祝!藤井保さん 毎日デザイン賞
デザインの全分野において、この1年間で最も活躍した個人・団体を選ぶ「2009毎日デザイン賞」が、藤井保さんの「大気の陰影をとらえた一連の写真」に決まったそうです。おめでとうございます。「現代の水墨画を思わせる作品。オリジナリティが素晴らしい」との選考理由。過去の受賞者を見ると、三宅一生さん、安藤忠雄さん、和田誠さんなどそうそうたる顔ぶれです。
選考委員の一人、グラフィックデザイナーの佐藤晃一氏の講評が、的確に藤井さんの作品性を表現しておられるので、少し長くなりますがその一部を引用させていただきます。 「受賞した藤井保氏は広告写真家としてすでによく知られているが、昨年、深澤直人氏と共著で出版した『THE OUTLINE』において、深澤氏のデザインした家具やプロダクト製品を主な被写体として、ミニマリズムの高い精神性を写真として見事に表現した。これはシンプルきわまりない工業製品を凝視することで、見る者に物質の宇宙性を感じさせる。
と同時に彼の画質は、例えば谷崎潤一郎の『陰翳礼賛』や横山大観の『生々流転』を彷彿とさせ、はては日本のモノトーンの絵画史や禅的なものの伝統が、まさに今日生きている姿であることをありていに示している」。
いまPAXREXで開催中の「ニッポンテキ」展では、藤井保さん『カムイミンタラ』の中から冬山のシリーズを展示中です。カラー作品でありながら、水墨画の薄墨のような表現。余分な要素をそぎ落としたミニマルな美しさ。 生身の人間が見る風景を超えた、まるで神が眺めるのはきっとこうだろうと思える大地と大気の原初の姿を見せてくれます。それは日本人の美意識に深く根ざした感覚でもある。PAXREXまで足を運んでいただけると、水墨画のようだ、と感じるのは見た目だけではなく、その高い精神性にこそあるのだと納得していただけるでしょう。
ギャラリーPAXREX「ニッポンテキ展」
2月25日(木)~3月9日(火)
11:00~19:00 水曜定休
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