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2006年8月

2006年8月26日 (土)

ギャラリーという名の異空間

1  立派なツイタテでしょ? もともとあったかのように何の違和感も無く・・・それもそのはず、コラム「こちら家のギャラリー」でご紹介したのと全く同じ布クロスを使って、特別に作ってくださったものです。こんなに立派だと「藤井 保展」が終わった後も、そのままにしておいて貰おうかしらん? でもやっぱりない方が、となった時の撤去はこれまた・・・と、けいママがあれこれ考え込んで、ボーと突っ立ってる間にも(このツイタテのように迫力はありませんが)工事は進む。Photo_49 みんなで、額を掛ける位置を決めているところ、天井にライトの灯りが漏れないよう、一個一個黒いアルミで覆っているところ。何とか作業が終了したのは、展覧会スタート前夜の11時頃でした! 白い部屋、黒い部屋、二つの部屋のライティングはもちろんの事、温度差までもこだわる藤井氏。「その作品が生み出す空間そのものを、少しでも感じ取って貰いたい。そうでなきゃ、家で寝っころがって写真集見てるのと変わりないでしょ?」 なるほど〜! 1_1 前回の写真でお見せした白い床、最初ベニヤ板に白い石を張りつめたものが運び込まれたのですが、まだらな部分が気になるという事で、上からペンキ塗り。スタイリストさんが両手を塗料だらけにして、長時間床に這いつくばってやっと完成。もちろん本物の雪の上を歩いて頂くといいうわけにはいかないのですが、固くもなく柔らかすぎでもない感触を踏みしめるという不思議な感覚・・・。五感全てを使って、お楽しみ頂くまさに異空間です。見終わった後は、ちょっと疲れるかも知れませんよ〜! 噴煙もくもくの火山、台風の海、あちこちの雪山体験ですからねえ。

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2006年8月20日 (日)

ビザンティン美術への想い

_edited1_12  四国の松山からカメラマンの赤松章さんが来てくれました。赤松さんは、20年以上パリダカにサポートカーで参加し、素晴らしい写真を撮り続けている方。またモンゴルラリーではスタート時から運営委員としてかかわっていらっしゃいます。

 そんな行動派の赤松さんが1995年に平凡社から出版した「ビザンティン美術への旅」という名著があります。で、この本と一緒に写真を撮らせてもらいました。「撮るのはいいけど、撮られるのはなあ」とテレていましたが・・・。Photo_43 西ヨーロッパが暗黒の中世だった頃、トルコからギリシャ、イタリアにまたがるビザンティン帝国に花開いた美の結晶を、愛車ランクル?で駆け巡って撮影した写真集。ヴェネツィアのサンマルコ寺院ぐらいしか知らなかった私たちに、もうひとつのヨーロッパ美術の全体像を伝えてくれました。

 ただしこの本、いまは絶版。ウーン残念。でもガッカリしないでくださいね。ギャラリーPAXREXでは、そのうち赤松さんのビザンティン展をぜひ開きたいと思っています。ビザンティンのモザイクやフレスコは、現代の私たちから見ても、というより遠近法に慣れてしまっている私たちだからこそ、よけい斬新でパワフルに見えるのではないのでしょうか。ご期待ください。

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2006年8月18日 (金)

甘くな~いカフェ

 先日ご紹介したexprimerと同じビルの4Fに、イケメン二人組みのカフェ&バー、anthem(アンセム)がオープンしたという、siiさんからの情報頂いて、けいママさっそく友人のさよちゃんと行ってまいりましたよ。

Aanthem(アンセム)  で、そのインテリアの印象が、甘くな~いカフェ! 決してメニューにスイーツが全く無いという意味ではありませんから、お間違えなく。たとえばテーブルに置かれた空き缶の中、これ石ですよ、石。お花ではなく、ガラスやワイヤーのオブジェとかでもなく・・・ 「男二人のカフェですからねえ、何か、かわいいのって気持ち悪いでしょ?」とオーナーさん。いえ、イケメンですからね、何でも許しちゃいますけど・・・ 「小学校の時使ってた、椅子とテーブル思い出しちゃう。」とさよちゃん。確かにそんな感じ。そして飾り棚に並んでいる雑誌は、チョーマニアック! 40年代、70年代の・・・ こういうのパラパラ読みながらお茶できるなんて、これはひょっとして“奥の深~いカフェ”。内装を手掛けたのは、アンティークス タミゼの吉田昌太郎氏、有名な方なんですって。だから、近々エル・デコに掲載されるそうです。

anthem(アンセム)・ランチ  余分なものがない、懐かしくて、心落ち着く空間でいただく950円のランチは、アンティパスト、メインディッシュ、飲み物つきでかなりお得。アンセムホームページで内容をチェックしてみてください。エレベーター無しの4Fではありますが、みなさん、イケメン、イケメンと口ずさみながら階段上がりましょうね。途中、3Fのセレクトショップmoussesも、今度ご紹介します。

cafe&bar anthem(カフェ&バー アンセム)
TEL 078-771-4914
神戸市中央区海岸通2-3-7 グランディア海岸通4F
12:00~24:00 (LO23:00)
定休日・なし

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2006年8月14日 (月)

祈りの場所

Photo_41  世の中お盆休みですねえ~。PAXREXは開いてますけど。今度の定休日にはお寺に行って、お墓参りもしなきゃ・・・ってふと思い出したのがこちら、キリスト教徒にとっての祈りの場所、礼拝堂。昨年、イタリアロングステイの間に、いったい幾つの教会や礼拝堂を巡った事やら。中でもひろパパが長年行きたいと憧れ続けていた、ニース近郊ヴァンスにあるロザリオ礼拝堂。ここは晩年のマティスが精魂傾けて、その建物から、内装、神父様の衣装に至るまでを手掛けたという・・・ ご存知の方、行かれた方もいらっしゃるでしょうね。いかがでしたか?

_edited1_11  けいママ、実はひろパパのように念じ続けていたわけでもなく、さほど興味があったわけでもなく。ところがこのなかに入ったとたんに受けた聖なる感動は、今でも忘れることが出来ません。鮮やかな黄色とブルーの光があふれた、そこは紛れもなくマティスの世界。そして輪郭だけで、目も鼻も口もないマリアさまは、清らかで、気高く、神々しく、、限りなく優しく、訪れるものすべてをぎゅっと抱きしめてくれるかのよう・・・。(内部は撮影禁止のため本でご紹介)

  これを描いた時、彼の両手はもはや思うようには動かなかったといいます。でもあの世に旅立つ日が近いと知った時、一流のアーティストはこれほどまでに崇高な作品を残せるんですね。ミケランジェロの晩年のピエタもまた然りでしょうか。今日私たちが目にする数々の芸術、祈りと結びついたものが、いかに多いかと実感させられます。

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2006年8月12日 (土)

神さまが眺める風景

_edited2_6  8月26日から、PAXREXで開催予定の「藤井保展」。氏は現在、日本広告写真界のトップでいらっしゃる方。広告批評8月号に、「神の庭で写真を撮らせてもらっている」というタイトルで、この展覧会についてとても興味深いお話が掲載されています。
で、まず今回の写真展、撮られた場所が全て日本だと言うと、「ええっホントに全部!これが?」と驚かれる方多数・・・雪景色に見る極寒の風景は、日本から遠く遠く、離れた場所を思わせる。荒れ狂う波も、雄大な火山も、飛行機に何時間も乗って出向いて行って、やっと辿り着いた場所で見る風景であるに違いないと。
_edited2_7  ところがこの記事の冒頭にこうあります。「日本人として、日本をきちんと撮りたい。外国のいろんな所に行くうちに、日本をちゃんと撮っておきたいと思うようになったんです」。ガ〜ン! そうだったのか・・・ ちっちゃくまとまって、何か箱庭みたいなイメージがあるこの国(私にとっては)、実は雄大で、エネルギッシュで、まさに大自然に出会える国だったんだあ!
 そしてその風景を捉える藤井氏、「風景を撮るときに、地球の肌を撮っている感覚になることがある」、大自然の中で「写真を撮らせてもらっている」という、超一流でありながら、この驕りのなさ。そこから生まれてきた作品の数々。
 さて、場所が日本であっても、そう簡単に行ける場所、見られる風景ではありません、もちろん!ひろパパが案内状にしたためたように、藤井さんに連れて行って貰いましょう。
 日本であろうが、なかろうが、そこはこの世のモノとは思えない魂を揺さぶられる美の世界です。

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2006年8月 9日 (水)

ヨリさんのポストカード立て

 「ねえ、うち帰ってすぐにこれ飾りたいんだけど、ポストカード立てって、この辺りで売ってる?」けいママの友人が、PAXREXに来てポストカードを買ってくれた時のコメントです。
 ふ〜ん、ポストカード立てか・・・実はギャラリー始めてからあちこちの店で、やたら目に付く。でも「これだ!」と気に入るのにはなかなかお目にかかれない。ヘンにゴージャスだったり、可愛すぎたり、安物っぽいとか。よし、この際PAXREXオリジナルを作っちゃお!と思い付いたのも、頼もしい存在がいるからこそ。
Photo_31  「ヨリさ〜ん!出番ですよ。」本業ではないにしろ、オーダーを受けてオリジナルデザインの家具や額縁まで作っちゃう彼にとっては、こんなの屁のかっぱ・・・ オンリーワンの手作り感があって、シンプルで、センスがあって、どんな大きさのポストカードにも対応、しかも使わないときは邪魔にならない・・・ そんなけいママの欲張りな要望に見事に応えてくれました。
 木の種類によって色が異なります。うすいのは栓の木、濃いのはチーク。もちろん一つずつ手作りですよ。
アクリルや金属とは違うぬくもり感と、程良い存在感。けいママはかなりお気に入りなんですけど、いかがでしょうか? Photo_32 一つ500円でPAXREXにて販売中。ついでにポストカードとセットにして、PAXREXブルーのリボンをキュッと結んだプレゼントセットも作りました。けいママやりたい放題?
 以前から、日本のミュージアムショップは、外国のそれと比べて何て味気なくて,欲しいもの、買いたいものが少ないんだろ、とひろパパとも話しているんですが、皆さまどう思われます?
 いやいや、日本のミュージアムショップも頑張ってるでえ! いえ、やっぱり海外のほうが・・・お奨めはあそこ、こんなの見つけた・・等々・・何かあったら是非けいママに教えて下さいね。お待ちしてます。

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2006年8月 6日 (日)

花火は大人のクラブで

 昨日、8月5日は神戸の花火大会でした。PAXREX界隈も暑さまっさかりの昼過ぎから、浴衣にウチワ、正統派の花火見物客がゾロゾロ、ゾロゾロ。で、私たちはといえば雑踏を避け、北野のクラブ・タリスマンへ出かけました。

神戸の花火大会 日本では珍しい南インド料理を味わい(悪戦苦闘しながら手で食べましたよ、もちろん。でも最後はスプーンの助けを借りましたが・・・)、ベリーダンスのショーを見る。ン、ちょっと違う? ま、楽しければ何でもいいじゃない! お客で連れられてきていた4歳ぐらいのかわいい女の子が、思わずリズムに合わせて体をフリフリ、も微笑ましい。ドーンという音を合図に、いよいよ屋上に上がって花火見物。クーラーの効いていた部屋から外に出ると、まだムッとした熱気が漂い、たまらん暑さです。でもこの暑さとお腹に響く音こそ、花火見物の強力スパイス。一同口々にオーッとかワーッとか歓声を上げながら、思い思いに夏を満喫している。そして派手な連続の大玉が終わると、一拍間をおいて「下へ降りよか」「ここ穴場やな」「来年もここやな」と部屋に戻る。

 花火の余韻に浸りながら、おいしいお酒を嗜む。知り合いになった人と会話が弾む。そうこうするうち、シャンソンの弾き語りが始まる。などなど、いろんな面白さごった煮の大人の夜は更けてゆくのでした。

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