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2009年2月 6日 (金)

風景のイミ、について

赤松章(AKIRA AKAMATSU)「聖ステファノス修道院」 PAXREXのベスト作品をご覧いただくコレクション展も、Part 2に入りました。そこで今回のテーマ「風景のイミ」について考えてみました。
 私たちはTVや新聞、ネット、雑誌などで毎日いろんな風景を目にしています。大自然の圧倒的な美しさに感動し、なにげない街角に心動かされる。風景に美を感じるのは当たり前に思いますが、こんな気持ちが生まれたのは意外に新しい。マルコ・マイアンティ(Marco Maianti a.k.a. Gremetti)「夕陽の戯れ」絵画で描かれ始めたのは、神話や英雄譚から解放され人間中心の世の中が出来上がった近世以降のこと。写真技術の発明はさらに後のことです。
 では、人間中心主義が生み出した風景のイミとは何なのでしょう? ひとつは生命体でない風景から、まるで生きているかのような物語を紡ぎだすこと。もうひとつは見る自分の気持ちを風景に投影し、癒しや元気の基や祈りなどを感じる、いわゆる心象風景。本来、人間とは独立して存在する客観的な存在を主観的に捉える観点によって、小林鷹(TAKA KOBAYASHI)「Paris」風景は芸術の一ジャンルになりえたのだと思います。ちょっとリクツっぽいですが・・・。
 人間を取り巻く環境、人間が生きていくための道具立てとしか見なかった自然や都市に、「善い、悪い」「役立つ、役立たない」といった考え以外に、「美しさ」という尺度でみることは新たなイミの発見だったのです。理想、永遠、平穏、進歩、反逆、退廃・・・。同じ風景を見ても人それぞれの思いで、またその時の気分で違って見えてくる。
 ここでご覧いただく4人の写真家の作品は、どれもきわめて独創的だ。他人とは違う自分だけの見方、自分だけの表現に情熱を傾ける執念が、藤井保(TAMOTSU FUJII)「TAITOUSAKI TYPHOON」世界のどこにもないスタイルを確立しています。何を撮るか、どのように撮るかは大切なことですが、その根底にある風景に対する独自の哲学を見てください。あなたは4人の作家が問う「風景のイミ」を、どう受け取られるでしょうか。

ギャラリーPAXREX
BEST of PAXREX
Part 2 「風景のイミ」
藤井保、赤松章、マルコ・マイアンティ、小林鷹
2月5日(木)~2月22日(日) 水曜定休
 

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