モルテザさんの「一般大衆」
ドイツ人の写真家モルテザ・アリアナさん。彼の「Decay(壊れてゆく)」シリーズの作品は写真と呼ぶには、あまりにもアーティスティックだ。しかし絵筆ではなくカメラで創造するので、あえて分類すれば写真でしょうね。分類することに意味があるとは思えませんが・・・。
とうぜん「これは写真じゃなく、現代アートですね」とよく言われます。たぶんそうおっしゃる方は、写真は一瞬を切り取って記録するもの、と思い込んでおられるのでしょう。私はそんな考えは持っていません。たしかに今まではそういう写真が主流だった、特に日本ではその通りです。でも写真の先進国である欧米では、とっくに「一瞬の記録」から脱却しもっともっと先へ進んでいます。方向性はアート表現としての写真の可能性。
もちろん記録としての写真の役割がなくなったわけではありません。報道の世界ではますます写真や映像の力が必要とされてくるでしょう。でもそれは私たちアートギャラリーが扱う分野ではありません。カメラは誰でも使える便利な道具です。旅行へ出かけて記念写真を撮る道具にもなれば、ジャーナリストが戦場で平和の大切さを訴える道具にもなる。そして今、最先端の美術家が使う道具にもなっているのです。そして、このカメラを使ったアート作品をこれからもPAXREXでは紹介していこうと考えています。ご期待ください。
ギャラリーPAXREX
「イメージの領域 Beyond Realism」
2011年7月23日(土)~8月9日(火)
8月20日(土)~9月11日(日)
11時~19時 水曜定休
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