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2007年5月19日 (土)

泉ちゃんとビザンティン

 泉ちゃんは病院職員と言う仕事の傍ら、創作活動を続ける油絵作家。昨年も東京・銀座で、社会人となってから通った芸大のお友達と共に作品展を開きました。そんな彼女が先日PAXREXの「ビザンティンの美」展に来てくれた時、衝撃の事実がけいママに告げられた! 「私が絵を描くきっかけとなったのは、実はモザイク」。知らなんだ〜この人の描くステキな作品の根底に、ビザンティンがそんなに深くかかわっていたなんて…と言うわけで今回は、泉ちゃんの語るビザンティンです。

Photo_391  私がビザンティンのモザイク画に出会ったのは、まだ美術史だの様式だのを全く理解していない頃、1998年に初めてラヴェンナを訪れた時でした。この頃はただ自分の感性に引っかかるものにプリミティブに反応して観光をしていました。人伝にいいモノがあるらしい的な情報を手がかりに、獲物を求めて町を巡っていた途中、偶然発見したのがラヴェンナのモザイク。いいらしいと聞いていたけど、実物を見たらホントに感動しちゃった。
 この町は東ローマ帝国の「イコノクラスム(聖像破壊運動)」の嵐が及ばなかった事もあって破壊を免れ、ビザンティン美術の第一次黄金時代の作品が、かなり良い状態で残っているのです。サン・ヴィターレなど徒歩圏内の主要7ヶ所は共通チケットもあり、それでまわりました。ガッラ・プラチディア霊廟の素晴らしさは格別。Photo_394 でも私の一番のお気に入りは、この共通券には入っていないサンタポリナーレ・インクラッセ教会。駅前からバスに乗って10分ほどの町外れの田舎にあります。悪名高きショーペロ(スト)に遭い、偶然時間が空いたので、ちょっと行ってみたら大儲け!!! これを見ずしてこの町を去ろうとしていたとは・・・。
 グリーンを背景にして、キリストを中央に羊と木が左右背面に配置された、牧歌的な印象さえ受けるモザイク。Photo_397 ドアから羊の列が出てきたり、椰子の木がかわいい実を付けていたり、とにかくユニーク。教会の内部は暗いイメージがありますが、ここは窓がたくさん配置されていて、かなり明るい。その窓からの光を受けてキラキラと輝いて柔らかい光に包まれている様を見て、モザイク画が光のメディアだと新たに認識させられました。
Photo_390  じつはラヴェンナを訪れる前年に、ヴェネツィアのサンマルコ寺院でモザイクを目にしているのですが、このときは「モザイク」を意識できないで見ていました。その後、芸大で美術史を勉強してからもう一度サンマルコへ行ったのですが、私の美の嗅覚はラヴェンナの時ほど反応しませんでした。眩い黄金色に感嘆し、職人技に感心したのは事実ですが・・・。神に捧げる美術の荘厳さを前にして、美意識を感じるより圧倒されてしまう。私は寂れた祠の海の神さま、山の神さまにホッとしてしまう、根っからの日本人ではなかろうかと思う、今日この頃です。

 泉ちゃん、これからもいいモノ、好きなモノをたくさん見て、積極的に創作活動を続けてくださいね。

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コメント

建築などを見て「根っからの日本人ではなかろうかと思う」に全く同感ですね〜。サン・ピエトロ大聖堂を見た時、感動しました。その大きさに。でも、僕が本当にスゴいと思うのは、広島の厳島神社のような、そこにある自然(遠くに見える山々、潮の満ち引き、波の音とか)を取り込んだ、目に見える大きさよりも「感じる大きさ」を持つ建築なのです。そんな時、思うのですよ。「僕は日本人やな〜」と。サン・ピエトロ大聖堂を観たからこそ厳島神社の良さも解るのであって・・・。あ〜、またイタリアに行きたい!

投稿: しょう | 2007年5月19日 (土) 15時03分

けいママも間違いなく日本人ですわ。フィエゾレのひなびた教会がなつかしい。ただ手間隙かけて、何かを作り上げる人間の能力は計り知れないですね。ビザンティンのモザイク一つ一つに込められた想いと情熱は、時代を超えて感動を伝えてくれます。

投稿: けいママ→しょうさんへ | 2007年5月19日 (土) 17時30分

けいママさんのブログを読み始めて、「心豊かに暮らす」ってこういう事なんだ、って思うようになりました。目指せはいママライフです。

投稿: 三木写真舘 | 2007年5月20日 (日) 00時18分

ラヴェンナのモザイクは 文句なしに
ナンバーワンだと思います。
何回も行きましたけど なんせ
方向音痴なモノで
何回も迷う私。
  

 BARでぼんやり時間つぶしをしていたら
日本人の団体さんが バスで乗りつけて
駆け足で観光して 帰っていってたなあ。
 あの街は じっくり散策してほしいですねえ。


  

投稿: minacci | 2007年5月20日 (日) 12時18分

私自信は全然、心豊かに暮らしてないですけどね。笑!ただ最近、趣味で写真を撮る若い人達が急増していますよね。モノより思い出?心ときめく瞬間や、シーンを捉えて発信する人たち・・・ ギャラリーという場を通して、時代の流れを感じる今日この頃です。

投稿: けいママ→三木写真館さま | 2007年5月20日 (日) 13時23分

さすが、イタリア在住が長かったminacciさん、何回も行かれたんですね? 私とひろパパは、赤松さんの素晴らしい写真集を以前から見ていたので、是非実物もみたいと、ラヴェンナで一泊しました。(出来ればもう一泊したかった・・・)
でも現地で売っている絵葉書やなんかをみて、改めて赤松さんの写真の凄さ、芸術性の高さに驚きました。オープン一年を過ぎて、プロの作品とはどういうものか、ほんのちょっと分かってきた、けいママです!

投稿: けいママ→minacciさんへ | 2007年5月20日 (日) 15時38分

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