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2008年6月16日 (月)

森雅美氏の写真集“雅花”

Photo  森雅美さんが花をテーマに10数年間さまざまな技法で撮影してきた写真集「雅花」が、6月13日に角川書店から発売されました。何と高名な歌人でおられるお母様“雨宮雅子”さんとのコラボです。この世に生を受けて、お名前の一字を頂戴して“雅美さん”。そして何十年かの後にフォトグラファーとして、お母様と共作だなんてステキですね。
 「僕よりずっと有名ですよ」。とおっしゃるお母様を、存じ上げなくて失礼しました。ホントに何冊も短歌集や評論集を出版されている、しかも平林たい子賞や日本短歌賞などを受賞されているスゴイお方だったのです!歌人でおられるお母様“雨宮雅子”さんとのコラボです 
 何千首に及ぶ雨宮雅子さんの作品から、花にちなんだ短歌を抜粋、そのイメージに合う森さんの写真が重なり合い、英語訳も付けられました。作品の見事さを語る華やかな序文を、女優の眞野あずささん、舞踏家・俳優の麿赤児さん、またコピーライターの眞木準さんが書いておられます。60種以上に及ぶ短歌と写真のコラボは、ページをめくる度に、溢れる情感を鮮やかに伝えてくれます。たとえば、赤い花と赤ワイン・・・英語訳でボルドーではなく、クラレットと表現されているのもとても粋。赤ワインがのどを通っていく、そして花ひらくように夜がきている。何千首に及ぶ雨宮雅子さんの作品から、花にちなんだ短歌を抜粋、 PAXREX「FLORA展」でご覧いただいた作品が、見事なストーリーを与えられて浮かび上がった瞬間です。短歌と写真、たとえ表現方法が違っても、その場に漂う空気感を鮮やかにキャッチすることは共通なんですね。『病むとは人ととほざかること』・・・。らんの香りがむせる空間を捉えた歌人とフォトグラファー。『誰かいる気配にわれをふりかへらしむ』・・・。そこには真紅のガーベラがほほ笑む? あるいはじっと見つめる?そのイメージに合う森さんの写真が重なり合います   “雅花”たちは美しさ、可憐さだけに目を向ける者をときにあざ笑う。『聖堂の聖なる百合のことごとくひらく不穏か蜜のかがやく』とは、聖なる花とされる百合を、森さんの撮った、光に向かって背伸びしているかのような百合を、“だよね”と近しいものに、“実はアタシ”みたいなストーリーに向かわせてくれる。
 はてさて80歳を過ぎておられるという歌人の、人生への深い洞察に胸が震える。一方でレンブラントや、ガリバー、生き残り後遺症なんて、モダンで奇抜な言葉に胸躍る。“雅花”と人の感性が織りなす空間を響き合う言葉とシルエットで見せてくれる。オススメです(森雅美写真集「雅花」)短歌の楽しさの入り口に立ったような気分、いや一粒で二度美味しい(凡人の表現はこんなもん。お許しを。) お値打ちの写真集です。PAXREXではまだご覧いただいていない森作品も多数収録されて、まさにお薦めです。

 森雅美写真集「雅花」 
     ¥3,990(税込)  
 PAXREXにて販売中

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コメント

“親子で共作”良いですね、ホントに。
写真と短歌という、組み合わせがまた
素晴らしいと思います!

投稿: Vn | 2008年6月17日 (火) 16時20分

ものすごく言葉の感覚が鋭い歌人と
センスが良くヴィジュアルの冒険を続けて来た写真家。
お互いが引き立て合って新たなイメージを紡ぎ出す。
とても気持ちがいい作品集です。
奥深いところで響き合う”親子という人間関係”、も成功の大きな要因でしょうね。

投稿: ひろパパ→Vnさんへ | 2008年6月17日 (火) 23時25分

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