本田かなの昭和レトロ感覚
ギャラリーPAXREXで始まった「FICTION 虚構の写真」展。本田かなさんの作品からは、懐かしい昭和レトロの匂いがプンプンしてくる。たとえば丸い赤い郵便ポスト。たとえばタイル張りの流し台。たとえば取り壊し直前のビル・・・。本田かなが興味を持ち、いそいそと撮影に出掛けるもの、それは今では珍しいレトロな場所や物体。小さいころの記憶に未だ捕らわれているのだろうか。初めて認識したカタチや機能に深く感動し、まだその夢から醒めていない幼女のピュアな精神。それを表現するのが、複数のモノクロプリントを細い短冊状に切ってタテ糸ヨコ糸のように編んで作品をつくる独自の手法で、彼女はフォトクロスと名付けている。
こうやって郵便ポストと満開の桜を編みこみながらコラージュして、懐かしいのに実在しないイメージに仕上げてゆく。桜は主役ではないが感性の化学反応を起こす重要な脇役。桜の魔力で私たちは時間と空間を越えてはるかな記憶の旅に出ることができる。そこは夢と現の境界がない桃源郷、いや桜源郷と呼ぶべき場所。
モルテザ・アリアナ、本田かな
FICTION…虚構の写真展
10月23日(土)~11月14日(日)
11時~19時 水曜定休
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