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2007年5月12日 (土)

絵里先生とビザンティン

Photo_389  ただ今PAXREXで開催中の赤松章 写真展「ビザンティンの美」にちなんでお届けする、ブログ版「ビザンティン」シリーズ第三弾は、絵里先生のご登場です。若き西洋美術史家、イタリア語講師、美食家・・・ とにかく凄い人です。で、赤松章氏と共にビザンティン美術の魅力について、神戸新聞文化センターで講演をして下さいました。打ち合わせ中の絵里先生、連日のハードスケジュールで目がぷっくり。
 さてこちら、イタリアの小さな地方都市ラヴェンナにある、その名を“ガッラ・プラチディア霊廟”の天井部分。モザイクに代表されるビザンティン美術の最高傑作とも言われています。Photo_393 星がチカチカと輝き、その中心に黄金の十字架。ここは西ローマ帝国最後の輝き、この国の行く末を案じながら息を引き取った女帝のお墓なんですって。
 これを見たとき、絵里先生はガガガ〜ンッときたそうです。「モザイクってこんなに美しいモノなのか!って」と、まずは、ややこしいうんちくではなく、ストレートに自分の興奮具合を語ってくださった絵里先生。これだから、この人凄いと思う。まずは自分で感じること。そして知ること。。ですよね? 「モザイクって、これは誰が作ったとか名前の残るものじゃないんです。名もない職人が膨大な数の石やタイルを、ただひたすらはめ込んでいく、気の遠くなるような作業・・・。少しでも手抜きをするとバレてしまう。細かさと色のグラデーションがすべて。 だから感じます。ここに眠る高貴な方がどれほど皆に愛されて、惜しまれたか。」
Photo_388    ところでこのモザイク、当然トルコやギリシャに残るビザンティン美術にも見られるものです。昨年アギア・ソフィアを訪問された絵里先生。繋がっている歴史を目の辺りにして、何か自分の中で抜けていたモザイクのピースが、やっと埋め込まれたような気がしたそうですよ。
 講演会では、お二人それぞれ立場は違えど、共にビザンティン美術の素晴らしさを紹介してくださいました。その地を訪れなければ、実際に目にすることはない美しきモザイク・・・。でもPAXREXでご覧になって見て下さいな。きっとあなたを驚かせる事が出来る! 実はルーペもご用意してますよ。笑!

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コメント

いいお仕事なさってますね。読むだけじゃ、なかなか難しくて・・・・。お話を伺うと、また違うでしょうね。うらやましい。

投稿: 三木写真舘 | 2007年5月12日 (土) 21時31分

絵里先生の講義はいつもわかりやすい。
芸術も語学も、自分で感じて、そして楽しむことを教えてくれますよね。

それにしても、今日のパパさんの「日米間の会計基準の違いについて」のお話もとても面白かったです。学識豊かなパパさんからまたひとつご教示賜りました!
毎回ギャラリーに行くたびに、いろんなジャンルのお話が聞けて・・・ こんな特典いっぱいのギャラリーってほかにはないですよね~。 また今日も知識欲をくすぐられてしまいました。Grazie mille! 

投稿: ciaonao | 2007年5月13日 (日) 00時33分

そうですね、なんでも自分の目や耳を信じることが一番です。でないと楽しめませんから・・・。
しかし「日米の会計基準の違い」なんて、なんと大それたことを話してしまったのでしょうか。まったくの専門外の事を、エラそうにねえ。いくらおしゃべり好きだからと言っても、ほどがある。ハンセー!
これに懲りずにまた遊びに来てください。

投稿: ひろパパ→ciaonaoさんへ | 2007年5月13日 (日) 13時00分

はい、絵里先生は私のイタリア語の恩師でもあるんですけど、人を引き付ける話し方・・・ 政治家になってもいけるんじゃないかと思います。
ヨーロッパの美術は、宗教と密接に結びついてますから、少しでもその背景を勉強すると、より楽しめる事が今回の講演会でよく分かりました。

投稿: けいママ→三木写真館様 | 2007年5月13日 (日) 13時52分

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