花のイノチ
はるかな昔から人は花に思いを託し、花を想い出の縁とし、花と共に生きてきました。手塩にかけて育て、部屋を飾り、あるいは歌に詠み、絵に描いて永遠に残す。
なぜこんなにも人は花を愛でるのか。もともと美しいものに心を動かす本能があるからでしょうか。盛りの美しさに潜む、漠然とした不安を感じ取っているからでしょうか。たしかに、花はイノチの営みを強く意識させる。芽生え、成長し、花咲き、実をなす、その輝かしい姿の一方、生老病死・・・生物として逃れる事のできない必然の苦しみも身近に見せてくれる。
いま花に魅せられた3人の写真家がいます。奥脇孝一、小林鷹、森雅美・・・それぞれ独創的な表現方法で観る者を感動させる作品をつくっています。他人とは違う自分だけの花の見方、自分だけのアプローチを追求する情熱。これが世界のどこにもないスタイルを確立している理由でしょう。花をテーマにした写真や絵画は数多い。でもそのほとんどは、ただキレイさに自己満足しただけの凡庸な作品だ。それでは人を感動させることはできない。
その華やかさに、満ち足りた日々の幸せを噛みしめる・・・
そのはかなさに、人生の不条理を見る・・・
いい作品とは、私たち見る側のさまざまな思いをしっかり受けとめて、自分自身を深く考えるきっかけを作ってくれるものだと思います。
この展覧会は次の日曜日、2月1日までです。
ギャラリーPAXREX
BEST of PAXREX展
part1「花のイノチ」
奥脇孝一 小林鷹 森雅美
1月15日(日)〜2月1日(日)
11時〜19時(水曜定休)
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コメント
そうですね。
いつかは失われるものだから
美しいと思えるんですね。
そしてその本質みたいなものを表現している、
PAXREXの作品はユニークですよね。
投稿: Vn | 2009年1月30日 (金) 12時24分
ありがとうございます。
ただ美しいだけではなく、花が持つ奥深い本質を表現した作品を眺めていると、実際に咲いている花を見た時も、今までとは違った楽しみ方ができて、なんだか得した気分です。
投稿: ひろパパ→Vnさんへ | 2009年1月31日 (土) 17時18分