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2011年6月

2011年6月29日 (水)

モルテザさんの「一般大衆」

Volk ドイツ人の写真家モルテザ・アリアナさん。彼の「Decay(壊れてゆく)」シリーズの作品は写真と呼ぶには、あまりにもアーティスティックだ。しかし絵筆ではなくカメラで創造するので、あえて分類すれば写真でしょうね。分類することに意味があるとは思えませんが・・・。
 とうぜん「これは写真じゃなく、現代アートですね」とよく言われます。たぶんそうおっしゃる方は、写真は一瞬を切り取って記録するもの、と思い込んでおられるのでしょう。私はそんな考えは持っていません。たしかに今まではそういう写真が主流だった、特に日本ではその通りです。でも写真の先進国である欧米では、とっくに「一瞬の記録」から脱却しもっともっと先へ進んでいます。方向性はアート表現としての写真の可能性。
 もちろん記録としての写真の役割がなくなったわけではありません。報道の世界ではますます写真や映像の力が必要とされてくるでしょう。でもそれは私たちアートギャラリーが扱う分野ではありません。カメラは誰でも使える便利な道具です。旅行へ出かけて記念写真を撮る道具にもなれば、ジャーナリストが戦場で平和の大切さを訴える道具にもなる。そして今、最先端の美術家が使う道具にもなっているのです。そして、このカメラを使ったアート作品をこれからもPAXREXでは紹介していこうと考えています。ご期待ください。

ギャラリーPAXREX
「イメージの領域  Beyond Realism」
2011年7月23日(土)~8月9日(火)
     8月20日(土)~9月11日(日)
11時~19時 水曜定休

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2011年6月26日 (日)

第3回 義援金ご協力に感謝します

1  5月28日(土)から開催しておりました森善之 写真展「水のすみか」も多くの方々にご来場いただき、好評のうちに6月19日(日)に終了しました。今回も売り上げの10%を日本赤十字社を通じて東日本大震災で被災された方々に寄付させていただきました。ご協力いただいた皆さまに心からお礼申し上げます。どうもありがとうございました。また作家の森善之さんも、売り上げの一部を被災者支援活動に寄付されています。
 森さんは47都道府県の生活や文化をそれぞれ一冊ずつで特集する雑誌「ジャパングラフ」を発行しておられますが、昨年出たのが「岩手」でした。震災の後、岩手県で取材でお世話になった方々を訪ねてまわったそうです。私もこの展覧会が始まる前に宮城県の石巻と東松島へ、終了後に岩手県の陸前高田と釜石へ行ってまいりました。寄付をするのもボランティアに行くのも、現地の惨状を見るとあまりの無力さにくじけそうになります。被災した人々を以前と同じ生活や気持ちに戻してあげるなんて不可能です。でも出来ることを長く続けていくことで被災した人々に私たちが寄り添うことができると信じています。これからもよろしくお願いいたします。

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2011年6月21日 (火)

園川絢也くんのアート

Photo  出会いは、広告チラシをクシャクシャまるめて作ったワンコでした。その作り手であるアーティスト・園川絢也君に昨年堺のアートフェアにて遭遇。「なにか作って遊ぶって、それだけでアートでしょ?」目をキラキラさせて話しながらも、クシャクシャやって、創って、遊んでましたっけ。そんな彼から個展の案内を頂いて、観てまいりました。Photo_2
 今回もやっぱり「日常をアートへ」って事で、ワンコが居るわ、クシャクシャやってるわ・・・ですが、また新たな驚きを見せていただきました。
 決して広くはないギャラリー空間の真ん中に、服の柱か、これは? まずは天上に巨大なフレームを取り付けるところからスタートしたそうです。それだけで一日終わっちまった、遊んじまったそう。いえ、楽しい遊びはそこから・・・ 友人や知人に協力して貰って集めた服をその中にああやって、こうやって、収まりきらないから飛び出したのかな、最初から飛び出すことを想定していたのかな?Photo_6  いずれにしろ「服」というモノの存在が集まって、独自の不思議な世界を感じさせてくれます。
 ひらひらする服だけではなく、額縁の中に閉じ込められた服やかばんや帽子もあります。
 パンツだってあるぞ! これらは誰かが履いてたパンツだろうか? パンツとしてこの世に出現したこの物体は、絵の具で塗り固められて、絵画となって、アートとなって、存在し続ける自分を予測し得ただろうか? しかもタイトルまでつけられちゃって! その名を「性劣化パンツ」「草食系パンツ」「肉食系パンツ」。もひとつおまけに「夢見るパンツ」もあるぞ。Photo_7
「作品はすぐに出来ちゃうんですが、その後のタイトルを考えるのにものすご〜く時間がかかるんです。対話しないといけないというか。この子のために、どんな名前を付けてやるのがベストなのか」と。
 そういう彼の服装にも思わず注目。「それ、どうなってんの? 何でそんなところで結んであるの?」 この人、朝食で折り込み広告をクシャクシャアート。お出かけに服を身に着け、あっちもこっちも結んでアート。電車に乗っても、友達と話していてもアート・・・ なんでしょう。
 現在大阪芸術大学に在学中の園川絢也君。すでに彼のアートはキャンパスを飛び出しております。皆さん、要!注目されたし。

 園川絢也Exhibition今後の展覧会予告

 堺市展優秀作品展 2011/7/8〜7/17
 『超カワイイ主義宣言』 志賀高原ロマン美術館2011/7/24〜9/23
 2011『どっぷり船場 じっくりアート』展 2011/10/7〜10/9  etc

 

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2011年6月18日 (土)

水は水としてのみ存在する

Photo_4 砂漠で出会う一滴のように、渇きを潤し生命を保つ水がある。日照りに苦しめられた畑の野菜を蘇らせる水がある。水のおかげで地球の動植物は繁栄してきました。でも一方では、津波や水害となって荒れ狂うすさまじい威力に打ちのめされてもきました。でも、ありがたい水も恐ろしい水も、どちらも自然の姿。当然のことながら人間の都合では計り知れない力と効能を秘めて、ただ水の都合でのみ存在している。
 無色、無味、無臭。これが水の本質だ。だから何色にも染まる。何味にも化ける。薬や滋養を溶かしもするが、毒もまた紛れ込む。それを私たちがどう解釈しようが、水のあずかり知らないところだ。人間は自分たちでコントロールできないものまで支配下に置こうとしてきました。もう一度自分の無力を思い知り、自然に対して、水に対してもっと謙虚になるべきではないでしょうか。
 水についてこんなさまざまなことを考えさせてくれた、森善之さんの「水のすみか」展もあとわずか。青と緑の美しいトーンが、この季節を爽やかにしてくれます。
※6月18日(土)14時~20時 19日(日)15時~19時
     作家の森善之さんがギャラリーに来られます。

ギャラリーPAXREX
森善之 写真展 「水のすみか」
5月28日(土)~6月19日(日)
11時~19時 水曜定休

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2011年6月15日 (水)

輪廻を見つめるように水を撮る

Photo_3 心地よい初夏の陽射しを全身に浴びながらのんびり漂ったり、身をくねらせ激しく流れ落ちたり・・・水はまるで生き物のように見える。森善之さんも「水のすみか」写真展の作品を、地球を循環する水のさまざまな姿を輪廻を見つめるように撮影した、とおっしゃっています。
 水は湧き水、川、滝、池、海、雲、雨など目に見える姿もあれば、私たちの目に見えないところで大きな流れを作っているものもあります。その一つが樹木。地中に張った根から水を吸い上げ、幹を通し、葉先から蒸発させて何十年何百年と水を循環させながら生きている。虫や鳥、獣や人間もまた同様に、細胞の中を流れる水によって生きていくことが出来る。だから「輪廻を見つめるように」水を捉えるという言葉は、単なる比喩を超えて、きわめて深い哲学的考察に満ちていると思いませんか? 地球も、地球上の生物も、水こそがその生命の本質で、山も川も海も私たちの身体も、すべて水という生命の容器でしかない、とも考えられます。
 「水のすみか」とは「生命の容器」。融通無碍に姿を変えながら容器の中を巡っていく、どこか捉えどころのない生命=水を見えるように試みる表現力が、この展覧会の見どころなのでしょう。
※6月18日(土)14時~20時 19日(日)15時~19時
     作家の森善之さんがギャラリーに来られます。

ギャラリーPAXREX
森善之 写真展 「水のすみか」
5月28日(土)~6月19日(日)
11時~19時 水曜定休

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2011年6月12日 (日)

水の精霊は、どこに棲む?

Photo_2  もしも水の精霊がいるとしたら、ヘドロまみれのドブ川よりこんな清らかな水の中にいて欲しい。科学的にはH2Oなのだからすべていっしょ、不純物やゴミが多いか少ないかの違いだけ、なぁんて言っちゃぁおしまいよ。そもそも「科学的」という言葉は現代日本を築く信仰のように使われて来ましたが、実は科学的客観性を欠いたまま使われている場合もある、ということがバレてしまいましたね。これからは科学と同じく効率や進歩など、西洋近代主義を学んで生まれた現代日本の価値観のすべてを、見直さざるを得ないでしょう。
 とまぁわたくし、最近サイエンスや科学者を信じられなくなりました。ええ、あのフクシマ以来。あるいはサイエンスと教え込まれていた事象のいくつかは偽サイエンスだったのか、とも感じてしまいます。 というわけで、サイエンスよりもファンタジー。知識よりも想像力。清らかな水にはきっとピュアな精霊が宿る、と固く信じるに至ったしだい、ハイ。この展覧会のタイトル「水のすみか」とは、森善之さんが訪ね歩いた美しい水の精が住んでいる特別の場所をさしているのかもしれません。
※6月18日(土)14時~20時 19日(日)15時~19時
     作家の森善之さんがギャラリーに来られます。

ギャラリーPAXREX
森善之 写真展 「水のすみか」
5月28日(土)~6月19日(日)
11時~19時 水曜定休 
 

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2011年6月 9日 (木)

掛け軸になった「水のすみか」

1 掛け軸と言えば、床の間、茶室、畳の座敷、と和の様式を思い浮かべますよね。でも今PAXREXで開催中の森善之さん「水のすみか」展をご覧いただくと、ちょっと考えが変わると思います。掛け軸なんだけどインターナショナル、伝統的なカタチなんだけどすごくモダン。これならコンクリート打ちっ放しやログハウスの壁に掛けても、ぴったり合いそう。
 これらの表装に使われた布地は、森さんがバリ島で買ってこられたシルクだそうです。だからでしょう、色といい、質感といい、素朴さの中に華麗なるエキゾチズムが混じり、単なるジャパネスクをはるかに超えてグローバルな美のスタンダードを確立しています。地球環境意識だけではなく生命の根源まで深く思いを至らせた展覧会「水のすみか」の世界観を、より一層際立たせている作品の見せ方も魅力的です。ぜひギャラリーへ足をお運びください。
※6月12日(日)14時~17時 作家の森善之さんがギャラリーに。

ギャラリーPAXREX
森善之 写真展 「水のすみか」
5月28日(土)~6月19日(日)
11時~19時 水曜定休

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2011年6月 6日 (月)

大台ケ原の南、清流を求めて

Photo_6  釣り竿をカメラに変えて渓流へ。フォトグラファー森善之さんは熊野川の源流のひとつへ分け入って、約6年をかけさまざまな水の姿を撮影してきました。清らかな水に空の青や森の緑が映りこむ。ゴツゴツした岩肌や滑らかなミズゴケが透けて見える。
 ここ紀伊半島の源流域は、かつて趣味の渓流釣りによく通っていたところだそうだ。彼は10年前アマゾン川の取材に出かけた時、世界観が水を軸に大きく変わったと言います。そして、釣り竿をカメラに持ち替えて同じ山懐へ入るようになったそうです。夏でも冷たい水が、流れ落ち、渦巻き、岩を削り、下流へと向かう。やがて海へ注ぎ、蒸発して雲になる。そして雨となって山に降る。この循環こそ水の本質、そしてそれらのすべてが「水のすみか」なのでしょうね。
 そうそう、吉野熊野国立公園・大台ケ原は世界有数の多雨地帯だそうですよ。だから豊かな水に恵まれ、多様な植物や動物の成育に適しているのでしょう。
※6月12日(日)14時~17時 作家の森善之さんがギャラリーに。

ギャラリーPAXREX
森善之 写真展 「水のすみか」
5月28日(土)~6月19日(日)
11時~19時 水曜定休

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2011年6月 3日 (金)

梅雨の晴れ間? それとも…

2  こんなに早く梅雨に入るなんて、どうなっているのでしょうか。とか言いながら、この青空は何だ! いえいえ、これは梅雨の晴れ間ではございませぬ。いまPAXREXで開催中の森善之 写真展「水のすみか」の中の1作品です。地球を循環する水のさまざまな姿を捉えたこの展覧会。涼しい音が聞こえてくるような清らかな渓流に並んで、空の雲が堂々6点も展示してあります。川や海の水が蒸発して空で生まれる雲。となれば、トーゼンこれも「水のすみか」ですよね。
 目に見えたり見えなかったり、カタチがあるようで、ないようで。つかみどころのない水ですが、生命が巡るといわれる輪廻のように、常に地球の上でぐるぐるまわっている。いや、むしろ森善之さんは、ぐるぐる巡る水の姿を観察しているうちに生命も輪廻すると感得したのかもしれません。
 梅雨の晴れ間をパチリと撮ったというわけではありませんが、気持ちいい青空のもと爽やかな清流が流れるPAXREXの展覧会へおいでください。気分はカラッと梅雨明け。マイナスイオンやフィトンチッドが漂っているような異次元空間ですよ。
※6月4日(土)14時~17時 作家の森善之さんがギャラリーに。

ギャラリーPAXREX
森善之 写真展 「水のすみか」
5月28日(土)~6月19日(日)
11時~19時 水曜定休
 

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