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2010年9月17日 (金)

藤井保「ESUMI」の黒と白

 藤井保さんの名作写真集「ESUMI」(リトル・モア)。三宅島ロケとスタジオ撮影の2部構成で、女優の江角マキコさんの内から湧き上がる存在感を格調高く捉えています。装丁は葛西薫さん。Esumi  藤井さんも江角さんも「いわゆるタレント本にはしたくないよね」と意見が一致。すべてを撮ると言う意味で、ヌードも自然な流れで決まったそうです。三宅島の溶岩が冷えて固まった地球の原初のような荒々しい風景に、柔らかい、しかしバレーボールで鍛え上げられた筋肉質の美しい肉体が溶け込んだロケ写真。それに対して黒バックのスタジオ撮影のヌードには、闇に浮かび上がる魂の叫びや女の情念が息づいている。
Esumistudio  全身の様々なポーズをはじめ、手、眼、肩などからだの部分を黒バックで撮影した作品が続いた最後のページに、1点だけ神々しく輝く白バックの裸身があります。黒と白の対比。喜び、哀しみ、怒りなどの中で日々をおくる生身の女から、ついに女神に昇華する、そんな印象を持ったのは私だけでしょうか。藤井さんが「一過性の話題の中で消費される写真を超えて、百年、二百年先の時間を見つめたものになっていくことを実感しています」というオリジナルプリントを、ぜひPAXREXでご鑑賞ください。

ギャラリーPAXREX
「藤井保/モノクローム」展
9月9日(木)~9月26日(日)
11時~19時 水曜定休

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