ミュンヘンの酒場を想う
今回は、けいママと交代して私・しょうがPAXREXの近くにあるギャラリーヤマキ ファインアートで開催中の展覧会をレポートします。最初に言っておきますが、ものすごく見応えアリな展覧会です。 コミュニティーの在り方、帰属意識、人と人との関わりあい方・・・
ギャラリーヤマキ ファインアート「フローリアン・ズースマイヤー展」で表現されるミュンヘンの風景を観て、私がそんなことを想像したのは、フローリアン・ズースマイヤーが描く、ドイツの一都市の場面があまりにも人間的だったからだろう。
展示されている作品は、ズースマイヤーが暮らすミュンヘンの「酒場」をテーマにしたものだそう。テーブルやイス、領収書のメモや、アナログレコードとタバコが散らばった机。写真のようなペインティング及びフロッタージュで表現される作品群の最初の印象は、映画『トレインスポッティング』のような、若者の満たされない欲求や、有り余るパワーみたいなものだった。だから、ズースマイヤーという人が40代半ばと聞いて少し驚いた。もっと若いアーティストだと思っていたから。でも、解説文を読んで見直してみると、案外納得できる。一定量の人生経験、時代の変化を読み取る感性を要する作品なのだと。
酒場の雰囲気や、そこで交わされる会話、人間関係といったことを記録しようとする動機は、過去への憧憬から来るものであり、失われつつある一都市の側面を表すもの。
冒頭のイメージは、こうして出て来た。ミュンヘンという都市の酒場を想い、翻って日本の酒場を想像する。そこに、同列で比較できるコミュニティーを見いだせるだろうかと。今回の展覧会の作品には「人」は登場しない。でも、多分に人いきれを感じるのです。
感じ方、捉え方は人それぞれですが、これほど思考させてくれる展覧会は多くないし、このようなギャラリーが神戸にあることはホントに嬉しいことだと思います。毎月のようにスゴい企画をされているギャラリーヤマキ ファインアート、ぜひ行ってみてくださいね。
ギャラリーヤマキ ファインアート
フローリアン・ズースマイヤー展
3/7日(土)~3/28日(土)
11:00〜13:00、14:00〜19:00
定休日 日・月曜日
Tel. 078-391-1666
神戸市中央区元町通3-9-5-2F
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