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2011年3月

2011年3月30日 (水)

森雅美さん、青いバラの秘密

Rose この世のものとは思われない幻想的なブルーのバラ。内から輝いていますね。このシリーズの作品は大判のネガフィルムで撮り、そのネガを裏から光を当ててまたポジフィルムで複写する。その時にカラーフィルターを入れて撮影すると、どんな色のフィルターを入れるかによってさまざまな不思議な色が現れる、という手法で作られているそうです。その過程でネガポジ反転の関係になるため、いちばん暗い花の中心部が一番明るく光っているように見える、そんな理屈らしい。独創的だけれど、きわめて手の込んだ方法です。どこからそんな発想が出てきたの、と聞きたいくらい。
 今回の展覧会は、この森雅美さんと奥脇孝一さん、小林鷹さんの3人による花をテーマにした写真展です。5年前のPAXREXスタート時を思い出して、今回あらためてその素晴らしさに感動しています。そして、この5周年記念の期間中は、マットとフレームの額装費は50%offの感謝価格でご提供。以前ご覧になって気になっていた、そんな方には今が手に入れるチャンスですよ!

PAXREX 5周年記念
パクコレ vol,1「はな」
3月12日(土)〜4月10日(日)
11時〜19時 水曜定休

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2011年3月27日 (日)

絶滅の危機、あつもりそう

Photo_2 本州の高山や北海道でごくまれに見られる「あつもりそう」。1997年に特定国内希少野生動植物に指定された幻の花だそうだ。乱獲されていまや絶滅寸前。もちろん私も見たことがありません。名前の由来は平家物語に出てくる平敦盛から。源平時代の武士が後からの矢よけのため背中に背負った母衣(ほろ)に、花の形が似ているからだという。
 一の谷の合戦で敗れた平家が舟に向かって逃げていたなかで、16歳の敦盛は熊谷直実に敢然と立ち向かい、あえなく討ち取られる。平家物語の名場面です。そして、哀れ平家の公達は、現代に至っても花に名を変えまたまた滅びようとしている。
 小林鷹さんが表現した「あつもりそう」は、こんな哀しいお話よりも、むしろ華奢だけれどりりしい若武者の希望を思わせる。どこまでも続く深い奥行き。幻想的な空間にすっくと咲く姿は、なにものにも侵すことができない孤高の美をたたえています。ちなみに神戸の須磨浦公園には平敦盛の供養塔と言われる、高さ約3.5mの敦盛塚が今も残っています。

PAXREX 5周年記念
パクコレ vol,1「はな」
3月12日(土)〜4月10日(日)
11時〜19時 水曜定休

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2011年3月24日 (木)

ミラノへ旅立ったPECHU作品

Milano  先々週、PECHUさんの金魚シリーズ版画作品と、墨とアクリル絵の具で描いてパネル貼りした新作が、イタリア・ミラノに向けて飛び立ちました。現地のMarina Wolff Galleryというところで3月29日~5月2日のあいだ展覧会が開催されるのです。PECHUさんも、いよいよ海外進出かぁと感慨深いものがあります。
 ここのところずっと忙しく作品創りに没頭していましたが、そのひとつがこのミラノで展示する作品を描くこと。もうひとつの仕事については4月半ばにまたお知らせしようと思っています。これも素晴らしいので、お楽しみに。
Milano1_2  ご存知、金魚の赤と黒、そして今回の黄金の国ジパングを思わせる金と黒。どちらも欧米の人々が、いかにも喜びそうなジャパネスクなテイストです。北斎や広重がヨーロッパを熱狂させ、印象派の画家たちに大きな影響を与えたように、これらの作品が彼の地で受け入れられ、ミラノでの展覧会がぜひ成功するよう祈っています。現地まで見に行けないのがとても残念です。でも、これをきっかけに世界を舞台に活躍するPECHUさん、というのも夢ではなさそうですね。

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2011年3月22日 (火)

白モクレンが見ごろです

Photo  毎朝ギャラリーへ向かう道筋で、ハクモクレンが見ごろを迎えています。鯉川筋の街路樹で大丸の向かいあたり。このあたりは結構たくさんモクレンが植えられている。震災後に植樹されたので、まだまだ小さいですが。そして1週間ほど遅れてコブシが満開に。こちらは南京町の西側の南北の筋。
 どちらも良く似た大ぶりの白い花が咲きますが、北国の春を告げるコブシのほうが私は好きです。とはいえ、モクレンの花はより大きくゴージャスな感じで、まわりの空気をパッと明るくしてくれます。花びらも厚めで、濃厚なソースのフランス料理のようですね。それに引きかえコブシは野生児の純情と素朴を感じる。料理にたとえれば山菜の天ぷらかな。でも精進料理やヒラメの薄作りほど淡白ではない。モクレンに比べれば控え目なだけで、自然の中で見るとかなり派手な部類に入る。
 マンサクやロウバイなど寒さのなかで健気に咲く、か細い黄色い花のあと。そして満開に咲くサクラの前。この絶妙な開花の時期も、移る季節のアクセントとしておもしろい、ハクモクレンやコブシの白い花。PAXREXへいらっしゃる時は、上も周りもキョロキョロしながら歩いてみてください。

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2011年3月19日 (土)

「ゲーテが見た植物園」より

Photo 一昨年の春に開催した奥脇孝一さんの個展「ゲーテが見た植物園」。二百数十年前にゲーテも訪れた、イタリア・パドヴァ大学にある世界最古の植物園を撮りおろした作品を20点展示しました。ゼラチンシルバープリントならではの深みのある黒と美しいグレーの諧調で、とても高い評価をいただきました。写真マニアはもちろん、一般のお客さまもその格調高いモノクローム表現にとても感動されたようです。今回の展覧会では、その中から一点「はす」を展示しています。
 何枚もの葉が複雑に重なりあったすき間から、まだ固いツボミが一つ、ちょっと首を傾げて顔を覗かせています。まるでこれから出て行く社会の風の厳しさを恐る恐る確かめているように。よく見ると右端のほうに花びらを落としたあとのハチスが見える。こちらは現役をリタイアして、飄々と風に吹かれているのでしょうか。春は出発と卒業の時期。いつもならこんな感慨に耽るところですが、今年は大震災でそれどころではない。一日も早い救援と復旧を祈るのみです。平凡ですが、どんなにひどい状態になっても季節が巡ると必ず花は咲きます。阪神大震災のときにもそれを感じました。被災して落ち込んでいる人間を、励まし勇気づけるかのように。
 PAXREXもこの展覧会の売り上げの10%を被災地に寄付することにしています。ほんとうに微力ですが、できることを何かしたいという気持ちです。
 
PAXREX 5周年記念
パクコレ vol,1「はな」
3月12日(土)〜4月10日(日)
11時〜19時 水曜定休

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2011年3月16日 (水)

森雅美さんのFLORA

Photo_2 12日から始まったPAXREXのコレクション展、略してパクコレ。5周年記念の展覧会です。5年前にギャラリーをスタートしたのは「HANA*イノチのカタチ」展からでした。奥脇孝一、小林鷹、森雅美の3人のフォトグラファーによる展覧会。この森雅美さんの作品「ポピー」をご覧いただいても、これが写真だとは思わないでしょう? 4×5や8×10の大判で撮影したネガフィルムを、カラーフィルターを入れてもう一度ポジで撮影する。とても手間はかかるけれど、その発想と努力は見事に報われていますね。最近のコンピューターで処理したものとは全然違う。
 もう15年以上前から始めた独自の手法で生み出されたこれらの作品は、フィレンツェにあるイタリア国立アリナーリ写真美術館にコレクションされています。天上に咲くのはこんな花に違いない、と思ってしまう幻想的な色彩が、版画用紙に柔らかいトーンでプリントされています。写真の展覧会ですと言っているのに、「これは水彩画ですよね?」とよく言われます。つまり写真には見えない、でも絵だとすれば精密すぎる。とても不思議で心が洗われるピュアな世界。花の女神FLORAに愛された森雅美さんの美しい作品は、ぜひこの機会にギャラリーPAXREXでご覧ください。

PAXREX 5周年記念
パクコレ vol,1「はな」
3月12日(土)〜4月10日(日)
11時〜19時 水曜定休

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2011年3月12日 (土)

5周年の感謝と、大震災への哀悼

 東日本大震災で亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。また被災された方々の救援と生活の復興が出来るだけ速やかに行われるよう願っております。
5  2006年にPAXREXをスタートさせた目的の一つは、震災の痛手を受けた神戸の人と街をアートの力で元気づけること。おかげさまでこの4月、満5歳の誕生日を迎えることができます。どうもありがとうございました。そこで感謝の気持ちを込めてパクスレクスのコレクション展を開催いたします。略してパリコレ、ならぬ「パクコレ」。第1弾は5年前のスタート時を思い出して、奥脇孝一、小林鷹、森雅美による「はな」をテーマにした展覧会です。日本を代表する3人のフォトグラファーが、三者三様それぞれの美意識と手法で生み出した独創的な作品。写真でここまで表現できるのか、という驚きの美をお楽しみください。
 悲しいことに、5周年のお知らせと東日本大震災のニュースが重なってしまいました。しかしこれも何かの縁、この展覧会の売り上げの10%は義援金として寄付したいと思います。ささやかですが神戸の震災からの再興を考えてきたPAXREXの気持ちです。みなさまのご協力をお願いいたします。

PAXREX 5周年記念
パクコレ vol,1「はな」
3月12日(土)〜4月10日(日)
11時〜19時 水曜定休

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2011年3月 9日 (水)

小林鷹さんの和花

43  日本の山野草を自然に生えているそのままの姿で表現したい。小林鷹さんが行き着いた方法は、背景を自分で描いてスタジオで書割のようにし、その前にホンモノの野草(これは早春に可憐に咲くカタクリです)を立ててストロボで撮影する、というもの。自然のままに見える方法が、人工的に作りこまれた環境だった、というおもしろさ。よくアマチュアの方のグループ展で見かける望遠レンズで背景をぼかした花の写真。わざとらしくて不自然でイヤでしょ。自然の中ではどうしても不要なものが写ってしまうから、しようがないのでしょうが・・・。
 自然のままが良い、演出しないのが良い、そんな頑迷な思想がいまだ日本の写真界に蔓延していますが、鷹さんは見事に裏切ってくれました。ドキュメンタリーと言う名の呪縛から開放されないと、日本の写真は生き残れない。もちろん事件などを伝え記録するための報道写真は別ですよ。ここでは、あくまでアートとしての話。キャパはアートではないけれど、記録写真としては意味がある、ということです。
 話が横道にそれてスミマセン。鷹さんの独創的な手法をもっと詳しく知りたい方は、3月12日(土)からPAXREXで丁寧にご説明します。

PAXREX 5周年記念
パクコレ vol,1「はな」
3月12日(土)〜4月10日(日)
11時〜19時 水曜定休 

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2011年3月 6日 (日)

奥脇孝一さんのHANA

Photo_2  シンプルでモダンなモノクロームの花。奥脇さんが20年以上前から撮り続けておられる、いわばライフワークともいうべきシリーズです。極限まで要素をそぎ落とした高貴なフォルムが静謐な美をかもし出す。ゼラチンシルバープリントの精緻な紙焼きは、完成度の高いアート作品に必須の上質さをたたえている。
 トルコキキョウ、つぼみが開きかける瞬間。この作品、静かな佇まいに見えながら、じっと見ているときわめて饒舌に語りかけてくる。ほら、人の姿に見えてきませんか? 新しく社会へ出てゆく喜び、希望の旅立ち、輝ける人生への賛歌・・・そんなポジティブな感覚が伝わってくるのが快い。こんな気持ちになるのは、閉塞感に満ちたいまの日本だからよけい貴重なのかもしれない。花がもともと持つ生命力を十二分に引き出した目と技。見れば見るほど奥深いメッセージ性のとりこになりますよ。

PAXREX 5周年記念
パクコレ vol,1「はな」
3月12日(土)〜4月10日(日)
11時〜19時 水曜定休 
 

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2011年3月 3日 (木)

5周年を記念して「はな」を!

Paxcollection  早いものでギャラリーPAXREXは5周年。皆さまに支えていただいたおかげと、心から感謝しております。ギャラリーにはアート好きの客としてよく足を運んでいましたが、運営面では全くの素人。どうなることやら、と不安いっぱいのスタートでした。でも従来のギャラリーとは一味違う新鮮なセンスとリーズナブルな価格で、最先端のアートでありながら親しみやすくいつまでも愛される作品をご提供しよう、という意欲は強かった。5年間で出来たこともあります。まだまだ至らないないこともいっぱいです。
 区切りの展覧会として、次の土曜日、3月12日からパリコレならぬパクコレを開催します。パクスレクスのコレクション展、略してパクコレ。深い意味はなく単に縮めただけ。イージーですみません。第1弾のテーマは「はな」。展覧会名はイージーですが、この企画には深い思い入れがあります。奥脇孝一、小林鷹、森雅美、広告写真の分野で日本の第一線で活躍する3人のフォトグラファーがライフワークとして取り組む「はな」。表現スタイルは3者3様ですが、いずれも独創的で美意識の塊のような作品です。そしてPAXREXは、この3人の「はな」でスタートを切りました。お客様から「えっ、これは写真じゃないでしょ」とか「どうしたらこんな風に撮れるんですか」とか、驚きと質問攻めに会った展覧会。写真を中心とした現代アートのギャラリー、というPAXREXのコンセプトを体現した展覧会だったのです。
 『いい写真』をご覧いただくのではなく、『いいアート』を提供する。だからどんなにいい写真でも、ドキュメンタリーの展覧会はやりません。何かを独自の視点で切り取った(記録した)ものより、今までなかった何かを創り出したものに興味がある。それがアートです。絵画でも、彫刻でも、インスタレーションでも・・・。写真なら、たまたま表現する道具が絵筆ではなくカメラだった、そんな作品を取り上げていきます。今回の「はな」は5年前に展示した作品に新作も加えた展覧会。初心に戻って新たにスタートします。これからもよろしくお願い申し上げます。

PAXREX 5周年記念
パクコレ vol,1「はな」
3月12日(土)〜4月10日(日)
11時〜19時 水曜定休

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