現代アートと杉本博司とU2と
大阪の国立国際美術館で開催中の「杉本博司 歴史の歴史」は作家自身の作品だけではなく、化石や石器、美術品など杉本さんが収集してきたコレクションも展示されています。現代アート界のスーパースターである杉本さんならではですよね。
で、上の写真はご存知、「Seascapes(海景)」シリーズ。なのですが、「=」がON。3月に発売されたU2の「No Line on the Horizon」のアルバムジャケットです。ダミアン・ハーストと共にエイズ救済計画支援のチャリティオークションを企画するなど、現代アートにも関心が高いU2のボノ。彼が杉本作品の大ファンでもあったことがきっかけで実現したコラボレーションだそうで。
写真と音楽。表現手法は違えど作品から感じ取れるメッセージは共鳴する部分があるし、しっかりROCKで且つ又POP・・・そんな所が共通していると思う、というのが今回言いたいことでして。
「Seascapes」は「古代人の見た海が現代に再現可能か」という問題を設定して制作されたそうです。「No Line on the Horizon」でボノは歌います。そこに“線”などない、と。
“地球が丸い”という情報がない人々にとって、海と空の境目、つまり水平線はこの世の果てだったでしょう。しかし、現代に生きる私たちは水平線の向こうに大陸や島を想像します。
「Seascapes」の古代人と私たちは大きく違うはずですが、「No Line on the Horizon」で再確認させられます。当たり前の事実を本当の意味で理解することは難しいのだと。
アーティストのメッセージに共感してドキドキさせられる。とても深い所で。それが現代アートの面白さだと思うのですがU2の音楽もそう。ファースト・インプレッションで「ハッ」とさせられ(よく解らない部分もありながらも)、後からじわ〜っとくる。そして何回も観たく(聴きたく)なるんです。
「杉本博司 歴史の歴史」
国立国際美術館
〜6/7(日)
月曜休館
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コメント
行かねば。。
絶対行かねば。。
このブルータス、、持ってます
だから是非とも行かねばなりません
良い情報を
どうも、どうも!
投稿: 三木写真舘 | 2009年5月30日 (土) 00時05分
間もなく終わりますから、急いで行ってください。
私は4月の半ばに行きましたが、素晴らしかったですよ。
特に「海景」シリーズと、新しい「放電」シリーズの展示が充実していました。
コルビジェやライトなどの有名な「建物」シリーズ、フォーカスを無限遠の2倍にしているそうです。ご存知でしたか? あの建築の本質をあぶり出したとも言うべきボケボケには、そんな意味があったのですね。
投稿: ひろパパ→三木写真館さま | 2009年5月30日 (土) 00時57分