« PECHU展と美味しんぼ | トップページ | FICTION 虚構の写真展 »

2010年10月15日 (金)

中田明、時間と物質感へのこだわり

Photo  中田明さんの作品は、見る人に圧倒的な印象を与える。べつに大作でもないし、衝撃的な画像でもないのに…。むしろ哲学的と言ってもいいほど静謐なものだ。もちろん8×10インチのフィルムで撮影し密着でプリントされた作品は、緻密な描写力で奥深い美しさをたたえている。でもそれは、インパクトが強いというよりは、じっくり良さが染み出てきて見れば見るほど味わい深くなる、そんな類の魅力でしょう。
 ではなぜそんなに強い印象を与えるのでしょうか。それは、まず第一に額装された全体から受ける質感にあると思う。銅の薄板を錆びさせて組み上げたフレームも、中田さんの自作。この緑青をふいた銅のフレームは、物質の存在感を強烈に主張している。そして中に入れられた例えばこの作品、錆びた銅版に置かれた、これも銅の粉をつけて錆びさせたオーム貝。錆びというのは永い時間を想起させます。この時間感覚が印象の強さの第二の理由。見た瞬間に時間を感じ取れるように、腐食・腐敗させたニンニクやトルコキキキョウ、エンドウマメなどを撮影した作品を自作緑青フレームに入れる。すごく手が込んでいますよね。この展覧会は17日(日)まで、ぜひ現物をご覧ください。

ギャラリーPAXREX
写真をアートに…3人の流儀
10月2日(土)~10月17日(日)
11:00~19:00  水曜定休

|

« PECHU展と美味しんぼ | トップページ | FICTION 虚構の写真展 »

展覧会情報[2010]」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/180264/49692898

この記事へのトラックバック一覧です: 中田明、時間と物質感へのこだわり:

« PECHU展と美味しんぼ | トップページ | FICTION 虚構の写真展 »