フィガロと現代アート
旅へと、モードへと誘ってくれる雑誌『FIGARO』。何と、最新号の特集は“現代アート”です。最近『Pen』や『BRUTUS』など時代を先取りする雑誌が、相次いで現代アートを取り上げて、じわっときているな〜とは思っていましたが。『FIGARO』よ、ついにやってくれましたか!
表紙を飾るちょい悪風の男性は? おおっ! ブリティッシュ・ブランドのポール・スミス氏ですね。うちの息子が高校生の頃にエラい凝っていた。今もますますご活躍。この方がキュレーターとなって“fm”つまりフィガロ誌上ミュージアムとは! モードとアートが別ものでは無いんだというメッセージ、見事な演出にまずは拍手ひとつです。
ファッションデザイナーの大御所は若手アーティストの発掘にも情熱を注ぎ、はたまたコレクターとしても有名。そんな彼が自身のコレクションの中から、選りすぐりを語る、見せる。「有名かどうかなんて関係ないよ。私自身の感情や情熱だけが選ぶ基準」。白とサーモンピンクのストライプ、着る人によっては“何じゃ?”みたいな派手シャツがバチッとお似合いのポール氏に、拍手ひとつ。
と、ページをめくれば個々のトップ・アーティスト達の誌上回顧展。我らが世界に誇るフォトグラファー、天才アラーキーもご登場。両親や愛妻の死と言った、誰もが経験する悲しみを、トップアーティストはどう乗り越えて、どう前に進んでいくのか。他にも以前ご紹介した、ジュリアン・オピーなど注目作家の足跡をたどり、インタビューを交えながら、作品の移り変わりや本質に迫る。この企画にもやっぱり拍手ひとつ。
と、流れは現代アート入門講座に。よく聞きますよね〜、「現代アートはわからん」と言う声を。どこがいいのかわからん? 何がいいのかわからん? 一方でこうも言える。ようわからんけど面白い。何かわからんけど何かを感じる。
よし、一枚買っちゃお!ってわけで、次に来るのは“自分の部屋に飾るなら? やっぱり「カワイイ」アートがほしい!”ってページなんです。美術館でいい作品を鑑賞する。それもステキ。一方で“買えるアート”を見て歩く。いえ、そんな気はなかったけど出会ってしまったら、もっとステキ?
特集の最後を飾るフォトグラファー、エディ・スリマンは、元ディオールオムの敏腕ディレクター。レコード・ジャケットを通じて写真とデザインを学んだという彼にとって、ファッションも写真も表現は同じだとか。また拍手しちゃいます。
今この国のトレンドをリードして行くのは、明らかに若い女性。彼女たちは自分の感性を大事に、信じて生きていく。今の自分に必要なものは何だろ?と問いかけながら。ひょっとしてそれは「アートじゃないの?」という今回の『FIGARO』の提案、じわじわ来たか、来たか?・・・。栄町のビルの中、ひっそり佇む我が写真ギャラリーPAXREXにて、プルンと震える。
目の前にはアートです。「藤井保の世界」が広がっています。限りなく奥深く。
ギャラリーPAXREX
「藤井保の世界Ⅲ」展
9月28日(日)まで
11:00〜19:00
(水曜定休)
| 固定リンク
「けいママ・セレクトの本」カテゴリの記事
- コロナの時代をどう生きるか(2020.04.12)
- 「薪を焚く」は名著だ(2020.03.08)
- コロンブス交換とグローバリズム(2019.07.21)
- 長場 雄の、おもしろ視点(2019.07.09)
- タイトルは、月まで三キロ(2019.01.13)
コメント
デザイン


とくに工業デザイン募集中です
思いは届いていたのかと
なんだか うれしいです
投稿: Ron | 2008年9月18日 (木) 00時23分
お仕事、お忙しそうですね

今、PAXREXも新しい展覧会の準備中です。
またお時間のある時に
ふらっとお立ち寄り下さいね
投稿: けいママ→Ronさんへ | 2008年9月18日 (木) 11時14分
早速本屋さんに行かなきゃ!!
頭がごちゃごちゃして
くるくるまわっているので
そちらに行って
すかっとしなきゃ
別に酔ってる訳じゃないんですよ
投稿: 三木写真舘 | 2008年9月19日 (金) 14時08分
先日、ひろパパが久々に長男さんの"師匠”と
電話でお話をさせていただいた時
ブログ記事のお仕事の事、伺ったみたいです。
日々、素晴らしい師匠から学ばれている事でしょう。
ところでMacってどうしてこんなにかわいいんでしょ!
頭ごちゃごちゃしてても、
Macと向き合えば、すっきりしますよ!
あっ、フィガロはチョーお勧めです
投稿: けいママ→三木写真館さま | 2008年9月19日 (金) 16時32分