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2008年8月

2008年8月30日 (土)

イタリア“秋の収穫祭”

Tesori di San Gimignano トスカーナの小さな町、サン・ジミニャーノで出会った秋の収穫祭。“美しくて、そして美味しい町”と書かれた看板の、何とステキな事! こんなんに出会って、黙って通り過ぎてしまえる人なんて居るだろうか? tesori・・・宝物って書いてありますよ。どんな宝物に出会えるんだろ?中に吸い寄せられたジャポネーゼのおじさん二人は、“美しくて、そして美味しい町”と書かれた看板早くも首に何やらぶら下げて上機嫌。
 はい、入口付近で2ユーロ払って、まずは袋付きのワイングラスをゲット。この試飲用グラスを差し出すと地元産の新酒を次々と注いでくれる、という仕組み。もちろんすべて飲み放題。これがまたガラス製の立派なもので、あの看板と同じ絵柄が入っています。しかも首からぶら下げるオレンジの袋入り! 両手が空いて、モノが食べやすいようにとの心憎い配慮でしょうか。ここにも絵柄が付いていて、入口で袋付きのワイングラスをゲットかわいいのなんのって! 3倍くらいのお金出しても欲しいこのワイングラス&袋のセット、思わず聞いちゃいました。「あのう、このグラスはお返ししなくていいんですか?」「あったり前でしょ!」って表情でうなづいてくれたシニョーラ。イタリアではこの時期あちらこちらで、こんな収穫祭が開かれ、ワインと共に“オラが村”の自慢の産物が振る舞われるのでしょうね。
 ねえ、おじさん達、ぐいぐい呑んでばかりいないで、色々食べなきゃ! 採れたて、絞り立てと言えばオリーブ油。パンに付けて味見だ、味見だ。さっきのお店でたらふく食べたサラミも別腹だい! オリーブオイルやサルシッチャ・・・そう言えば友人でもあるフォトグラファー、マルコが言ってたなあ。なんで日本にはチンギアーレ(イノシシ)のサルシッチャ(ソーセージ)が無いの? うっまいのにさあ〜って。確かにね。チーズだって。マルコのおうちでは食後に毎日、3種類ほどマンマが用意してくれてるとか。日本じゃ牛肉より高い?・・・でもここにはある、ある。いっぱい食べられるぞ。トスカーナだもの。そして収穫祭の食べ納めは、やっぱりパキッとグラッパかな?
 あ〜あ、これだからイタリアは止められない。こんな声が聞こえてきそう。トスカーナですね!「イッヒ! けいママ。君は一生この国にハマり続けるんだ。今回ヴェネツィアで感じ悪いカメリエーレと喧嘩したよね? 前にナポリで何度も釣り銭ごまかされて、こんな国もういやだ!って言ってたよね?・・・でも結局また来るんだよな?」 まもなく夕暮れ。サン・ジミニャーノの塔に日が落ちて行く。バスに揺られ遠ざかる小さな町を振り返ると確かに聞こえた。「けいママ、またね、待ってるよ」。って声が。
※サン・ジミニャーノの収穫祭の模様はこちらのサイトでご覧くださいね。Tesori di San Gimignano

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2008年8月27日 (水)

塔の町サン・ジミニャーノ

愛用Macの壁紙(サン・ジミニャーノの塔からの風景)  現在、我が愛用Macの壁紙に使っているこの写真、昨年訪れたイタリアの小さな都市サン・ジミニャーノの塔に登って、そこから撮った風景です。フィレンツェからバスを乗り継いで、約1時間。フィレンツェからバスで1時間 車窓にそびえ立つ塔が姿を現します。町の貴族達の虚栄と権力のシンボルとして乱立され、14世紀には72本もあったそう。今も残るのはそのうちの14本ですが、小さな空間にびっしりと突き出しているその姿は圧巻です。
 何とかは、高いところが好きと言いますが、あの場所から見渡せばいったいどんな景色が見られるんだろ?と好奇心が湧くのは当然・・・でしょ? バスを降りて石畳の道を抜け、一番の高さを誇るグロッサの塔へ。トスカーナ! この甘い響きが頭ン中で鐘楼のように響き渡り、鳥肌が立つ・・・。一番の高さを誇るグロッサの塔から フィレンツェ・ロングステイの折りにも、ルッカやシエナ、モンティカティーニ・テルメなど、あちらこちらの小都市に足を伸ばしましたが、何で何処に行ってもこんなにきれいなの? 電柱は無いわ、広告塔は無いわ、ド派手な建造物は無いわ。そしてあるのは、トスカーナです。紛れもなく。と、今も興奮状態のけいママ?
 そしてさらにときめくものに出会いました。ポポロ宮殿の絵画室にあるフィリッピーノ・リッピ作「受胎告知」。フィリッピーノ・リッピ作の「受胎告知」 ちょっとジャニーズ系を連想してしまう、清閑な顔立ちの美しき天使。この頃、PAXREXで「20人の天使展」と言う展覧会を準備中だったのですが、またここでステキな天使にため息を付いてしまいました。
 くるりと一周するにもいくらもかからない小さな町、けれど数々のルネッサンス芸術に溢れ、郷土の豊かな産物や、かわいい雑貨を売る店、また驚く程質の高い現代アートを扱うギャラリーもあって、少しも飽きる事はありません。路地を抜けると田園だったり そして何より嬉しいのは、路地をちょっと入り、迷ったかな?と思いながら抜けると、そこには静かな風が吹き渡り、中世さながらの田園風景が現れる。高台に作られた町ならではの魅力でしょうか?
 そんなちょっと外れた場所にある小さなトラットリア「La Grotta Ghiotta」(ラ・グロッタ・ギオッタ)。仲良し姉妹が経営する店の自家製ハムやサラミが、まずは気前よく皿に盛られて味見として、出て来ましたよ。当然余りにも有名なこの地方の白ワイン"ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノと共に。トラットリア「La Grotta Ghiotta」(ラ・グロッタ・ギオッタ)
 帰りのバスの時間に合わせて通りを戻って行くと、町の入口付近で、何とラッキーな事に、秋の収穫祭が開かれていました。
秋、秋・・・そうだ、暑さに喘いだけれど、やっぱりそろそろ足音が聞こえますね。次回はサン・ジミニャーノで出会った秋の話題をお届けします。

La Grotta Ghiotta (ラ・グロッタ・ギオッタ)
Via Santo Stefano 10 53057 San Gimignano
Tel. 0577-942074
営業時間 12時〜20時
(休)1月10日〜31日  

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2008年8月24日 (日)

栄町のアンデルセン

以前から気になっていた「アンデルセン」 PAXREX前の乙仲通を西へ、ロータリーの向こう側にある「靴修理 アンデルセン」が以前からとても気になっていました。店主はどんな人だろう? 何でこの名前を付けたんだろ? そしたら最近、お気に入りの靴が2足、相次いで傷んできたものだから「やった〜!」とばかりに訪れてみました。
 間口2メートル程の店内には、張り紙には“1805年生まれ”など解説が機械や道具、修理を待つ靴、いろいろ散乱していますが、そんな中に一枚の張り紙が。「へぇ〜、アンデルセンのお父さんは靴職人だったんですか? それでお店にこの名前を?」「ええ、家内がええんちゃうかと言うてねえ」。ふ〜ん、アンデルセンは生涯独身だったと書いてありますが、アンデルセンの店主は結婚されている。で、命名されたのは奥様ですか・・・。
 靴の修理を頼みにきたはずのけいママ、頭が飛んでます、アンデルセンに。
「あのう〜、アンデルセン、じゃ、なかった。私の靴は直りますか?」命名されたのは奥様だそうで「ふん、直るよ。ちょっと時間かかるけどね。何せ立て込んでてねえ」。店内にあふれる靴、靴、靴。傷み方は千差万別。そのひとつひとつを手に取って説明をして下さる。「たとえばね、底がだめになっている靴、ストーブで少しずつ暖めながら削っていくんよ。出来るだけ大丈夫なところは残さんと、お客さんの負担が大きくなるからねえ」。なるほど、だからこの暑い最中にもストーブが置いてある訳ですね。くりンとした大きな瞳の店主、鋭いけど優しいまなざし。よかった! ほら、よく居るでしょ? ちょっと恐くて、叱られちゃいそうな。職人魂を感じられるお店です「こうなる前に、何でもっと早く持って来んの?」みたいに言われちゃう人。
 靴への限りない愛情と、いい仕事をしたいという職人魂。アンデルセンで修理を頼んだ人は、また次もアンデルセンに靴を持ってやって来るに違いないと確信しました。
 ところでアンデルセンのお話に「赤い靴」と言うのがあります。赤い靴に魅せられた少女が、その靴を履き続けた事で悲劇を迎えるという・・・。アンデルセンは父親の仕事を思い出して、この物語を思い付いたのでしょうか? 「地震前には本があったんよ、アンデルセンの。次もここに靴を持ってきたくなるハズでも何処か行ってしもうてね」。ギョ! アンデルセンにこだわり続けるけいママの頭ン中見抜かれてしまったかい?
 「あっ、写真撮るんやったら、こんなごちゃごちゃした店の中より、ほら、あそこに靴を持っていったげるわ」。と言う訳で、冒頭の一枚が撮れました。ちょっと不思議なショットでございませんこと?
 後日、けいママの靴は見事に修理をしてもらって、しかも「そんなに安くていいんですか?」お値段も良心的ですみたいなお値段で戻ってきました。ほっこり栄町には、こんなステキな出会いもアンデルセン?

靴修理・合鍵 アンデルセン
Tel&Fax. 078-351-4880
神戸市中央区海岸通4-4-12
定休日・日曜

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2008年8月20日 (水)

“藤井保の世界”を観てください

お仕事中の藤井さん  藤井保さんに初めてお目にかかったのは2年位前です。クリエイティブ・ディレクターとして、長年一緒にお仕事をさせていただいていたひろパパと違い、けいママは緊張しました。だって現在日本広告カメラマンとしてトップに君臨する方、プロカメラマンを目指す若者の憧れのお方。
06年のカムイミンタラ展  「藤井さんって、どんな人?」とひろパパに尋ねると、「う~ん、顔は怖い」。確かにお顔は怖いです、少し。PAXREXで06年に開催したカムイミンタラ展。その会場準備の指揮を自らお取りになったのですが、藤井さんのアシスタントの坂野さん、一流スタイリストさん、“現場”なんて何のカンケーも無く生きてきたけいママにとって、それはピリピリした空気が張り詰めた、ただおろおろするしか無い世界でした。ハロゲンランプ
 そして藤井さんがこの小さな地下空間に創り上げてくださった“藤井保の世界”は今も忘れる事が出来ません。思っていたほど床が白くならないと、何度も塗りなおし。テーブルの置き方、本の並べ方、ライトの加減はもちろん、空調の温度まで! その細部に渡るこだわりにはただ敬服。東急ハンズに慌てて、買い物に走ったりもしましたっけ。ハロゲンランプの光り漏れを防ぐ黒い手作りシェードは、いまもPAXREXで活用させていただいています。
日本の数々の風景・・・  あれから2年・・・。ピンホールカメラという言葉にも「何それ?」だったけいママ、いや相変わらずな~んも分っていませんが、ただひとつ、ただひたすら分ってきた事があります。それは藤井さんの作品を観てこそ感じる、そこに込められた美学です。「その写真が果たして美しいか、人の心に残るものか。写真家は常にこの事を考えるべきだ」というお言葉そのままの。「Tokachi River」 ひろパパが愛して止まない作品「Tokachi River」。この作品を前にして、まずは考えます。日本にこんな場所があったの?と。そしてあったんだと納得して、さあそこからです。どこまでも引き込まれて行く。この川はいったい、どこまで続くんだろ? そこを辿っていくことは旅だろうか? それとも生きる事そのものだろうか? いつか自分が、とても悲しい出来事に出会ったとき、この作品を眺めたくなるだろうと、そう考えています。
Esumi_edited1  藤井保であることのこだわり。たとえば女優江角マキコさんをお撮りになった「ESUMI」にも。髪の毛があり、手があり、目のアップがある。ディテールを丹念に積み重ねていく事によって、単なるヌード写真ではない、神秘的なストーリーに満ちた、内面性豊かな江角マキコさんを観ることが出来ます。
 西日本では、PAXREXでしかご覧いただけない藤井保氏の作品の数々・・・。Esumi_edited1_2 最近出会った好きな言葉をあなたにも。「人が実際、その目で見たものに真実はありますから」。PAXREXで、実際に目にして下さい。ところで藤井さん、お仕事中は怖かったですけど、心使いの細やかな、それはもう優しい方でした。もしもご本人を前にしたら、きっとあなたも作品が生み出されるその素晴らしい人間性に納得ですよ。

ギャラリーPAXREX「藤井保の世界Ⅲ」展
8月23日(土)〜9月28日(日)
11:00〜19:00(水曜定休)

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2008年8月17日 (日)

信州と言えば“蕎麦”ですね。

Photo 蕎麦打ちにハマって第二の人生・・・。いえ、ひろパパはギャラリー店主をやっておりますが、蕎麦にうるさい面々が実はすぐ“ぞば”にたくさんいらっしゃいまして・・・。 そんな皆さんにも読んでいただきたい今回のかぜくさ便り・イン・ながわ。ちょっとめずらしいこの地方の蕎麦をご紹介しますよ。
 標高1000メートルを超える渓谷にある静かな山里、ながわは質の高い蕎麦の産地として有名です。何年か前に、信州・ながわの“とうじそば”ですテレビ番組でも特選素材として紹介されましたが、何せ収穫高が少ないですからね。ご当地でしかなかなか口にする事は出来ません。そして“とうじそば”と言う、この地方独特の食べ方があるんです。蕎麦をつゆに浸す事を「湯じ」と言い、これが語源だそうですが、ながわでは投げる汁と書いて投汁そばとも書きます。
 「とうじそば2人前!」と注文すると、まずガスコンロが引かれます。「えぇっ!この暑い最中に!?」と思うでしょうが、まぁあなたも涼やかな高原に居る気分になってみて下さいな。ほどなく運ばれてきた鍋の中には旬の山菜やキノコ、蕎麦のしゃぶしゃぶ?鶏肉などがつゆの中でグツグツ煮えています。とうじかごと呼ばれる器に、小割りした蕎麦を入れ、サッとゆがいて、ワサビやネギなどの薬味とともに頂きます。言わば“蕎麦のしゃぶしゃぶ”でしょうか?
 雪深い寒い地方に脈々と伝わってきたこの郷土料理、婆ちゃんが取ってきた山菜、爺ちゃんが仕留めてきたウサギなどの獲物、そして父ちゃんと母ちゃんが丹精込めて作った野菜と蕎麦。「大鍋に入れて煮込めばいいわさ」って感じの始まり? 囲炉裏のそばでゆるゆると、家族の団らんがうかがえる。暖かくて素朴な料理粋なざるや、盛りとは一味違う、暖かくて、素朴なこの料理。蕎麦をすくうとうじかごは、ちょっとラクロスを連想する? 鍋に入れるものは何でもよくて、いろいろアレンジ出来るわけだし、なんか古いけど新しいスタイルの蕎麦の楽しみ方だと思いません? そのうち“とうじそば、あります”な〜んてそば屋さんが、神戸にも出現するかも!です。
 お腹も満足、車を走らせると、風に揺れる白い花。ほどなく収穫を迎える蕎麦畑が広がっています。秋には上質の蕎麦粉となり、挽きたて、打ち立て、茹でたて・・・でなきゃ美味しいわけがないという、これは蕎麦畑うるさ型の蕎麦好きに食される。
 ただ食べるだけではもの足らんとおっしゃる「蕎麦打ち派」の方々には、教室も開催されていますよ。狐轍名人や三山名人には及びませんが、ちょっと挑戦してみました。蕎麦粉と水の良さで何とかならんかと・・・。「そんな甘いもんやったら、苦労せん!」と言うお声が聞こえてきそう? 今度は是非、蕎麦の里ながわへ、お道具いっさいひっさげて乗り込んでくださいまし。そしてこのながわ名物“とうじそば”を是非!教室も開催されています
 さぁ、信州での短い休暇を終えて神戸・栄町へUターン。「藤井保の世界Ⅲ」の準備に入ります。

※とうじそばの
お問い合わせは 
ながわ観光協会
Tel. 0263-79-2125

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2008年8月14日 (木)

木曽川源流にて森林浴

 神戸・栄町のギャラリーPAXREXを出て、信州からお届けするかぜくさ便り。今日は水木沢天然林へミニハイキングに出かけます。水木沢天然林
 ここは木曽川の源流のひとつであり、木祖村に残された数少ない森林資源の宝庫。ここは木曽川の源流のひとつですなかでも天然林として貴重な区域が“原始の森 太古の森”として保護され、沢伝いに遊歩道が整備されています。森林浴って最近あまり聞かない言葉? でもうっそうとした森に、一歩足を踏み入れれば「来た、来た~!」しっかりと。フィトンチッドだっけ? 昨夜の激しい雨が、しっとりと地面に浸み込み、芳しい森の匂いがフワッと体全体を包み込んでくれる。思わず深呼吸です。樹齢550年の天然サワラは圧巻
 樹齢550年の天然サワラは圧巻だね。樹に神さまが宿るって「はい、ごもっとも」。と実感出来る。木曽五木と言われるヒノキ、サワラ、ネズコ、アスナロ、コウヤマキの他に、ぶなやトチなどの広葉樹が混生し、人が手を加えないからこそ生まれる、群生の豊かさを垣間見ることが出来ます。
 へぇぇ~、ヒノキって“火の木”って書くんだ。火をおこすために使われたからですって。遠い祖先はこれらの木々から、計り知れない恩恵を受けて命を繋いできたのに、何にも知らないなあ、私は。群生の豊かさを垣間見ることが出来ます 立て札の解説を読みながら「へぇぇ~」の連発だもの。天に昇るかのように育つ木を、口をあんぐり開けて見上げ、あるいは朽ち果てていく老木の妖艶さに胸打たれ、倒木の上で根付く新しい草木にエールを送る。森があってこそ生き物が育ち、自然のサイクルが生まれる。クマ除けの鈴
 でも最近は生息地域に食べ物が乏しくなったクマたちが、度々出没するとやらで、管理棟でお借りしたクマ除けの鈴が、けいママのリュックにぶら下がっているでしょう?
 パッと視界が開けた展望台で汗を拭い、涼しい風に吹かれると、遠くにはちょっと霞んでいるけど木曽駒ケ岳が。そして辺りにはもう、オミナエシやススキといった秋の花がそよいでいました。辺りにはもう、オミナエシやススキといった秋の花が わあ~、小林鷹さんの「和花」の世界だぁ。
 さてさて後もう少しの信州滞在。次回お届けの話題はやっぱり“蕎麦”かな?

水木沢天然林
木祖村観光協会 
Tel. 0264-36-2543

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2008年8月11日 (月)

ナチュラルな味、信州発のチーズ

 ギャラリーPAXREXのある神戸・栄町を飛び出して、今日は久々、信州・ながわ(長野県松本市奈川)発のかぜくさ便りですよ。今日は久々、信州・ながわ発です 暑さにあえぐ都会のみなさまに爽やかな高原の冷気をお届け・・・出来ればいいんですけどね。日本広しと言えども、何十年と通い続ける私の心の故郷。そこはカラマツ林の山の中、な〜んにもないところ・・・。確かにコンビニもツタヤもケーキ屋さんもカフェもないけど、実は美味しいものがたくさん!
 清水牧場「SVARASA」のチーズもその一つ。雑誌のグルメ特集でも何度も紹介されて、全国からお取り寄せの注文があるそう。ながわを訪れる度に貴重な情報を提供してくれるヒュッテ・不思議童子の美也さんに地図を貰って訪ねてみました。
清水牧場「SVARASA」のチーズをご紹介  ほんとにあるの? 道間違えたんじゃ? と思うようなでこぼこの山道を抜けると、そこには緑の牧場が広がり、牛達たちがのんびりと草を食み、時折カウベルの鈴の音を辺りに響かせていました。
 小屋からヌッと顔を覗かせる羊も、ストレスゼロって顔つき。確かにね、気持ちいいよね。ここは標高1000メートルを超える高原、樹々の間を心地よい風が抜けて行く。羊も、ストレスゼロ? 「おはよう!」ってハイジみたいな女の子が、毎朝乳搾りをしに小屋を訪れそうな雰囲気。ええ、そうですとも。新鮮そのもののミルクはすぐ横に隣接された工場で、チーズやヨーグルトに形を変えて、これまたハイジの山小屋を思わせる店内で販売されます。くせの強い本格派ウオッシュタイプのものから、さらっと優しい味わいのミルクの香りが残るものまでいろいろ。生乳100%のヨーグルトの美味しさも格別です また期間限定の羊のチーズは、夏の日射しが強くなる頃、香りを増して熟成していくんですって。生乳100%のヨーグルトの美味しさも格別。
 商品名のSVARASAとは、仏教で使われる古代インドの言葉、サンスクリット語で「自然味(じねんみ)」“あるがままの姿”を意味するそうです。大地の草が生き物を育て、そしてまた生き物が我々に与えてくれる豊かな恵みを、感謝の気持ちを込めていただく。トマトサラダが、このチーズのおかげでたメインディッシュに? 何の迷いもない心から作り出されたものには、雑味も無く、素直な自然の味が息づいている。
 いつものトマトサラダが、このチーズのおかげでたちまちメインディッシュに? 信州に居を構えてご活躍中の料理研究家・山本麗子さんも、このお店の大ファンだとか。お取り寄せもいいけど、澄んだ空気のこの牧場で、ちょっとハイジになったような気分で、味わっていただいきたいな、あなたにも♪

清水牧場チーズ工房(有)山岳牧畜研究会
Tel. 0263-79-2800 Fax. 0263-79-2801
10:00~17:00
〒390-1611 長野県松本市奈川51
定休日・火曜日(祝日は営業)、年末年始

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2008年8月 8日 (金)

真夏の夜のタイタニック

「空豆」(舞踏会で踊る連中)  照りつける日射しの中、栄町に到着。エレベーターでB1に降りてPAXREXのドアを開けると、ほの暗い空間にフワァ〜と冷気が漂う。汗を拭き拭き眺める、志賀伸子さんの「菜園」シリーズ・・・。美しく、深い漆黒と、誘い込むような造形美がイマジネーションを掻き立てる。ふと、頭ン中に何故かタイタニックが! 何年も前だけど、話題をさらったあの超大作。今も耳に残る切ないサウンド・トラック。
 うっふ! 一人だけの空間で、けいママのタイタニック・イン・PAXREXの始まり、始まり。(写真にカーソルを合わせて、キャスティングを確認しながらお読み下さいね。)「空豆」(舞踏会で踊る連中)
もろこしの母「あら、そろそろ今夜の舞踏会の準備を始めなきゃ。ころころ豆粒みたいな連中、今日は何を着るのかしら? パッとしないわよね、どうせ。で、わたくし? ヒロイン、ローズの母親ですわ。もろこしに見えるですって? 失礼な! 由緒正しき貴族の家系ですのよ。とは言え、昨今その肩書きだけではやっていけなくて・・・。でも、もう安泰ですわ。娘がアメリカの大富豪に嫁ぎますの、オッホホ。なんかもろこし畑が広がる野蛮な国のようですけど、少なくとも貴族らしい生活は出来ますわよね。「メロンの人」(白菜ボレロを着たローズ)ところでローズは何をしているのかしらん? そろそろ着替えの時間だわ」。
 メロンの人「ああ、憂鬱だわ、今夜もまた。あの豆粒みたいな連中が踊って、飲んで。何がいやだって、アートの事なんてな〜んにもわからない! お金を稼ぐことしか脳が無いのかしらん? それにしても、今夜の衣装の白菜ボレロは、ちょっと窮屈だわ。なんか頭がメロンみたいにでかく見えない?」
素顔かぼちゃ 「ラッキーだよ、僕は。ローズのような女の子に出会って。「素顔かぼちゃ」(ローズと恋に落ちるジャック)身分なんて、常識なんて関係ないんだ。一皮剥けば人間はみんなかぼちゃ? いや、これはあくまでたとえだけど。ハートで分かりあえるって大事だよね? 共に手を取り合って、前を見据えて生きていけるって。彼女がさまざまな心の呪縛から解き放たれて"わたし、飛んでいるわ”と叫んだシーン、いつまでも心にとどめていて欲しいな」。
 ああ、レオさま、ジャックさまと、ちょっとウルウルのけいママ・・・。はい、ラストはこれです。
ドリアン赤ちゃん「私は、深海に沈んだ大粒のジュエリー。「ドリアン赤ちゃん」(深海に沈んだ大粒ジュエリー) ええ、ローズがラストシーンで、投げ込んだでしょ? 血眼になってみんなが私を追い求めた。でも海という大きなゆりかごの中で眠りに付いたの。人はみんな、壮大なロマンを描く。自分が目にすることが無いモノに惹かれる。あなたもそう?」
 ギクッ! 私を見つめているのは、ドリアンの赤ちゃん? それとも大粒のジュエリー?
かくして、けいママのイマジネーション・タイタニック・イン・志賀伸子は終わりを告げました。心に残る名作。それが映画であれ、フォトであれ、絵画であれ、出会いは嬉しい、楽しい・・・。

PAXREX 夏 STYLE 展
7月5日(土)〜8月10日(日)
11:00〜19:00(水曜日定休)

※8月11日(月)〜20日(水)まで夏休みとさせていただきます。また23日(土)より「藤井保の世界 Ⅲ」を開催。みなさまのお越しをお待ちしております。

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2008年8月 5日 (火)

市道山麓線と原田線

これは原田線 神戸を取材し続けてン年、やっぱりしょうさんは神戸通だ、プロだぁ〜!と納得の久々"ニュースしょう”ムムッと身を乗り出す“グルメ情報”もありですよ。

 適度なアップダウンがあってカーブがあって、街路樹が大きい。そんな通りが神戸にはいくつかありますよね。市道山麓線と原田線もそう。
 市道山麓線は六甲と新神戸付近を、原田線は王子公園と新神戸付近を結ぶ。Desi Chai(デシ チャイ)どちらの通りも木漏れ日がパキッとしている、この季節だからこそ通り抜けるのが心地良い。そして地元の人たちに長い間、愛されているお店が多いのも特徴。パン屋さん、お好み焼き屋さん、カフェ・・・。「久しぶりにあのサンドウィッチ、食べたいな」。「あの店の水出しアイスコーヒー飲んでいくか」。バイクで、車で、走り抜ける度に思い浮かべる店がある。そんな中から、今回は2つのお店を。
 まずは昨年末に開店したカレー屋さん「Desi Chai」。カレーも美味しいし、ひよこ豆とベビーリーフのあっさりしたサラダがイイ! Shin's Burger(シンズバーガー)ありがちな、キャベツ&キュウリの日本スタイルじゃないところがとてもイイ!(写真なくてゴメンナサイ) インド人のオーナーさん、夏もホットチャイを勧めるところもさすが、リアル・インディアです(インドにアイスチャイはないのです)。
 そして2軒目は7/4にオープンした「Shin's BURGER」。名前の通り、ハンバーガー屋さんですが、今回はあえてフレンチトーストをご紹介。と、言うのもオーナーのシンさんは以前、お仕事で1日600枚(!)ものフレンチトーストを焼いていたという経験の持ち主。それが美味くないわけがない! アメリカから取り寄せたという、デロンギのパーコレーターで作るコーヒーや、濃縮還元じゃない絞ったまんまのブルーバード・オレンジジュースと合わせたら、それはもう、リアル・アメリカな朝の始まりです。「Shin's Burger」のフレンチトーストハンバーガーももちろん美味しいのですが、それはまた別の機会に詳しくレポートします(最近、グルメバーガーのお店が増えてるから、そんな切り口で)。
 熱いチャイを注ぐインド人シェフ、せっせとパティをこねるハンバーガー店主・・・。右に左に、思い浮かべる顔が増えていっている、市道山麓線と原田線。今回は、神戸のちょっと素敵な通りを紹介してみました。

Desi Chai(デシ チャイ)
Tel. 078-802-5011
神戸市灘区上野通4-4-6
10:00〜21:00
定休日・火曜日

Shin's Burger(シンズバーガー)
Tel. 078-805-5465
神戸市灘区上野通5-2-10
7:30〜19:30(土・日・祝日は11:00〜19:30)
定休日・木曜
※どちらのお店も「市道山麓線」沿いです

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2008年8月 2日 (土)

ハリガネ・アートです

大阪にあるギャラリー「箱/2」 ハリガネ作家・浦井真弓さんの展覧会「木漏れ日オアシス」を拝見しました。「ワイヤーと呼ばないで、ハリガネと言ってください。その方が私らしい」。そう語る筋金入りの(?)うら若きアーティスト。会場は大阪にあるギャラリー「箱/2」。ビル内にある廣田デザイン事務所のショールームだった、通りに面した1F部分をつい最近ギャラリーに改装されたそうです。
 正直言って、あまりの小さなスペースにちょっと戸惑ってしまいました(笑!)。でも2面をガラスで囲まれた小空間に足を踏み入れると、そこには確かに“浦井ワールド”が・・・。ハリガネ作家・浦井真弓さんの展覧会を観てきました「今回は今までとは違う、影を見せることを主としたインスタレーション展」だそう。ギャラリーの女主人は「ここ、光が差し込んでなかなか影が出来にくくて、だから電球も100ワットを使ったんです。よけい暑いでしょう?」と、汗びっしょりで到着したけいママを気遣って、冷たいお茶を入れて下さいました。
 一息入れると、まさにいただいた案内通り「木漏れ日オアシス」を実感しましたよ、浦井さん。大きくて丸いシェードから発せられる光が、すぐ脇の白い壁で揺れ動く、そこにはチョウ達がひとときの安らぎを求めて一息つき、また目を落とすとカラの花が、伸びやかに光と影を見上げている。「木漏れ日オアシス」を実感しました
 ハリガネという素材を使ってモノを創作する。一度形を与えてしまったら、それはもうある意味風を受けても、光の中でも揺るがない。だからこそ、そこから発する影の面白さを、浦井さんは追っかけてみたかったのかしらん?
 影に魅せられるアーテイスト達・・・。そう、PAXREXでつい最近、開催した写真展「翳shade」。森雅美氏は壁にうごめく影の面白さを撮り続けています。彼の場合はフォトグラファーですからね。ファインダーを通して影と向き合う。浦井さんとの関係はずいぶん古いんです「へええ〜! 影って色が付いているんですか?」。その発見にまず驚いたのは森さんご自身? アーティストの後を、我々は追いかける。
 ところで浦井さんとけいママの繋がりはずいぶん古いんです。我が家のピアノの上に飾られているお気に入りのオブジェ(小さなクッションはけいママのお手製)。雑貨屋さんで目にして購入したのはもう10年くらい前でしょうか? それが実は浦井さんのごく初期の作品であったと知ったのは、昨年神戸での彼女の作品展にお邪魔した時。これは10年くらい前の作品しかもその展覧会の事を教えてくれたのは、PAXREXに時々来て下さるじゅんじゅんさん。
 世の中糸で結ばれてる、ハリガネでも結ばれてる。生まれたばかりのギャラリー「箱/2」発のご縁がまた続きますように。

uraimayumi exhibition
「木漏れ日オアシス」
7月22日(火)〜8月10日(日)
ギャラリー箱/2
大阪市中央区東高句麗橋1-6 清水不動産ビル1F
14:00〜19:00
日・月曜休み(最終日のみ日曜日オープン)
問い合わせ 廣田デザイン事務所
(Tel. 06-4709-7453)

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