絶滅の危機、あつもりそう
本州の高山や北海道でごくまれに見られる「あつもりそう」。1997年に特定国内希少野生動植物に指定された幻の花だそうだ。乱獲されていまや絶滅寸前。もちろん私も見たことがありません。名前の由来は平家物語に出てくる平敦盛から。源平時代の武士が後からの矢よけのため背中に背負った母衣(ほろ)に、花の形が似ているからだという。
一の谷の合戦で敗れた平家が舟に向かって逃げていたなかで、16歳の敦盛は熊谷直実に敢然と立ち向かい、あえなく討ち取られる。平家物語の名場面です。そして、哀れ平家の公達は、現代に至っても花に名を変えまたまた滅びようとしている。
小林鷹さんが表現した「あつもりそう」は、こんな哀しいお話よりも、むしろ華奢だけれどりりしい若武者の希望を思わせる。どこまでも続く深い奥行き。幻想的な空間にすっくと咲く姿は、なにものにも侵すことができない孤高の美をたたえています。ちなみに神戸の須磨浦公園には平敦盛の供養塔と言われる、高さ約3.5mの敦盛塚が今も残っています。
PAXREX 5周年記念
パクコレ vol,1「はな」
3月12日(土)〜4月10日(日)
11時〜19時 水曜定休
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