「Decay」展、早めのプレビュー
神戸在住7年のドイツ人フォトグラファー、モルテザ・アリアナ。彼の目に今のこの国はどう映るのでしょうか? 辛らつなひと言・・・「壊れてゆく」。それが次回PAXREX展覧会のテーマです。 モルテザさん自らが、今回の一連の作品テーマを「Decay」(崩壊や衰退の意味)としました。そんなあ〜! 平和な国なのに? 安全な国なのに? 規則正しくて、清潔で、秩序があって?
便利な自動販売機は至る所に。コンビニは24時間明々と電気をつけ人を迎える。
電車が3分遅れるとアナウンスが聞こえる。「お急ぎのところ、大変ご迷惑をおかけしまして・・・」。財布やケータイーを落とすと90%の確率で戻って来ると言われる不思議の国。
でも「壊れてゆく」? 心の何処かで、小さくうなづきません? 確かに、やばいかもと。
モルテザさんにとって、この国は母国ではありません。でも観光に訪れた国ではなく、ショートステイした国でもない。
7年と言う歳月の中で、彼が日本を撮って生み出した作品。それが「Decay」。
昼下がりの公園、信号待ちの交差点、道ですれ違う男女。ふにゃふにゃと溶けていくように「壊れてゆく」モノがうごめいている。でも投げかけられた重いメッセージとはうらはらに、美しくて、洗練されたスタイリッシュなその作風。
今在る現実をワープさせたような、艶やかな未来都市をふと垣間みる気さえする。それはモルテザ氏の、グローバルで、愛に満ちたパワフルなメッセージが込められているから?日本だけではなく、世界がやばいよ。壊れてゆくよ。でもこの世は美しい。そこに住む人々も。現代社会の現状を捉え、言葉を超えて愛を伝えようとするドイツ人アーティストと、アートを愛する気持ちがあれば、人は戦争などしないと言うPAXREXの想いとの出会い。そして今度は、あなたと出会えますように。
ギャラリーPAXREX
『Decay ー壊れてゆくー』
Morteza Ariana
10月4日(土)〜11月9日(日)
11時ー19時(水曜定休)
※まもなく案内状を発送予定ですが、なにぶん数が多く、過去PAXREXにご来店の上、芳名帳に住所など記して下さった方々に行き渡らない場合がございます。悪しからずご了承くださいませ。
暑さも和らいで、気持ちのよい秋へと向かう中、皆さまとギャラリーPAXREXでお目にかかれますよう、ご来店を心からお待ちしております。
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コメント
このイメージは鮮烈ですねぇ。ハガキをいただきましたが、タイトルロゴ、タイトルとも絶妙で感動しました。どんな展覧会になるのか、とても楽しみです!
投稿: TANTOTEMPO | 2008年9月28日 (日) 00時23分
お褒めいただき、ありがとうございます。
横幅2.5mの大作もあり、なかなか見ごたえのある展示になりそうです。ご期待ください。
投稿: ひろパパ→TANTOTEMPOさま | 2008年9月28日 (日) 11時33分