横尾忠則氏の「Y字路」公開制作
兵庫県西脇市ご出身の横尾忠則氏が、ライフワークとして取り組んでおられる『Y字路シリーズ』。今回丹馬地域のY字路制作風景を、間近で見られるというイベントが兵庫県立美術館で行われました。
定刻の10時を過ぎて現れた横尾氏。今か今かと待ち構えている我々に「いやあ、今日は体調がどうも・・・。背中痛くてねえ〜」。そっかあ〜、2日から始まっているこのイベント、やっぱりお疲れなんだわと思ったらいきなり映画『アバター』の話です! 「昨日休みだったから観に行ったら最前列しか空いてなくて、首痛くなってねえ。でも凄いよ、『アバター』は! 皆さんもう観ました?」
「はあ〜?」ってちょっと拍子抜けの一般大衆。我らが兵庫県民が誇りとする偉大な画家は、やはりオーラがありました。昨日まで取り組んでおられた「Y字路」をチラッと見て、着替えのために一旦退場。司会の方が「これはもう、完成なのでしょうか、もう少し手を加えるのでしょうか・・・。う〜ん、わかんないんですよね」と、場を持たせるのにご苦労なさる中、ダボダボズボンのトビ職ファッションで再登場の横尾氏。ライブペインティングはコスプレで!ってお考えのようです。確かに真っ白なキャンパスに、画家は路を引き、家を建てる。理にかなってます。何でヘルメットかぶった工事現場の方がキャンバスを運ばれるのか、そんなに重いんだろか?と思っていたら、その方もコスプレだったんですね。実は兵庫県立円山公苑美術館の学芸員さんでした。
「まだね、こちらに関しては構想湧いてないんですよ。どうしよ?」と、今から制作に入られる「Y字路」の写真を見ながら続く軽快なトーク。「とび職コスチュームのカタログもあってねえ、選ぶのが楽しいよ。そうそう時々外人さんがお土産に買って帰って、街着にしているみたい。僕もこの格好でレストランに行ったりする。もちろん変な顔されるけど。あっはっは!」。
ところでこのステキな画家の心を捉える「Y字路」。右へ行こうか、左へ行こうか。岐路に立つ建物の前で、画家の目ははいったい何を見出すのでしょう?溢れる好奇心、遊び心、何にもとらわれない自由奔放な精神・・・「何で画家になったのか、未だにわかんないよ」って、そんな言葉が今もさらっと出て来る横尾忠則氏の魅力を十分に感じ取れた、素晴らしいイベントでした。行ってよかったあ〜!
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コメント
ご無沙汰してます!
横尾忠則氏は な、なんとうちの母と
同い年の 昭和11年生まれのねずみの
73歳です・・・。なんという 若さ!
彼の生まれ故郷 西脇市と加古川市を
結ぶ加古川線の電車のデザインは 彼の
デザインでして・・・あの独特な
なんと 説明していいのか 言葉がみつからない 今まで見た事もない電車は
一見の価値があるかも。
それにしても けいママのますますの
ご活躍 今年も応援しています!
投稿: minacci | 2010年2月 6日 (土) 22時17分
ほんにお久しぶりです

あの電車は、見た事あります
賛否両論が分かる気がしました(笑!)
ただ今PAXREXはマルコの展覧会を開催中。

最近ブログに追われて、イタリア語は全くご無沙汰。
昔はもうちょっと、マシだった気がするけど
でも久しぶりに絵里先生ともコラボして
とても楽しめました
投稿: けいママ→minacciさんへ | 2010年2月 6日 (土) 23時10分