2010年12月24日 (金)

ポップな四葉のクローバー

Photo_2  真っ赤なコカコーラの空き缶が眼に飛び込んでくるこの作品は「四葉のクローバー」。よく見ると飲み口のところに四葉のクローバーが乗っています。ウォーホールばりのポップな魅力がカラッと爽やかな幸運をもたらせてくれそうでしょ。それも日本の、じゃなくてアメリカ西海岸の幸運。どこが違うの?と聞かれると答えにくいけれど…。あまり大げさではなく、軽い気持ちで「ラッキー!」と笑って人に話せる幸運。たとえば朝のトーストがカリッとうまく焼けてラッキー! たとえば電車の乗換えが待ち時間なしでラッキー! 夕焼けのきれいな雲を見てラッキー! とまあ他愛のない小さなことがらが、何だかうれしい、幸せな気分になる。こんな感じでしょうか。宝くじに当たる幸運、とはあきらかに違うものです。
 小さなラッキーを積み重ねると、顔つきも幸せそうになる。そう思いませんか? 世の中は相変わらず悲惨な出来事や信じられない理不尽がはびこっていますが、だからといってタメ息ばかりついていては、タメ息にふさわしい人生を呼び込んでしまう。田中新吾さんの「ラッキー!四葉のクローバー」を見ながら、爽やかな生き方をしなきゃ、と思うのでありました。この展覧会は26日(日)までです。

ギャラリーPAXREX
田中新吾 フォト×ペイント展
『 ピーチな話 』
11月20日(土)~12月26日(日)
11時~19時 水曜定休 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月21日 (火)

六甲山で「マッチラベル展」

Photo  突然ですが、あなたの家にマッチはありますか? ふ〜む、どこかにあったような・・・ってけいママも探してみたら・・・戸棚の奥にひっそりとありましたわ。今やマッチはそんな存在?
 少し前までは、どこの家庭においても必需品だったマッチ。そう言えば「マッチ箱みたいな小さな家」って表現もありましたっけ。若年層にはもはやピンと来ない表現なのかも。でもその小さな存在のアート性には、きっと誰もが目を見張るはず。はい、アートしているのはそのラベルです。
 六甲ケーブルの山上駅にある「六甲ヒルトップギャラリー」にて開催中の「燐票ーマッチラベル展」。じっと目を凝らして一つ一つを眺めてみると、その美しさに圧倒されてしまいます。Photo_4
 スウェーデンで開発された安全マッチの製造は、明治から大正初期にかけて日本でも盛んになり、その中心を担ったのが兵庫県だったとか! 現在でも国内シェア80%を誇る地場産業。その小さな、愛すべき日用品に込められた図柄は、色濃く歴史や世相をも反映しています。
 当初の木版が多かった頃は、失職した浮き世絵師たちの数多くがその制作に関わっていたそうで、確かに美しく、華やかな日本絵画が、ギュッとコンソメ!みたいに凝縮されています。
 そして輸出が盛んな頃になると、その国でのウケを狙った図柄がしっかりと描かれるようになります。例えば中国向けには縁起担ぎの吉祥図、インド向けには象や神様、また日本国内向けには旭と波と鶴と言った具合に。
 けいママが幼かった頃には、大箱もありましたね。今改めてそのラベルを眺めてみると、レトロな中にもモダンで、心にもぽっと灯りをともしてくれるような優しさが溢れています。
Photo_2  使い捨てライターにとって変わられたようなマッチですが、エコの時代になって「すべてが土に環る」環境重視のアイテムとして再び脚光を浴びているとか。確かに愛おしい存在! 冬の夜にシュッと一本のマッチをすってみたくなりました。
 12月23日には六甲山上のキャンドルナイトも予定されています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月19日 (日)

パワースポット下鴨神社の森にて

Photo  世界遺産・下鴨神社の境内に広がる糺の森(ただすのもり)で撮影されたた樹。いま開催中の田中新吾 フォト×ペイント展の作品のひとつ。別に御神木というわけではないそうですが、田中さんがなにやら不思議な気を感じたという。神社のある場所はどこも荘厳な聖なる雰囲気に満ちていますが、下鴨神社は特に有名なパワースポットです。それも縁結び神様の社もある、ということで全国から若い人たちがやって来る。Photo
 この作品には、樹の精霊が発するオーラが感じられる。人間よりはるかに長生きするものの生命のエネルギーが、まわりに滲み出ている。長く生きていると醜い争いや悲劇もたくさん見てきたことでしょう。その結果、すべてを受け入れすべてを許す宗教者のような大きな度量を獲得した、などと考えるのは、うがちすぎでしょうか。でもこの磁場に引き寄せられた私たちが、なんともいえない幸福感に包まれるのは、きっとこの優しさのせいに違いない。

ギャラリーPAXREX
田中新吾 フォト×ペイント展
『 ピーチな話 』
11月20日(土)~12月26日(日)
11時~19時 水曜定休

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月13日 (月)

吾輩はネコにゃのら!

 Cat 吾輩はネコにゃのら!と強い眼力でこちらに迫ってくる作品は、その名もずばり「CAT」。これは田中新吾さんのお宅の前にたまたまいたネコのポートレートだそうです。カメラに向かって近付いてきた瞬間が、うまくとらえられていますね。前足2本で絶妙のポーズを取っていると思いませんか? ノラなのか飼い猫なのか、この日初めて見かけたネコだそうです。その後は一回もやって来ていないというから、まるでこの時「写真に撮ってください」とそれだけのために田中さんの目の前にやって来たようじゃありませんか。こういうのも一期一会、と言うのだろうか。Cat_2
 ラメ入りのアクリル絵の具で描かれているから、眼はほんとうに金色に光りすごい迫力。人間には死んでも媚は売らないぞ、と決意している眼だ。こいつはネコの中でも飛び切りプライドが高そう。
 同一のネコを撮った作品がもう1点ある。それはもっとレンズに接近し、息遣いまで聞こえてきそうですよ。ちょっとコワイぐらい。こんな黒いネコは幸運のシンボルだとか、縁起が悪いとか、世界中でさまざまに言われるのは、やはり存在感がバツグンに強いからでしょうか。目立つってタイヘンにゃのら、きっと。

ギャラリーPAXREX
田中新吾 フォト×ペイント展
『 ピーチな話 』
11月20日(土)~12月26日(日)
11時~19時 水曜定休

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月 7日 (火)

大阪で、PECHU「冬の金魚」展

Kingyo  おなじみPECHUさんの作品展が、大阪の谷町ギャラリーで始まりました。地下鉄谷町線「天満橋」駅か「谷町4丁目」駅からそれぞれ歩いて10分のところ、西田ビル1F奥にできた新しいギャラリーです。12月26日(日)まで、金魚シリーズに焦点を絞った展覧会が開催されます。決して、金魚は夏だけのもの、ではありませんぞ。世間の寒さを吹き飛ばす熱い気持ちが伝わってくる、冬の金魚もいいものです。
 きわめて細密な版画作品以外に、今回は幅120cm高さ170cmほどのタペストリーを展示してあります。ギョっとする大きさで、これなら手描きのタッチがよくわかる。これを見るとコンピュータで描いたんですか?なんて人はまずいないはず。また入り口から展示室までのアプローチには、PECHU金魚たちが壁面を気持ちよさそうに泳いでいますよ。ん? なんのこと?と思われたら、ぜひギャラリーへ足をお運びください! そして、ご自身の目でしかとお確かめを。

谷町ギャラリー
PECHU作品展『冬の金魚』
12月7日(火)~12月26日(日)
12時~19時(月曜休廊)
大阪市中央区大手通1-4-2
西田ビル1F奥
Tel. 080-3131-1000

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月 4日 (土)

キラキラが世界をHappyにする

Photo_6  クリスマスの飾り付けが始まり、ルミナリエやイエナリエ、街路樹のライトアップなど世の中キラキラが増えてくる季節になりました。いつも気難しい顔をした人でも子供に帰るのか、キラキラを見るとなぜか表情が緩む。不思議ですねえ。
 いまPAXREXで個展を開催中の田中新吾さんは、ターナーのアクリルガッシュ「ラメ入り」の絵の具を使って、写真のプリントの上に直接ペインティングして作品をつくる。ラメ入りなので光の当たり具合や見る角度によってキラキラの感じが変わってとてもおもしろい。ツルんと平面的な写真はともすると退屈になるけれど、いろんな見え方を楽しめるこんな手法があったのかと感激します。Hotel 写真技術をベースにさまざまな方法をトライする作家さんが出てきて、写真表現の可能性がぐんと広がりつつある現在。PAXREXではそんな作家さんを積極的に紹介していますが、田中さんもその一人です。
 田中さんは「柔らかく優しい作品で、見る人に明るく、ハッピーな気分になってほしい」と考えて創作活動をしているとのこと。ご覧になった方が「元気をもらいました」とおっしゃっていましたが、このちょっとシュールでポップな作品も現物を見てみないと、本当の魅力はわかりません。それこそがWEBや印刷物で大体わかってしまう作品とは違う、新しいアート作品たるゆえんでしょう。

ギャラリーPAXREX
田中新吾 フォト×ペイント展
『 ピーチな話 』
11月20日(土)~12月26日(日)
11時~19時 水曜定休

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月25日 (木)

ロボットが未来の夢だった頃

Photo  鉄腕アトムは人間型ロボットで、自分の存在について悩んだりする。だからうっかりするとロボットである事を忘れそうになる。でもそれ以前のロボットは悩まない。今は還暦を過ぎた男の子達が遊んだブリキのロボットは、命令に従って行動するが自分では考えない。カタチは人間型ではなく、そう、スターウォーズのC-3PO。さすがジョージ・ルーカスはツボを心得ていますね。産業用ロボットという言葉をはじめて耳にして心躍ったものだが、実態は工場で溶接をする自動機械だとわかったときの大きな落胆。
 田中新吾さんの作品、「ロボット」。男の子の夢が凝縮している、と思いませんか。「21世紀、世界は平和になり、人間はみんな快適で便利な生活を送れる」、そんな幸せなバラ色の未来を心から信じていた時代。日本はまだ貧しかったけれど、新しい乗り物や電気製品が次々現れて毎日が輝いていた。言っておきますが田中さんはもっと若い人。だからこんな感覚で作ったのではないと思います。作品がイマジネーションの旅路への不思議なスイッチになっているから、見る人それぞれがいろんな想いに耽ることができるのでしょう。

ギャラリーPAXREX
田中新吾 フォト×ペイント展
『 ピーチな話 』
11月20日(土)~12月26日(日)
11時~19時 水曜定休

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月19日 (金)

冬のアイスキャンデーはお好きですか?

Photo  アイスキャンデーは夏のもの、と誰が決めたのだ。小さい頃(つまり昔の話)にうらめしく思ったものです。だって子供は冬でも外で走り回って遊ぶので、冷たいものが口に快い。しかしその頃は冬場にアイスキャンディは売っていなかった。だから初めてアイスクリームのデコレーションケーキを食べた時、世の中にこんなうまい食べ物があるのか、と2~3日熱で寝込むほど感動しました。小学校低学年のクリスマス。
 田中新吾さんが撮って、描いて、創作したアイスキャンデー。これは今どきのアイスキャンディではなく、ぜったいアイスキャンデーだ。(この言い方、もしかして関西弁?) ぽかぽか暖かい陽だまりに置かれたそのシズル感あふれる姿から、そんな記憶がよみがえりました。しばし純真な子供の心と目でいまの時代を眺めている自分。はあっ、ずいぶん遠くまで来たものだ。そういえば友達にアイスキャンデー屋の息子がいた。このお店、冬場は何を売っていたのだろう。思い出せないなぁ。氷屋さんは冬は炭を配達していたけれど…。
 脳を気持ちよく刺激して懐かしい記憶の旅へ連れて行ってくれる、こんな展覧会、スタートします。

ギャラリーPAXREX
田中新吾 フォト×ペイント展
『 ピーチな話 』
11月20日(土)~12月26日(日)
11時~19時 水曜定休

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月16日 (火)

田中新吾フォト×ペイント展、まもなく

Peachdm_2  ただいまギャラリーPAXREXでは田中新吾フォト×ペイント展「ピーチな話」を準備中です。彼はわざとぶらしたりダブらせたりして撮影した写真をプリントし、その上に直接絵を描いて作品を完成させる、という独自のスタイルで創作している作家です。まあ言葉で説明すると、「え、えっ、何それ? もう一度言って」、みたいな難しい印象を持たれるかもしれませんが、実際の作品はとてもキュートでポップな感じ。
 田中さん自身はこのスタイルをSURHANDS(シュールハンズ)と呼び、みずからの名前にも冠しています。まさにシュールで想像力をかきたてずにはおかない新感覚のアートです。ふわぁっと気分良くなったり、キラキラ輝くような想い出が湧いてきたり・・・。このワクワク感は久し振りかもしれない。
 ギャラリーPAXREXで20日・土曜日から。写真の上からペイントするので作品はすべて1点モノ。お早目にお気に入りを見つけてくださいね。

ギャラリーPAXREX
田中新吾 フォト×ペイント展
『 ピーチな話 』
11月20日(土)~12月26日(日)
11時~19時 水曜定休

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月13日 (土)

HONDAではなくTOYOTAなの?

Toyota  満開の桜に祝福されてこの世に生まれ出ようとするクルマ、あるいは桜の花にうずもれて永い眠りにつくクルマ。桜には旺盛な生命のエネルギーと、それと相反する不穏な死のイメージが同居している。生と死。それこそが桜が日本人を魅了してきた一番の理由かもしれない。この極めて日本的心情をうまくすくい上げてアート作品に仕上げた本田かなさんの才能。古より日本人の心の奥底に通奏低音のように響く想いを表現するのに、20世紀文明を代表する自動車を対比させる。見事じゃありませんか。
 でもなぜHONDAじゃなくてTOYOTAなんだろう? こんなエンブレムがついているのはピックアップトラックだと思いますが、きっとHONDAにはない車種なのでしょう。本田さんにとってどこのクルマかはどうでもいいことなんだ、きっと。
 この作品をナマで見るチャンスは14日、日曜日まで。ギャラリーPAXREXへお出でください。

モルテザ・アリアナ、本田かな
FICTION…虚構の写真展
10月23日(土)~11月14日(日)
11時~19時 水曜定休

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧