冷静と情熱のあいだ
以前フィレンツェにロングステイしていた時の事。アパートの目の前は「Max& co」。いつも窓から、目まぐるしく変わる見事なディスプレーを見下ろしていましたっけ。ところが2ヶ月の滞在中、一度も店の中に入った事はなかった! いや、あれ欲しい、あれいいな、と思った事は1度や2度ではなかったのですが。けいママ、この現象を密かに「冷静と情熱のあいだ」と呼んでおりました。
はい、フィレンツェを舞台に繰り広げられるあの恋愛小説とは何の関係もないんですが。
つまりですね、もしもここでのステイがロングではなく、ショートなら「よし、お値段ちょっと高いけど出会いもんやし、日本の店にはないかもしらんし」。 あるいは「アタシ、日本で頑張ってるんだもの、これくらい自分へのご褒美!」 あるいは「アタシが着なくても、A子ちゃんや、B子ちゃんに譲ってもいいし」。理由は何とでも。気が付けば情熱に身を任せて、カードの支払いにサインしている自分が居る。 ところがです! ロングステイになるとそうはいかないんです。「別に今買わなくても、いいし」。「ちょっと、アタシには派手かも。またもっといいのがそのうち・・・」。「アタシは買い物のためにロングステイしてるわけじゃない!」。 気が付けば情熱は冷めて、冷静に背を向ける自分がいる。
ともあれ日々、冷静に買わなきゃいけないのが食料品。食べなきゃやっていけませんからね。 「チェントロで買うより絶対安い!」とミナに勧められた郊外の大型スーパーも、何度も出入りしていると、多少この国の事情には詳しくはなるけれど。出始めのアスパラを手にしていると、大阪のオバちゃん風シニョーラが近付いてきてこう告げる。「ちょっと、あんた! 今頃アスパラ買っちゃだめよ! 高過ぎよ。まだまだ値段下がるんだから!」 あっ、はい。とっほほ。何とここでも「アスパラ買いたい、食べたい!」の情熱は下がる。
先日「レジデンスホテルという選択」で、Aタイプだの、Bタイプだのというブログを書きましたが、買い物という情熱に身を任せたい方にはロングステイはお薦めできないかも。そこに在るのは冷静な日常の日々ですから。もちろんただひたすら買い物に明け暮れるロングステイもあるかもしれませんが・・・。羨ましい!
さてさてこの秋、この街にロングステイではなく、チョイステしたけいママのお買い物は何? 次回ご紹介しますね。
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コメント
標題の本は、読んでいて何だか恥ずかしくなった記憶があります。たいした意味もなくフィレンツェを舞台にするという、何だかイヤらしさ(ウケ狙いの)を感じた記憶もあります。標題を見てちょっと不安になりましたが、内容を確かめて安心しました。本とはホンマに何も関係なかったから(^○^)
投稿: しょう | 2007年12月17日 (月) 00時13分
私もこの本は読んだけど、内容的にはインパクトがなく印象が薄いです。
同じ題名で、ふたりの男女の作家がそれぞれの視点から小説を書き上げていましたね。
私は辻仁成の方を読んだけど。blu(青)とrosso(赤)にわざわざ分ける辺りも、チョイわざとらしい感じです。
でも、「冷静と情熱のあいだ」という言葉が好きで、いつも自分自身の中で使います。
確かにお買い物にも使えますね〜
投稿: まり | 2007年12月17日 (月) 02時01分
けいママ、実はこの本は読んでないです!ただ、この映画ロケのあった年にフィレンツェに行って、その時発売された「イタリア・ウオーカー」が実によく出来ていて、役に立ったんですわ。いえ、もちろんそのロケ地を巡ったわけではなく、竹ノ内君が食事したお店へ行ったわけでもないんですが。何だったんでしょう?
投稿: けいママ→しょうさんへ | 2007年12月17日 (月) 13時33分
へええ~、まりさんはどんな時にこの言葉を使われるのかな?
冷静同士のカップル、情熱同士のカップル、冷静と情熱のカップル、どれが一番うまくいく確立が高いんでしょうね?
ところでひろパパは、内容はともかくこの本の企画が面白いと当時ベタ褒めだったんですよ!実に心の広いお方です。
投稿: けいママ→まりさんへ | 2007年12月17日 (月) 13時42分
連絡が遅くなりました
あした2時過ぎになると思います
バタバタで連絡が遅くなりました
申し訳ありません・・・
とても楽しみです
投稿: みきです | 2007年12月17日 (月) 23時28分