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2009年7月 2日 (木)

「風姿展」7月5日まで

「春の彩り」現在開催中の披田野昭治さんの「風姿展」は四季折々の蓮の一生を追いかけた作品です。折しも万博記念公園の蓮池の話題が届き始めましたよね。たくさんのカメラマニアの方々が撮影に行かれているようです。
 人は自分が見た美しいモノを脳裏に記憶する。さらに写真や絵に記録しようとする。この美しきモノをまた見たいと。この感動をまた味わいたいと。
 でも僅か4日間しか咲かないという蓮の、残り361日はいったいどんなふうなんでしょう?蓮の生殖する場所は決して美しい水をたたえた池ではありませんよね? 誰も見向きもしない風景の中で、蓮は着々と営みを続けている。一日も休む事無く。
 そんなあなたの健気さを、まだ姿すら見えない時も、芽吹く時も、雪の日も、ちゃんと見つめているフォログラファーが居ましたよね? しんと静まり返った蓮池でファインダーを覗く披田野さんの蓮との付き合いは、実に十数年に及びました。
「くもの巣」 真摯にむきあうからこそ、計り知れない情熱があるからこそ、蓮は時に神々しいまでの姿を、彼に見せたのでしょう。蓮池に光が降り注ぎ、森や空の色が水面に映り込み、この世のものとは思えない色彩が生まれる。ただしそれは、一瞬の事。あっという間に過ぎ去る美の世界。披田野さんはご自分の職業を「表現技術家」だとおっしゃいました。「今自分の目の前に在るモノをこう撮りたいと思っても、技術が無ければ無理ですから」と。
 雨が降る蓮池でずぶ濡れになりながら披田野さんは考えます。蓮の葉にたまった水が滴り落ちるスピード、僅かに差し込む光の具合・・葉に降り注ぐ雨粒にカメラを向ける時、そこにあるのはまさしくプロの目だと、火花散る厳しい世界に身を置く者の為せる技だと、作品を観て思わずにはいられません。
「雪降る」 今回PAXREXに展示している作品は26点。もちろんそれは選りすぐりのものであって、披田野さんの元には膨大な数の写真が残されています。写真集出版と展覧会を経て「やり終えたという満足感を十数年目にしてやっと」。とちょっと照れながらおっしゃる披田野さん。その培われた表現技術と、研ぎ澄まされた感性は、今度は何処に向かうのでしょうか。

ギャラリーPAXREX
披田野昭治 写真集展「風姿」
6月6日(土)~7月5日(日)
11時~19時 水曜定休

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