輪廻を見つめるように水を撮る
心地よい初夏の陽射しを全身に浴びながらのんびり漂ったり、身をくねらせ激しく流れ落ちたり・・・水はまるで生き物のように見える。森善之さんも「水のすみか」写真展の作品を、地球を循環する水のさまざまな姿を輪廻を見つめるように撮影した、とおっしゃっています。
水は湧き水、川、滝、池、海、雲、雨など目に見える姿もあれば、私たちの目に見えないところで大きな流れを作っているものもあります。その一つが樹木。地中に張った根から水を吸い上げ、幹を通し、葉先から蒸発させて何十年何百年と水を循環させながら生きている。虫や鳥、獣や人間もまた同様に、細胞の中を流れる水によって生きていくことが出来る。だから「輪廻を見つめるように」水を捉えるという言葉は、単なる比喩を超えて、きわめて深い哲学的考察に満ちていると思いませんか? 地球も、地球上の生物も、水こそがその生命の本質で、山も川も海も私たちの身体も、すべて水という生命の容器でしかない、とも考えられます。
「水のすみか」とは「生命の容器」。融通無碍に姿を変えながら容器の中を巡っていく、どこか捉えどころのない生命=水を見えるように試みる表現力が、この展覧会の見どころなのでしょう。
※6月18日(土)14時~20時 19日(日)15時~19時
作家の森善之さんがギャラリーに来られます。
ギャラリーPAXREX
森善之 写真展 「水のすみか」
5月28日(土)~6月19日(日)
11時~19時 水曜定休
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