもしろさとユーモア感覚に驚かされます。
アート作品としての写真には、TVや新聞でたたかれるヤラセ問題など起こるはずはありません。誰もアートに事実を求めていないから。ジャーナリズムの写真では、送り手も受け手もそこに写っているのは事実だ、という共通認識の上に成り立っている。真実とまでは思っていないにしても・・・。だからヤラセとわかったときの怒りは大きい。真を写すはずの写真がウソをついたのだから。それに比べてアートでは、どううまくウソをつけるか、というのが重要な表現方法になります。さも本当のようなウソは、人を驚かせ微笑ませ感動させる。写真でこれを表現する場合、「写真は真実を写す」手段だという一般常識あるいは既成概念をうまく利用することになる。これは絵画ではできない写真ならではの手法だ。
あれ、それってアートに限らずニュースの映像や写真でもよく似たことが言えるんじゃないの? そんな疑問をもたれた方、あなたは鋭い。そうやって長年メディアや政府発表で見せられてきたイメージは数多い。しっかり自分の目でみるようにしなきゃ。
ギャラリーPAXREX
「イメージの領域 Beyond Realism」
2011年7月23日(土)~8月9日(火)
8月20日(土)~9月11日(日)
11時~19時 水曜定休
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