アートの新星とPAXREX
あるところに、毎日ひたすら絵を描いている女の子がいました。彼女がそのために使う道具は、ボールペンだけです。その名を「PECHU」。今日はサントリーミュージアム[天保山]で開かれた新進アーティスト104組の展覧会&マーケット『アートストリーム2008』でブースを開いています。お客さんを待つ間にも、描いてる、描いてる、ずっと描いてる。
その手元を見て下さいな。下書きなんてありません。頭の中に完成形がすでにある?と、言うわけではないそうです。 でも面白いほどに手が動き、連続模様が、あるいはモノの形が現れます。
と、そこに一人のおばさんがやって来てPECHUさんに声をかけました。「調子はどう?」「あっ、けいママさん!」 はい、この日は彼女の様子を見がてら、アートフェアを見学。
「私、接客が何より苦手で・・・」。と言うPECHUさん。確かに店番をしていても、すぐ絵を描き始めちゃいます。全くお客さんに気付かない時も。
で、けいママ、せっせとPAXREXの案内状を手渡します。「11月20日から、うちのギャラリーで彼女の初めての個展をやります。是非来てくださ〜い!」。お客さんの中には、このどでかいハガキがTAKE・FREEだとは思わず「ええっ! ただで貰っていいんですか? きれいですね、これ。飾ります!」って方も。嬉しいですねえ。
さて、どんどん人が増えて来た。ご近所さんはどんな風? 細かく区切られたブースには、イラストや写真、アクセサリーなど、さまざまな表現法を用いた作品がひしめき合います。彼らはキラキラした目でアートを語り、自分の作品に目を止めてくれたことにサンクスを言う。そのさわやかさ。また晴れやかな秋空の下で、アート制作に励む若者たちののびやかな姿。
一方訪れる人々は宝物探しのように、ウキウキして各ブースを廻り、時に選び抜く。 手にした、たった一枚のポストカードが、この先自分の心をポッと慰めてくれることだってある。この中から、やがて世界に羽ばたいていくアーティストが生まれるかもしれない。そんな期待やドキドキを、実際の形に繋げていける、これがギャラリーの醍醐味でしょうか?
アーティストとその作品を求める人々。その橋渡しをするギャラリー。PAXREXはこの度縁あって、PECHUさんの展覧会をします。いずれ改めて、彼女の紹介を。
顔の無い人々の、不思議な写真「Decay」展の後は、オープン以来初めての、写真ではない展覧会です。アートの新星にかけるPAXREXの想い。まずはご案内をあなたに。
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