宮廷画家と広告カメラマン
ウフィッツィ、プラド、ルーブル・・・世界に名だたる美術館に納められた名画の数々には、その作品が生まれた時代背景や歴史が見て取れます。強力なパトロンの存在があってこそ生まれた名作の数々。 とりわけ王家に仕えた宮廷画家達は、生活のためにひたすら肖像画を描きました。ゴージャスな宮殿の壁面に飾られたそれは、いわばポートレート。またある時は王女のお見合い写真。つまり“要修正”ですか。そりゃ、いろいろ言われた事でしょう。「おい、俺の鼻はこんなに不細工じゃないぞ。どこ見てんだ!」「ちょっとぉ〜! 何で私がこんなに、おばさんっぽいのよ。」と言われたかどうかはわからないけど、ベラスケスもゴヤも、自分が描きたいテーマとの葛藤に苦しんだと言います。
王家に使えた宮廷画家たちに“描く自由”はあったのだろうか? ある冊子でそんなフレーズを読んだけいママ、頭に浮かんだのは“宮廷画家と広告カメラマンって似てなくもない?”・・・パトロンことスポンサーが望むのは「如何にこの商品がよく見えるか。」 カメラマンは、その要求に最大限応えなくてはなりません。もちろん仕事が好きでたまらないプロフェッショナル達。宮廷画家とは違って、たくさんの分野の人たちとの共同作業には、厳しさに見合う達成感もあるでしょう。だけど彼らの胸の内で常に沸々と燃えたぎる写真への情熱・・・。
クリエーティブディレクターとして、そこに身を置いていたひろパパは、一緒に仕事をする超一流の広告カメラマンが究極の“描く自由”を求めて、個人的に撮っている作品に出会いました。「撮ろうと思っている和花が届いても、用意していたバックとミスマッチだったらあっさりボツ!」と小林鷹さん。 広告写真では許されない事ですよね。 「外国に仕事に行くと寸暇を惜しんで、作品に使う花瓶を探しに出る」と森雅美さん。楽しい時間なんでしょうね、それは。 そうやって生まれた「和花」や「フローラ」は、ひろパパに「癒」をくれたのです。そして今、あなたに届けたい「癒 in bloom」 とてつもなく高い技術と、美意識の元に培われたプラスアルファ。伸びやかに拡がる世界に、カメラマン自身の「癒」をも感じます。PAXREXにて6月9日から開催中。鷹さんの新作もご覧いただけますよ。
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コメント
あのね、6月13日のうちのブログのコメントに、小林鷹さんと以前仕事を一緒になさった方からのものがありました。不思議ですね。どんな繋がりを見せるんでしょうね、ブログって。
投稿: 三木写真舘 | 2007年6月13日 (水) 22時32分
はい、読ませて頂きました。鷹さんも8年間ニューヨークに滞在されて、帰国後「和花」の制作を。その清楚な美しさが「ニッポン」が見直されている現代、多くの方に支持されています。オリジナルを見て頂いてホントに嬉しかったです。有難うございました。
投稿: けいママ→三木写真館様 | 2007年6月14日 (木) 13時48分
縁て不思議ですね。大事にしたいですね。これからも宜しくお願いします。
投稿: 三木写真舘 | 2007年6月15日 (金) 00時43分
ホントに不思議な・・・ ギャラリーをオープンしてから一年余り、色々な繋がりを感じています。こちらこそよろしくお願いしますね。
投稿: けいママ | 2007年6月16日 (土) 14時27分